問題意識維持ルール

 できる人とできない人の決定的な差は、問題意識を持っているかどうかです。同じニュースを見聞きしても、問題意識のある人とそうでない人とでは、大きく差がつきます。

 問題意識のある人は、与えられた情報を深く掘り下げて、本質的に理解しようとします。そして、理解できないことが出てきたら、必ず理解できるまで徹底的に調べ猛勉強します。

ですから、常時どんどん力をつけ、人間的にも成長していくのです。

問題意識を持っていない人は、どんなに大事な情報を与えられても、そのことを大事であるとすらとらえません。したがって、それらを勉強する機会も逃し、結局成長できないのです。

私は大学一年生の時に、飛躍的に英語力を伸ばしたいと思い、米国の『TIME』という一流週刊誌を使って勉強する「速読の英語」という講座を受講しました。その時の講師はいつもこう言っていました。

「『TIME』を読みこなせる人は、英語力がある人ではありません。いつも問題意識を持って生き、勉強している人です」

 当時、彼が何を言わんとしていたのか理解できませんでした。ほとんど全部が高等な英語で書かれている『TIME』を、英語力のない人が読みこなせるわけがないからです。

あれから30年近く経った今では、彼の言葉の意味がはっきりわかります。

「問題意識を持って生きている人は、絶えず世の中で起きている事件や大事なことをきちんと把握し、勉強しているため、世の中のことに精通している。だから、多少英語力がなくても、時事英語がたくさん出てくる『TIME』くらいは、簡単に読みこなせるのだ」

 彼の意見に、私も同感です。

反対に英語力があっても、時事英語だらけの『TIME』を読むことはできても、読みこなすことはできないでしょう。

 問題意識を持つためには、意識して絶えず興味と疑問の心を持ち続けること。目に見えることや聞いたことで疑問、矛盾点、重要そうなことがあったら、曖昧にしないことです。メモをし、聞くなり調べるなりして、しっかりと理解する癖をつけることです。

 問題意識から疑問などを持って、わかるまで聞くなり調べるなりしたら、その後しっかりとした知識として残るばかりか、どんどん深く考察できるようになるため、シャープな人間として力がついていきます。