優先順位利用ルール
米国にいたときの私は、次ページのような超多忙生活を送っていました。当時は必死でしたから、黙々と日常をこなしていましたが、改めて書き出してみると、「よくもまあ、こんなにいろいろなことを同時にやっていたなあー」と、我ながら呆れてしまいます。
しかし、時間から考えると絶対不可能なはずなのに、なぜか全部やり切れていたのです。
不可能を可能にしたタイムマネジメントのカギは、徹底的な優先順位利用ルールでした。毎日一つひとつの作業が終わるたびに、刻々と変わる優先順位を再確認し、入れ替えながら、その時々の最優先事項から順番にこなしていったのです。
優先順位を常に把握していると、自分で絶対やらなければいけないことなのか、他の人でもよいことなのかなどについても冷静に見極められるようになります。つまり、効率的に物事を運ぶことができるため、このような生活もできてしまうのです。
米国での生活
(1) 経営コンサルティング会社を経営する
(2) 週3回夜、経営大学院(ビジネススクール)修士・博士課程のクラスで学ぶ
(3) 週3回夜、経営大学院(ビジネススクール)修士課程で講師として教える
(4) 学術学会に提出するため毎月30ページ以上の論文を書いて送る
(5) 日米間を毎月最低2往復する
(6) 社外取締役をしている十数社の取締役会・経営会議に毎月出席する
(7) 理事をしている6つのNPO法人・慈善事業団体の毎月の理事会・委員会に出席する
(8) 毎週2回以上講演をする
(9) 週刊誌・月刊誌で連載をしていたため、毎月7本の記事を書く
(10)ボランティアで「人生相談所」をしていたため、ほぼ毎日困っている人
に会って、相談に乗る
私は物事の優先順位の見極め方として次のような優先基準で決めています。
1、最も重要で、今すぐ終わらせなければならないこと
2、最も重要で、今日中に終わらせなければならないこと
3、重要で、今日中に終わらせなければならないこと
4、最も重要だが、今日中でなくてもいいこと
5、重要だが、今日中でなくてもいいこと
6、重要ではないが、今やったほうがいいこと
7、重要ではないが、今日中にやったほうがいいこと
読んでおわかりのように、優先順位を決めるのは、締切のタイミングではなく、重要度です。重要でないことは、特に重要なことを犠牲にしてまで締切に間に合わせなくてもいいのです。場合によっては、自分がやらなくてもいいこともあるので、しっかり内容を理解したほうがいいでしょう。
どんなに頑張っても一人の人ができる時間には限りがあります。ですから、すべて自分でやろうとせず、重要でないことは、他人にやってもらうことも考えた方がいいでしょう。