今日の札幌花市場。なんとも静かなセリ風景でした。

カーネーションは一部のみ、しかも一時的に高騰しましたが、全体的には普段と変わらない価格。

ただ、困った事にオレンジのスタンダードカーネが全くセリに出ませんでした。どこに消えたのでしょうか？

カスミソウは最初に競られた地物が最高値で、久しぶりの大台でしたが、その後はやはりリーズナブルなプライスで落ち着きました。

リーズナブルでも品質はGOOです。数年前とくらべモノにならないくらい最近のカスミソウは安心して使えるようになりました。

使えるようになったと言えば輸入のカーネーションも今年は品質が良いです。

デンファレも品不足の噂があったのですが、大量入荷でした。

さて、昨日に引き続きバラの圃場見学の続きです。

右に見えるのは　ブルーミルフィーユ。ハウスの天井につきそうなくらい伸びています。ほんと驚きました。１３０センチくらいは伸びてます。規格の為９０センチ以内に切って出荷してるそうですが、それ以上長いのが必要なら頼めそうです。

そして左のバラが　パパメイヤン　です。

ものすごく香りの強いバラで、北海道ではここでしか作っていません。

生産性が非常に悪い品種の様です。

パパメイヤンは開くのがとても速い為、日持ちが良くありません。なのでスプレーにして作れませんか？と聞いたところ、花芽が枝分かれしない品種だから無理だそうです。

確かに実物を見ると良く理解できました。

新しい品種の栽培も始めています。その一つがこのバラです。

最近のヒットローズにマイガールと言うピンクのバラがありますが、それに続くバラを色々と考えているそうで、吉田さんがお勧めしていたのがこのバラでした。

写真のバラはどちらもアーチングの為下に折られた花なので出荷される物とは若干違うでしょうけど、なかなか鮮やかで綺麗なバラです。

咲いた状態も凄く主張がハッキリしていて期待できそうです。

この他にも数種類の新品種を見させていただきました。セリに出されるのが楽しみです。

沢山の話の中で、原油高騰の話も出ました。吉田さんのところでは最低温度を１８度に設定しているため、夏でも暖房のスイッチが入るそうです。だから本当に大変。

そこで、昨年から廃油を利用した暖房設備を導入し、コストを３０パーセントも削減したそうです。

そしてさらにこの春から導入したのがこれ！

なんと　エアコン　です！

えーーーっ！　と驚きの声を上げてしまいました。北海道でエアコン？

道外では導入している生産者も少なくないでしょうけど、北海道ではかなり珍しいのでは？

これも温暖化による影響があるようです。

吉田さんの話では、昔より夜温が下がらなくなっている為、思い切って導入に踏み切ったそうです。バラは昼の温度が多少高くても夜温が下がれば品質に問題ないそうですが、夜も温度が高い状態になると、色々な障害が起きるとの事。

このエアコンは暖房にも使えるヒートポンプ式なので、うまく使えればコストダウンにもなるそうです。

お花の品質を考えての設備投資。この厳しい時代に凄い事だと思いました。

そして選花場を拝見し、抗菌剤を見せて頂く事に。

研究熱心な彼は今も色んな方法を試していました。

これは硫酸アルミニュウムと言って抗菌剤の一種です。これを薄めて使用したり、他にも様々なメーカーの物を使っていました。

中には海外から仕入れた物もあり、今後も最適な方法を模索していくようです。

私の最近のテーマである切花のPhについてもお話を伺いました。土壌のPh値と切り花としてのPhは関連あるのか？

正直なところ解らないとの回答でした。ただ、アルカリにするよりは酸性の方がバクテリアの繁殖が少ない為、バラには良いでしょうとの事。流通用の水にも抗菌剤のほかにクエン酸を入れてPhを下げているとの話もありました。

なるほど・・・。勉強になります。

そうそう、例の灰色かび病とボトリチスの話。

吉田さんも厳密に言えば症状が若干違うが、バラ生産者の間でもどちらも省略してボトと呼ぶとの話でした。

また、花びらにボトが出る現象ですが、バラの品種により採花する切前が違い、つぼみの硬い状態で出荷する品種は出にくく、少し咲いた状態で出荷する花は出やすいとの事。

これは、ハウス内で天井から落ちる水滴が入ってしまったり、蒸気を吸ってしまうからだそうです。

それ以外にボトが出る現象として、圃場に菌がある可能性も考えられるとの事。同じ産地でおなじ現象が起きるなら、きちんと市場に伝えた方が良いと仰ってました。

他にも色んなお話が聞けました。吉田さん。本当にありがとうございました。

やはり産地に行くと新しい発見や知識向上になりますね。

これからの時期北海道は出荷最盛期になります。見ごたえありますよ！　仕事の邪魔になるかもしれませんけどね・・。(^^ゞ

バラの圃場見学その２