「這いよれ!ニャル子さん 9」感想 | self-complacency

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ライトノベルの感想を書いてました。

這いよれ!ニャル子さん 9
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ニャル子が……消えた!?
八坂家でのたわいないやりとり、学校帰りのゲームセンター。ニャル子達と過ごす日々があたりまえになったそんなある日、真尋が思いもしなかった事態が訪れた――。それは〝ニャル子のいない日常〟。
「さあ、いつか想い出になる物語を激写しましょう!」
学校帰りのゲームセンター。真尋は成りゆきでニャル子とプリントシールを撮影する羽目に。
「真尋さん、携帯電話は?」「ん?あるけど」「――隙ありゃあっ!」
ニャル子は電光石火で携帯電話を奪うと、二人で写ったシールをそこへ貼り付けた。真尋は慌てて剥がそうとするも、シールは剥がれない!
――あいかわらずのメチャクチャな邪神達との日々。色々思うことはあるものの、それを日常として受け入れ始めている真尋であった。
だがしかし、それが突如消え失せる事態になって......!?
宇宙邪神混沌コメディ第9巻!

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相も変わらず邪神達がいる日常は騒がしい。今日も朝から殺人事件ごっこをしてみたり、放課後には電車を使って商業ビルまで遊びに行ったり。
ゲームセンターで心ゆくまで遊んだ、その帰り道。いつものように他愛もないやり取りをしながら家路を歩いていた真尋の前から突然、ニャル子が消えてしまう。これは悪い悪戯か何かだと考え、帰宅した後母親に確認するもニャル子達の存在すら知らない様子。
一体何が起こっているのか……と理解不能な状態に陥る真尋の前に、突如二頭身のフィギュアが姿を現す。なんとそのフィギュアに乗り移っていたのは、かつての事件で共に戦ったイースの偉大なる種族、イス香だった。そのイス香からハイパーイースターを使って時間跳躍をしている者がいること、過去を改変したことによる影響でニャル子達が消えた可能性があること、などを聞かされる。ニャル子達の存在がなかったことになってしまえば事件が解決されない恐れがあり、地球が危ない。真尋はニャル子達を取り戻すため、イス香と共に過去へ飛ぶことを決意する。

そんなとこから伏線引っ張ってくんのかよ!と突っ込まずにはいられなかった。改めて考えてもあれどうでもいいエピソードにしか……こうなってくると出会った初日から今までのやり取り全てに伏線が貼られてる可能性が。……いや、それ以上考えるのはよそう。

何だかんだ言いつつ真尋さんのデレ、順調に加速してるじゃないですかー! やっぱ真のヒロインだけあるなあ。
時空の歪みを修正するため、真尋はイス香の力を使って過去へと飛ぶ。辿り着いた先にて、ニャル子とクー子が本気で戦っている場面に遭遇。消滅してしまう二人。そうなってしまった原因を突き止めるため、もう一つの歪みがある時代へと再び時間跳躍を行う。

宇宙小学校に宇宙幼稚園に、と邪神達の小さな頃が見られてなんか面白かった。いやマジで何歳なんだよ、と気にならなくもないが、そこは明らかになりそうもないので諦める。
それにしてもニャル子、幼稚園の頃からあのウザさとは……恐れ入った。
作中でも言われていたけど、子供の悪意のないいじめほどタチの悪いものはない。本人達は遊びのつもりで、それこそ相手の気持ちなんて考えないからね。やっぱ平和が一番。
いじめ、かっこわるいよ!(語気を強めながら)

ニャル子に対して喧嘩腰に応えるクー子を見るのは久しぶりで新鮮だった。てかヨグソトスの設定すごい便利だな…(笑)
大人 VS 子供では勝ち目がない。ならば圧倒的な数の暴力で潰せばいい。イス香が適当にハイパーイースターをいじった結果、ニャル子、クー子、ハス太の三人がそれぞれ七人に増殖していた。何を言ってるか分からねえと思うが(ry
チートや、こんなんチートやでぇ……!
今までの中では割とシリアス感があって(それも途中までだけど)面白かったです、はい。
真尋の隠された能力も判明したしね!

今回の事件を踏まえて、締めくくる言葉。それは「邪神もいないと寂しい」ということ。あんなめちゃくちゃで騒々しくて正体もよく分からないような宇宙人達でも、もはや真尋にとっては日常の一部であり、ニャル子達は大事な家族であると心の中では認めている。だからこそみんなを取り戻す為に頑張った。その関係性は上手く言葉に出来ないけど、いいなあって思う。意識しないようにしてるけど真尋もニャル子に傾いてきてるし、恋模様も今後どうなっていくのか気になるところ。
邪神(こいつ)らにはバカ騒ぎが似合ってる。改めてそう思いました。