リスニングルール

 社会人勉強の基本中の基本は、まずリスニング、つまり相手の言うことを積極的によく聞くことから始まります。

 残念ながら、多くの若者は、このリスニングがとても苦手なようです。

実際に、若い人が同席する会議などで、言葉のキャッチボールができないことがよくあります。質問したこととはまったく関係のない返事が戻ってきたり、突然話題が変わったり。これは相手の話をよく聞いていないことから起こるのです。

 なぜ、相手の話をよく聞けないのでしょう?

 おそらく、相手から少しでも学ぼうという謙虚な気持ちがないからだと思います。学ぼう、教えてもらおうという謙虚な気持ちがあれば、相手の言うことを一文一句聞き逃さず、一生懸命聞くはずです。

 若ければ若いほど、周りの人から学ぶことがたくさんあります。まずは。「とにかく周りの人から徹底的に学ぶぞ!」という心構えを持って話を聞いてみてください。まったく話が違って聞こえてくるはずです。

 私は講演会やセミナーに参加する際は、自分が話し手になったつもりでその方の話を聞くようにしています。仕事柄、頻繁に講演をすることもあって、もし自分だったら、同じテーマで何をどのように話すかを考えながら聞くのです。

 そうすることで、問題意識を持って講師の話を聞くことができます。ですから、単に話されていることを受け身で聞くよりも、さらに深く思考することができるのです。

 と同時に疑問もどんどん出てきます。

「自分だったらこう言うのに、なぜこの講師は、このように話すのだろう?」と。

 こうした疑問を感じること、それこそが学びになります。なぜなら、講師はその話している分野では、私よりもよく知り経験している専門家。当然、私よりも中身のある話をし、深い分析をしています。話し方の違う部分、それが私の知らない部分なのです。

 仕事でも同じです。会議等での上司の話でわからない部分があったら、それはあなたが知らないことであり、勉強しておいたほうがよいことである可能性がとても高いといえます。しかし、ボーっと聞き流していては、何がわかって何がわからないかすらわかりませんし、その話から何も得られません。わからないことに気づけないのでは、いつまでたっても成長できません。

しっかりしたリスニングをすることで、わからないことが明確になってきます。その次に必要なのは。どんどん質問をすることです。わからないことを質問するのは悪いことではありません。恥ずかしいことでもありません。相手の話がわからないのにわかった振りをすることはとてもかっこ悪いですが。

私も、セミナー等に参加したときは、適宜質問をしています。そうすることにより、疑問がどんどん解けていくので、終わった頃には、そのテーマについて講師の先生に近いレベルで話ができるようになっています。

さらに力を付けるために私は、わりと近いうちに同じテーマで講演する機会を持つようにしています。教えることによって、事前にしっかり学びなおし、その情報を整理するのです。教えることもまた、最強の勉強法といえます。

ここまでする必要はありませんが、まずは相手の話をしっかり聞くことを心がけましょう。