圧倒的努力ルール
「こんなに努力しているのに、なんで人より結果が出ないのだろう?」
私は、新入社員時代によくこんな愚痴を言っていました。当時は、自分なりにかなり努力していたつもりでした。なのに、結果も出なければ評価もされない。それが腑に落ちなかったのです。
今、冷静に当時のことを振り返ると、実際は、人並み程度の努力しかできていなかったことがわかります。
しかし、元々私は、頭も要領も悪い人間。普通の努力をしていただけでは、人よりいい結果など出るわけがありません。そんな簡単なことに、私はなかなか気づきませんでした。
気づかせてくれたのは、夜ビジネススクールに通わせてくれ、公私共にお世話になった大手国際会計・経営コンサルティング会社の直属のアメリカ人上司、ビル・ヒビットさんでした。
彼は米国の三流大学を出て入社し、新入社員時代は、あまりできるほうではなかったそうです。ところが、人の何倍も努力し続け、どんどん頭角を現し、ほとんどが一流大学出身者であった同期120人の中で、いちばん出世していったのです。
ある時、私はヒビットさんの前で弱音を吐いてしまいました。
「これだけ努力しているのに、人以上の結果がなかなか出ません」
すると彼は笑みを浮かべながら言いました。
「ネイト(私のニックネーム)、努力しているのは君だけじゃないよ。むしろ、皆一生懸命努力しているのだよ。人と同じ程度の努力をしていて、どうして人よりいい結果が出るの? もし、そうだとしたら不公平だと思わないか? 世の中はそんなに甘くない。ネイトが人よりいい結果を出したいのなら、人が驚くような『圧倒的努力』をし続けなければ。これぞ、原因結果の法則だよ」
実際に皆が驚くような「圧倒的努力」をし続けてきた彼の言葉には、重みがありました。
それから、私は何事にも、とくに仕事と勉強において、「圧倒的努力」を続けることを人生の指針にしています。