コメの先物取引のリスク
農林水産省はコメの先物取引の実験上場を認可する方向を固めたようだ。
これは実に危険な政策である。
これまでコメの価格は生産者と卸・流通会社などとの相対取引で決まっていた。
それを投機家中心の先物取引にしようというのだから、恐ろしい限りだ。
先物取引では取引総額を用意する必要がなく、取引所に証拠金を預けることで取引が可能となる。
しかも、レバレッジ(てこの原理)を使い、手持ち資金の何倍もの多額の取引を行えるのである。
ハイリスク・ハイリターンの商売だ。
かつてアジアの通貨危機でヘッジファンドが暗躍したが、そうした手口が世界的に大問題となったもの。
詳細は拙著『ヘッジファンド』(文春新書)をご一読頂ければ幸いである。