言葉の省略は慎もう
インターネットや携帯電話の普及のためか、言葉、特に固有名詞をできるだけ略す傾向があるように感じます。短くなることはいいこともありますが、社名や人の名前を略すことは時に失礼になったり混乱を招きます。
若い人の間では社内で頻繁に使う固有名詞があると略して呼び始めます。便宜上社内だけで使っているうちはいいのですが、使い方がわからない新入社員の多くは、社外でもどうどうと頻繁にその簡易な名称を使います。
聞いた方は、新しい経営手法なのか、何かの英語名なのかで、聞き慣れないその言葉に不思議に思います。理解に苦しむのは、その言葉の省略の意味が分っている人同士で、省略形を使うのはいいのですが、知る余地の無い人にも平気で頻繁に使ってしまいます。
先日もある会社で大事なお客さん交えての会議がありました。
「部長、OOOOには来週打ち合わせに行きます」
「なんだOOOOというのは?」
「OOOOOOO株式会社の略です」
「お客様の会社のことを君達はそんな風に普段略して言ってるのか?」
「はい、何しろ社名が長いので……」
「担当部署内で省略することは考えられるが、何もお客様の前で省略して呼ばなくてもいいだろう! 第一お客様に失礼だろう!」
「すみません。いつも使ってるのでついつい……他の会社も略して呼んでますが……」
顧客であるその会社の担当者は、歴史と由緒ある会社だけに便宜上とはいえ勝手に自分の会社名を略して呼ばれたことでさすがに不機嫌。その場にいた顧問弁護士も「なんて気配りのない社員だろう」とでも言わんばかりの呆れた顔。
たった社名を省略しただけのことですが、時と場合によっては、非常に失礼になります。そもそも便利と言うことで何でもかんでも省略してしまっていいものか極めて疑問です。会社名が長いと言っても、たかだか七文字が四文字になるだけでした。
固有名詞できるだけ省略するのは止め、省略する場合は時と場所を選びたいものです。
偉人の本質
世のため人のために
一つのことを
生涯やり続けた人
能力関係なしに
置かれた環境にもめげずに
結果も気にせず
毎日坦々と努力する人
そんな尊い人を
偉人と呼びたい
真似していきたい
直太
言葉ではなく行動と結果のみで評価
「課長、今回はインターネットでターゲットを絞り込めんで集中的にプロモーションすれば短期間でかなりチケットは売れます」
「かなり売れるって、どのくらいだ?」
「たぶん五万人以上です」
「たぶん? ターゲットはどうやって絞り込むつもりだ?」
「まだ、具体的には浮かばないのですが、リストを入手すればいいと思います」
「じゃあ、どんなリストをどうやって入手するんだ?」
「すみません、これから調べます。でも大丈夫です!」
「なんだ、全部まだアイディア段階か!」
「はい、でもなんとかなると思います」
「なんとかなる根拠は?」
「特にはありませんが、色々なところを巻き込んでやれば必ず結果がでると思います」
「色々なところとはどこだ?」
「提携先になり得る企業です」
「もう、いいよ! 君の言うことはいつも言葉だけだから……具体的に成果を出したことないじゃないか! 実績もなく、なんでそんなに自信満々で言えるんだ? 今までと違って、今回は絶対に結果を出してくれよ! そもそも君が言い出して始めたんだからな……」
よく「必ずやります」「大丈夫です」と堂々と言う人がいます。が、そんな言葉を信用してはいけません。それが本当かどうかその人の行動と結果を見ていれば分かります。
言っていることが本当にできるのであれば、細かい裏付けや根拠となる情報が出せるはずです。
聞いても出ないようであれば、「根拠の無いただの自信」でいい加減なものと受け止め、信用すべきではありません。
万が一、責任者がそんな言葉をあてにして進めるようでは、後で大問題になるでしょう。
提案する人は、言ったことが現実化するかどうかで、その人の真価が問われていることを肝に銘じて、「有言実行」を実践すべきです。