中吊り広告練習ルール



 私は、電車、タクシー、バスなど公共の乗り物に乗るのをいつも楽しみにしています。その理由は中吊り広告です。

 とくにおもしろいのが、週刊誌や月刊誌などの中吊り広告です。ファッション誌はちょっと特殊ですが、ほとんどの雑誌の広告には、最近起こった事件や問題の説明やキャッチコピーが羅列されています。

 それらを読むだけで、世の中の動きと流行、そしてマスコミの考え方が見えてきます。

 その一つひとつを分析するのも勉強になりますが、各雑誌の記事の割当や構成をチェックすると、それぞれの特徴や考え方がよくわかり、マーケティングの観点からとても勉強になります。


 さらに、もう一つ、中吊広告の有効活用法があります。それは、各記事に対するキャッチコピーを、自分なりに考え、つけることです。広告から得られる情報の範囲内で、いかにおもしろいキャッチコピーをつくることができるか挑戦するのです。

 それによって、自分のマーケティングのセンスを磨くことができます。考えれば考えるほど、既についているキャッチコピーのセンスの良さや深さが身に染みてくるからです。

 売上に大きく影響する中吊り広告ですから、プロが真剣に考え抜いたキャッチコピーです。そのセンスと言葉の使い方に意識を持って触れることで、自分自身のマーケティングセンスも磨かれていくのです。

既に作られた商品やサービスが売れるかどうかは、あとはマーケティングセンスに大きくかかってきます。マーケティングの一貫であるプロモーションも大事ですが、一言で大衆を引きつけられるキャッチコピーは、まさに費用対効果抜群のツールにもなりうりますから、マーケティングセンスを代表するものなのです。

 長年経営コンサルタントをしてきたことから、キャッチコピーを読めば、その会社や組織にどの程度マーケティングセンスがあるかがわかるようになりました。ですので、中吊り広告にあるキャッチコピーは、マーケティングセンス力を判断したり訓練したりするのに絶好の材料になるのです。