2024年1月1日に発生した能登半島地震の被災地に取材に入ることになりました。東日本大震災の被災地と違って、南側から被災地に入れない地理的不利があります。そのため、支援が遅くなり、報道も東日本大震災ほど多くはありません。そんな中で被災地に行くことにしました。


 輪島市の朝市通りは火事になったことで話題ですが、私としては輪島漆器が気になります。新聞記者時代、長野県の木曽漆器を取材していたこともあります。伝統工芸の復興はどうなるのでしょうか。


取材カンパはここ



第1 現状で記述されている問題について

Ⅰ 「こども・若者の自殺対策」について

1 独立した項目にすべき

第3「こども施策に関する重要事項」の、「1 ライフステージに縦断的な重要事項」にある(7)こども・若者の自殺対策、犯罪などからこども・若者を守取組、について、「こども・若者の自殺対策」を分離させ、独立した項目にすべき。

 

2 自殺総合対策大綱や緊急対策プラン以外も記述すべき

現状では、自殺総合対策大綱に基づく取り組みの記述と、関係省庁会議が策定した「こどもの自殺対策緊急強化プラン」の内容のみが書かれている。しかし、プランは短期的な取り組みである。そのため、多様な施策、中長期的な対策が求められることを記述すべき。

 

3 「こどもの自殺対策」を専門的に話すことができる部会を設置すべき

現在、部会として、「自殺対策」が十分に話し合われた形跡はない。そのため、「こどもの自殺対策部会」(仮)を新たに設置することを求める。

 

4 段階別の対策について記述すべき

1)    事前対応(プリベンション)…こども・若者が希死念慮を抱く以前から、自殺やメンタルヘルス、相談窓口、相談体制に関する知識について、学校教育等で学習する機会を設定する。

2)    危機介入(インターベンション)… こどもの自殺の特徴を鑑みる体制を構築していくこと、自殺未遂については、この段階で記述する。例えば、単に、SNSの相談窓口を記述するだけでなく、衝動性、確実性、周囲から見れば小さな動機であること、影響のされやすさなどを考慮した介入の必要性について記述すること

3)    事後対応(プリベンション) … 万が一、こども・若者の自殺が起きた場合の事後対応について記述する。保護者等大人の遺族対応だけでなく、遺されたきょうだい、遺された同級生・部活(習い事等)のメンバーに対するケアも考慮に入れること。

 

 5 「子供の自殺が起きたときの背景調査の指針」の啓発及び見直しをすべき

1)    文科省は児童生徒が自殺したときに基本調査及び詳細調査をする仕組みがある。その仕組み自体、学校側から説明されないことが多く、遺族になっても知らない状態であることも珍しくない。学校に入学する時など、遺族になる前から、「背景調査の指針」について啓発するべき。

2)     「背景調査の指針」が制定されて12年が経つが、「いじめ防止対策推進法」が制定されたことに伴って一度、改訂された。かし、その後、約10年間、改定されていない。これまでの「背景調査」の成果や現状を踏まえた見直しをすべき。

3)    予防のためのこどもの死亡検証CDR(Child Death Review)との連携を図ること

 

6 SNS相談の検証をすべき

 2017年に起きた男女9人殺害事件(座間事件)を受けて、厚生労働省は、被害者が「死にたい」などとTwitter(現在はX)で呟いていたことを受けて、SNSでのSOSをキャッチするために、SNS相談をしているNPO等に助成を始めた。しかし、2017年以降、特に10代の自殺者は増加傾向でもある。そのため、相談の質のほか、相談者の変化、他の相談先との連携について、検証作業が必要がある。

 

7 心理学的剖検を採用すべき

 なぜ、こども・若者が自殺をするのかについて、実態把握する必要があるが、その際、亡くなったこども・若者が、自殺に追い詰められる過程を突き止めるための手段である心理学的剖検を採用すべき。かつて、自殺対策で採用されていたが、現在はなされていない。せめて、こども・若者だけでも、心理学的剖検を採用すべき。亡くなったこども・若者の声を聞くことにもなる。

 

Ⅱ 「こどもの性犯罪」について

1 「こども・若者の性犯罪・性暴力対策について

「こども・若者の自殺対策」と同様、こども・若者の性犯罪・性暴力対策」は独立させること

 

2 こども・若者の性被害者(児)へのケアの内容を小項目として取り上げること

 

3 こども・若者が加害者側になった場合の更生についても小項目で取り上げ、ライフステージ別で記述すること。

刑法改正に伴い、性同意年齢、性的自己決定年齢が16歳になったこと、また、年齢差要件があることを啓発する。特に、幼稚園・保育園・こども園でも、加害者になる場合があることを記述すること。その際、悪意のあるなしに関わらず、被害者が存在することや被害者の心情に思いを寄せること、被害者への謝罪、加害児の保護者への啓発・教育をすることーなどのプログラムを構築していくこと

 

4 こども同士が性犯罪・性暴力の加害・被害の関係になる場合があることを記述すべき。その際、現状では、この場合の、被害者側に寄り添った体制がない。13歳未満のこどもが加害者になった場合、触法少年であり、被害者および被害者の保護者はその後の情報を入手しにくい。この時期の成長・発達段階を考慮した体制づくりを課題として取り上げる。

 

5 被害を受けたこどもからの聴取

 性被害を受けた被害児(者)に対する聴取については、「ライフステージに縦断的な重要項目」の「(6)児童虐待防止対策と社会的養護の推進及びヤングケアラーへの支援」の、「(児童虐待防止対策等の更なる強化)の部分、19ページ9行目の「性犯罪の被害者になったこどもからの聴取」以下のパラグラフを同様に反映させる旨を記述する。

 

Ⅲ 「こどもが安全に安心してインターネットを利用できる環境整備」について

 「こどもが閲覧するには望ましくない情報」を削除すべき

 こどもの権利条約では、こどもにも表現の自由がある(条約第13条)。また、国内外のマスメディアを含む多様な情報源からの情報及び資料を利用することができることを確保することが求められている(条約第17条)。そのた、「閲覧するには望ましくない情報」を国が一律に提示し、規制すべきではない。そのため、この「こどもが閲覧するには望ましくない情報」の削除を求める。

 

Ⅳ 「高校中退の予防、高校中退後の支援」について

 高校中退の予防に関しての取り組みが記述されている。毎年、文科省が公表している「児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査」でも「高校中退」が取り上げられている。しかし、この調査はあくまでの学校側の認識である。そのため、本人調査をし、より実態を把握する仕組みが必要である。

 

第2 現状で記述されていない問題について

Ⅰ 不適切な指導について

1)不適切な指導についての記述

 令和4年12月、生徒指導の基本書である「生徒指導提要」が文科省で改訂されました。その中には、新たに「不適切な指導」が新たに入り。「不登校や自殺のきっかけになる場合がありえる」とされました。令和5年10月公表の「児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査」から、「自殺した児童生徒の置かれた状況」に「教職員による体罰、不適切指導」が入りました。学校では教職員による「不適切な指導」があり得ることを啓発し、再発防止を求める。そのために記述する必要がある。

 

2)実態を把握すること

 教職員による不適切な指導をなくすためには、実態を把握することが求められる。自治体ごとの調査ではすでに「体罰調査」にからめて、不適切な指導に関する調査をしてるところがある。そのため、実態把握のための調査を全国的に推進していくことを求める。実態を把握し、教職員が自らの言動を見直すきっかけとなり、不適切な指導をきっかけとした不登校や自殺を減らしていくことができる。

 

3)相談窓口の設置

 こども・若者に関する相談窓口は多様なものがある。しかし、不適切な指導に特化した相談窓口はない。そおため、現状の多様な相談窓口でも、相談員に対する不適切な指導に関する研修をするか、または、不適切な指導に関する相談窓口の設置NPO法人等民間団体が設置する場合の補助金・助成金の仕組みを作る。

 

4)教職員への研修

 不適切な指導に関して特化した研修を教職員向けにすべき。令和4年に生徒指導提要の改訂で取りあげられた項目であるため、すべての教職員に情報が行き渡っていない。そのため、特化した研修が求められる。

 

Ⅱ いじめおよび不適切な指導の後遺症について

 いじめに関しては、第3「こども施策に関する重要事項」の「2 ライフステージ別の重要事項」にある、(2)学童期・思春期で、「いじめ防止」が取り上げられています。たしかに、「こどもの心身に深刻な影響を及ぼす」とありますが、「青年期」あるいはそれ以降にも影響を及ぼすことに対する言及がない。いじめの影響は「学童期・思春期」のみに止まらない。「いじめ後遺症」という視点が必要である。また、いじめと同様に、不適切な指導に関しても、同様な「後遺症」が生じる可能性がある。そのため、この項目を取り上げるべき。

 

Ⅲ 性教育および性同意年齢、性的自己決定について

1) 性教育について

 現行の「学習指導要領」では、性交に関する教育ができない。しかし、学校教育においては、性交を含む性的なコミュニケーションについて学ぶ機会をつくる必要がある。そのとき性感染症や避妊、妊娠、出産、出産後のサポートの情報にアクセスできる機会を保障すべき。

 

2) 性同意年齢、性的自己決定について

 刑法の改正によって、性同意年齢が13歳から16歳になった。そのこと自体を学ぶ機会が必要である。また、その際に、性的なコミュニケーションについては、自らの同意を持って、つまりは自己決定でなされるべきで、その点を学ぶ機会が必要だ。

 

Ⅳ 大学中退について

「高校中退の予防、高校中退後の支援」については、第3「こども施策に関する重要事項」の「2 ライフステージ別の重要事項」にある、(2)学童期・思春期で取り上げれている。また(3)青年期では、「高等教育の就学支援、高等教育の充実」があるものの、「大学中退」に関する記述がない。そのため、高校中退と同様に、「大学中退の予防、大学中退後の支援」について記述すべきである。

 

Ⅴ 宗教2世について

 宗教2世は「第2 こども施策に関する基本的な方針」の「(2)こどもや若者、子育て当事者の視点を尊重し、その意見を聴き、対話しながら、ともに考えていく」に取り上げられている。宗教2世問題は、安倍総理銃殺事件以降、社会問題として浮上した。それまでも問題としては燻っていたが、事件によって論じされることが多くなり、可視化された。そのため、「宗教2世」を、3世以降を含む用語として位置付ける必要がある。その上で、宗教2世問題の実態を把握し、社会問題としての再発を防止することが求められる。解決策の一つとして、児童虐待の中に、「宗教虐待」を位置付けるべきだ。

 

Ⅵ 外国人のこどもや外国ルーツのこどもについて

 「外国人のこども」という表記は、「第2 こども施策に関する基本的な方針」の「(2)こどもや若者、子育て当事者の視点を尊重し、その意見を聴き、対話しながら、ともに考えていく」に取り上げられている。また、「第3 こども施策に関する重要事項」の「(2)多様な遊びや体験、活躍できる機会づくり」にある、(こども・若者が活躍できる機会づくり)で「在留外国人のこども」として取り上げられてる。しかし、単語、もしくは一つのフレーズとしてあるのみで、「外国人のこども」や「在留外国人のこども」の問題が明確ではない。そのため、独立させた項目で取り上げるべきである。また、「外国ルーツのこども」に関しては、言及がない。さらにいえば、海外在住のこどもについては記述がない。そのため、項目として取り上げる必要がある。

 

被害者参加代理人が被害者Bさんの手紙を代読

そのときのことを毎日一回は思い出します。体に傷が残っているからです。家族の間では話題にすることはありません。私が口に出さないからです。でも、家族に気を使わせていることは雰囲気でわかります。

事件のとき、包丁を見ましたが、そのまま刺されるかもしれないと思いました。はじめて死を意識しました。事件によって、日常生活のすべてが変わってしまいました。私の人生を返して欲しい。

事件後、PTSDと診断されました。これまで心療内科に通うことなんてありませんでした。電車には乗れなくなりました。それまで電車だけで20分で行けた距離を、徒歩とバス4回乗り継いでいます。周囲の見知らぬ人たちに対して強い恐怖を感じてしまっています。

事件後、2ヶ月、仕事を休みました。また、被告人が同じ地域に住んでいたことを知り、怖くて、転居せざるを得なくなりました。

裁判を傍聴しにきたこともあります。被告人を見ると、おとなしそうに見えます。しかし、いつか社会に対して激昂し、復讐していまわないかと思ってしまいます。この先、事件をなかったことにはできません。


被告人・対馬悠介の最後の言葉

Bさんの話を聞き、心の傷が癒えていないのは当然だと感じた。引っ越しまでしたことはきょう初めて聞いた。辛さは文章で伝わってきました。深く受け止めなければならないと思いました。

Aさん、Bさん、Cさん。そして、ご家族。そのほか現場に居合わせた方々。本当に申しわけありませんでした。検察側の主張を聞いて納得しました。私自身、刑務所から出ない方がいいと思っています。みなさん、よろしくお願いします。