これまでの経緯、続きです。

2014年9月1日、根治手術の為に、血液検査と術前CTを撮りました。

9月6日に結果を聴きに行くと、主治医は、

「良いニュースと悪いニュースがあるけど、どちらが聞きたい?」と

え?悪いニュース?…
呆然としてると、

「じゃあ、いいニュースから。マーカー下がってたよ。」

と言って見せられたマーカー、


…どれも前回より上がってるではないですか!

「先生、マーカー上がってますけど…」
「え?あ、ほんまやね。で悪いニュースは、転移が見つかったんやね。肝門部のリンパ節に15~20mmの転移と、縦隔のリンパ節の腫大。肝門部は内科の先生にも確認したけど、ほぼ転移で間違いないだろうと。」

新たな転移?!ずっと抗がん剤してたのに?この時はショックというより、憤りを感じました。

「より詳しく調べる為にMRIとりましょう」

ということで、MRIを撮るも、結果は変わらず。

「抗がん剤治療してたのに、転移したんですが、これからの治療はどうなりますか?」

「抗がん剤やね。もう転移してると言うことは全身病でもあるわけやから、手術は意味なくなるね。
MRIでも分からなかったから、PET受けましょう!もう予約入れておきましたから」

あれよあれよというまに、PETを受けることになりました。


この時私は抗がん剤治療中に転移したことで、抗がん剤に不信感を持ってしまいました。


そして、本屋さんで星野式ゲルソン療法の本に出会い、食事療法をしようと決心しました。


同時に、某SNSの癌コミュに、抗がん剤治療中に転移したが、どうしたらよいだろうか、というトピックを立てました。

そのコミュは現代医療否定、抗がん剤は絶対ダメ!癌はこれまでの心の在り方、生活の在り方が原因だから、元を正さないとダメだ!という、今考えると、ちょっと新興宗教みたいなコミュでした。

そこで、癌で死ぬ人の80パーセントは手術、放射線、抗がん剤で死亡してる(デマです)、抗がん剤やった人で元気になった人はいない(これもデマ)など、反抗がん剤治療、反現代医療を散々吹き込まれ、洗脳状態になってしまったのです。


PET検査も、放射性を帯びたフッ素を体内に注射することで、体内からも被曝するから受けてはいけない、とものすごい勢いで説得され、PETをキャンセルしてしまいました。


凄く悩みましたが、結局、抗がん剤治療をやめよう、と決心しました。

抗がん剤治療をするとき、主治医から、どんな薬にも副作用があるが、それを上回る効果があるから、薬として使うのだ、という話がありました。抗がん剤の効果は、癌の縮小、あるいは新たな転移の防止のはず。その効果が得られなければ、副作用の辛い抗がん剤をやる意味が全く分からなくなってしまったからです。


9月26日、抗がん剤治療で入院の予定でしたが、血液検査だけ受けて、
「しばらく抗がん剤は休みたいです。それでも月一の診察はお願いしたいのですが…」
と言うと、主治医は
「抗がん剤治療しないからと言って、放り投げるようなことはしません」
と言ってくれました。

ただ、
「放っておいたら、どんどん大きくなるよ」
と言われました。

「肝門部のリンパ節が大きくなってきたら、どうなりますか?」

「局部痛が出てくるね。あとは胆汁が流れなくなる。そうなると外科的処置が必要になるね。」

「そうですか…」

それでも、その時はもう抗がん剤に対する不信感でいっぱいになっていたので、抗がん剤治療を続ける、という選択肢は私にはありませんでした。


ここから、私の勝手に無治療生活が始まったのでした。