成功者から徹底して学び真似る


 短期間で成功する方法をご存知でしょうか? 「そんなものないよ!」とお考えの方も多いと思います。しかし、あるのです。

 それは、成功者から徹底して学び、とにかく真似をし続けるのです。真似をするわけですから、容易そうに思えますが、実はこれがなかなか大変なのです。 

嘘だと思ったら、今すぐやってみて下さい。いかに成功者が大変なことをやってきたか、またやっているかを体感できることでしょう。

なぜそんなに大変さを感じるかと言いますと、今までやったことがない努力をしなければならないからです。そもそもそんなに努力することに慣れていないのです。

しかし、それに慣れてしまえば、そんなに難しいことではなくなります。大変なのは、最初だけです。パターンができてしまえば、どんどん成果も出てくることもあって、楽しく頑張れるようになるものです。


 私も新人の頃、凄い上司から徹底して学び、良い所はすべて真似しようとしました。でも、彼の能力があまりにも高過ぎて、当初は真似できるどころではありません。足元にも及ばないことを思い知らされ、かなり落ち込んでしまいました。そして悟りました。

「所詮、バカな僕は、彼のような優秀な上司のようにはなれないんだ……」と。

 とにかく彼は凄過ぎたのです。その後、超スピード出世し、アッと言う間に、10万人いるプロフェッショナル・ファームのナンバー2になってしまいました。

皆が彼のことを「超人」だとか、「スーパーマン」とか呼ぶくらい、社内でも突出していたのです。なので、誰も彼を真似しようなどという大胆な考えを持たなかったようです。真似しても、彼との能力の違いが浮かび上がり、焦り疲れるだけですから。

 でもその頃の私は異常なまでに貪欲でした。せっかく何かの縁で、普通なら、めったにいっしょに仕事できない超スーパースターの部下にしてもらったのです。これを生かさないと一生後悔すると思ったのです。

ですから、バカで能力のないダメ人間という自覚はあるにはありましたが、「このままではよけいダメだ! 向上したい」と日々考えていましたので、必死になって彼の真似をしまくりました。

 正確に真似ていたかどうかは、きわめて疑問です。が、超一流のコンサルタントの言動を毎日間近に見て、目に焼き付け、頭に叩き込むことができただけでも、とても勉強になりました。

それは、その後「国際経営コンサルタント」として独立した時、大きな大きな財産になりました。


今でも、仕事をしていて、ちょっと行き詰ると、彼だったらどう対処するかを無意識のうちに自然と考えています。すると、不思議なことに、すぐに回答や解決方法が浮かぶのです。

彼ならこうするに違いないというものが頭にはっきりイメージできてしまうのです。何しろ一日中彼の言動を凝視し、できるだけ忠実に真似をしようとしていたのですから、その場その場のシーンがイメージとして残っているのです。

 最終的には、彼の一つひとつの言動から、仕事と経営の本質を教えられていたようです。なぜなら、彼の言動の基盤には、必ず「なぜ、そうするのか?」というしっかりした目的意識があったのです。


 赤ちゃんから始まって子供が、短期間で人間として生活の営みを習得できるのは、親、特に母親の様子を毎日見て、すべてを真似するからなのだそうです。従って、周りに親やお手本となる人がいて学べる状況にあれば、そうでない場合と比較すると、人間的に成長するスピードが速いのです。

よくよく考えてみて下さい。そう言えば、我々は、生まれてから大人になるまで、ひたすらできる人の真似をすることで、進化してきました。もし、真似をしていなければ、今頃それこそ小学生以下のレベルの大人になっていることでしょう。

ワタミの渡邉美樹社長と仕事を通して、一定の期間集中して行動を共にすることがありました。あまりに凄いので、彼のやっていることを真似し始めました。そしたら、どんどん仕事上でも成果が出てきたのでした。