会議活用ルール

 会議はたくさんの人が集まる場です。いろいろな人から様々な意見やアイデアを聞くことができます。

多くのできる人は、会議を活用して勉強しています。「松下電器産業」をゼロから立ち上げ、世界的なメーカーへと成長させたことから「経営の神様」とも言われた松下幸之助氏も、世界最大の流通業「ウォルマート」を創業したサム・ウォルトン元社長・会長も、会議で勉強することの達人でした。彼らは会議となるとできるだけ黙り、参加者のプレゼンや意見を一生懸命聞き、学んでいたのです。一方、知らないことや理解できないことがあれば、どんどん質問したのもよく知られています。

 私にとっても、会議は最高の勉強のチャンスです。人の意見やアイデアを聞くことで、自分の考え方・主張の論理性・妥当性・客観性を確認・検証できるからです。

 そのため、自信のない意見やアイデアであっても、反論されることを覚悟で、とにかく発言するようにしています。その時必ず心がけるのは、謙虚さです。未熟な発言をするわけですから、その旨を最初に、一言断わって手短に述べます。

「間違っているかもしれませんが……」「自分の中でもまだ整理できておりませんが、皆さんの意見をお聞きしたいのであえて申し上げますが……」という具合に、です。

 そうすると、参加者のどなたかが必ず、よい点、悪い点を指摘してくれます。それも具体的に、です。ですから、そんな自分ではとても気づかないことを指摘してもらえますから、とても絶好の学びの場と化します。

 このように、会議でいちばん勉強になるのは、自分の考え方や意見を評価されることです。文章の添削と似ているなと思うのですが、具体的にどこがおかしいかを指摘されることで、自分では気づかなかった問題点がよくわかることが往々にしてあります。

 したがって、もしあなたが経験や知識面で他の参加者より劣っている場合、会議ではまず発言することです。ただ、それぞれの発言をしっかり聞き、会議の流れに沿って話されている内容からズレたり離れたりしないよう、発言する前に自問自答し確認してから、述べるようにしましょう。

 たった一言の発言が、会議の雰囲気をぶち壊し、参加者のやる気を削ぐこともよくあります。発言する際は、聞いてくださる方への敬意を忘れないことが大切です。

それができないと、あなたの評価がガタ落ちになり、そのうち会議自体に呼んでもらえなくなるでしょう。

そうならないためには、会議のテーマに関して知識や経験がなければ、また発言することに自信がなければ、事前にしっかり調べ準備しておくことが必要です。

よく言われますが、会議が成功するかどうかは、事前の準備にかかっているのです。

また、会議の意義をなすのは、議論以上に結論であり成果です。誰がいつまでに何をして、その結果をどのようなタイミングや形で誰に報告するのかなど、具体的な行動計画を決めることも大事です。そうなるよう、参加者の一人として誘導していきたいものです。

その際、そのような大事なポイントをしっかりメモをし、行動計画を立て行うに当たって、自分がやるべきこと、学ぶべきことも明確にし、速やかに実行していきましょう。