今回は、現在岩波ホールで上映中の「沈黙の春を生きて」です。
タイトルは、あのレイチェル・カーソンの名著
「Silent Spring(沈黙の春)」
から、つけられています。
映画は一人のアメリカ人女性を中心に展開していきます。
彼女の父親はベトナム戦争からの帰還兵で、彼もベトナム戦争中に
枯葉剤を浴びていました。
そのベトナム帰還兵を父親として生まれた彼女には、生まれつき
右足はひざから下が無く、左手も3本の指は第一関節からありません
でした。
そして成長した彼女がベトナムに行き、そこで自分と同じように障害を
持って生まれてきたベトナムの人達と出会う場面を中心にしながら、
映画はすすんでいきます。
ベトナム、アメリカ双方の枯葉剤の影響によって生まれた子供や、
その家族へのインタビュー場面が映し出されていきますが、
その中から印象的な部分を一つだけ紹介したいと思います。
ベトナム帰還兵を父親に持つ、あるアメリカ人女性の言葉です。
彼女は先天的に体毛が無く、さらに思春期を過ぎても生理が来ないため
検査したところ、子宮が無いことがわかりました。
「私はアメリカ政府に対して、保障を求めているわけではありません。」
「子供を産むことができないということを、はたしてお金で保障する
ことができるでしょうか?」
「私は、このようなことを二度と繰り返さないで欲しいと願って
いるのです。」
野田首相は、国内での原子力発電を継続し、さらに今後も原子力発電所の
海外への輸出を続けると言っています。
現在の国会議員には福島原発と日本の現状を見てもまだ、重大な事故が
起こった場合に、その先にどのような結果が待っているのかということを
想像することが出来ないのでしょうか。
「沈黙の春」の中で、レイチェル・カーソンは化学物質だけでなく、放射能
に対しても多くの警鐘を鳴らしています。
それは今から約50年前、1962年のことです。
想像してみてください。
自分の子供や孫が、この映画の登場人物のような障害を持って生まれて
くることを。
しかも、その原因が自分にあるとわかったら ・ ・ ・ 。
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