中東・北アフリカ:シリア政府がイラクの反政府武装勢力を空爆か:イラク政府、イラン政府が支持:: | 端事些事のブログ

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中東・北アフリカ:シリア政府がイラクの反政府武装勢力を空爆か:イラク政府、イラン政府が支持::シリア政府は否認?
シリアがイラク過激派武装勢力を空爆(26日11:05 TBS)

 アメリカ・ホワイトハウスのアーネスト報道官は25日の記者会見で、シリアのアサド政権がイラク領内に入り、過激派武装勢力ISIS=「イラクと大シリアのイスラム国家」を空爆したとの見方を示しました。

 アメリカのウォールストリート・ジャーナル紙によりますと、この空爆で、民間人を含め、少なくとも50人が死亡し、130人以上がけがをしたということです。

 シリアの介入によってイラク情勢は混乱がさらに拡大するおそれがあり、アーネスト報道官は「イラクへのシリアの介入は武装勢力の攻勢を食い止める手段にはならない」とシリアをけん制しました。(26日11:05)

ISIS

シリア戦闘機がイラクを空爆か、民間人57人死亡(2014.06.26 Thu posted at 12:00 JST CNN)

バグダッド(CNN) シリアと国境を接するイラク西部アンバル州の当局者は、シリアの戦闘機が24日に国境を越えて同州の複数都市を空爆したと語った。この空爆でイラクの民間人少なくとも57人が死亡、120人が負傷したと報じられている。

空爆が伝えられているのは、イスラム教スンニ派武装組織「イラク・シリア・イスラム国(ISIS)」が制圧している地域。ISISはイラクとシリアにまたがるイスラム国家の建設を目指している。

アンバル州の当局者は、市場やガソリンスタンドが空爆されて民間人が犠牲になったと語り、戦闘機の機体にはシリアの国旗が描かれていたと説明。同機は「シリアの領空から直接飛来し、シリアに戻って行った」と話した。

これに対してイラク軍の報道官はシリアによる空爆の情報を否定し、「外国のジェット機による我が国の領空侵犯は記録されていない。イラクの領空を飛行している戦闘機やヘリコプターはすべてイラクのものだ」と述べた。

シリアの国営メディアも「悪意を持った報道機関」が流した「事実無根」の情報だと伝えている

一方、国連イラク支援ミッションのニコライ・ムラデノフ代表は25日に記者団に対し、イラクの都市を爆撃した戦闘機はイラクのジェット機ではなかったと語った。しかしそれ以上の情報はないと説明している。

ISIS

この後は、「シリアが攻撃した」と言う前提が続くが、シリア政府は認めてはいない感じだ。

首相がシリアの空爆を「歓迎」 イランも無人機で“援護”(2014.6.26 23:13  産経)

イラクのマリキ首相は26日、英BBCに対し、隣国シリアのアサド政権が、イスラム教スンニ派過激組織「イラク・レバントのイスラム国(ISIL)」が占拠するシリア・イラク国境地帯を空爆したことを確認し、これを「歓迎する」と言明した。空爆がイラク領内だとの情報は否定した。

 AP通信や米紙ウォールストリート・ジャーナルは25日、シリア国境に近いイラク西部カイムやルトバがシリアの空爆を受けたと伝えていた。

 ISILはイラクとシリアを一体の地域と見なして活動していることから、危機感を共有するマリキ、アサド両政権は今後も連携を強めていくとみられる。APによると、シーア派主体のマリキ政権を支援するイランも無人偵察機によるイラクでの情報収集活動などを本格化させ、イラク軍への協力を強化している。

 一方、イラク北部クルド自治政府のバルザニ議長は26日、ISILから防衛するためとして今月制圧した北部の油田都市キルクークを訪問した。中央政府との間で争っているキルクークの支配権確立を狙っているものとみられる。

ISIL

産経は、「絶対シリアが攻撃した」的な報道。

シリア:イラク軍事支援…ISILへの攻撃を強化(毎日新聞 2014年06月26日 21時55分 更新 06月26日 23時28分)

イスラム過激派組織イラク・レバント・イスラム国(ISIL)が主導するスンニ派武装勢力のイラク侵攻に対し、隣国シリアのアサド政権がISILへの攻撃を強め、イラク政府を側面支援している。イラクのマリキ政権とは、ともにイランの支援を受ける間柄で、協調してISIL側への反撃に乗り出した格好だ。

 中東の衛星テレビ局アルアラビーヤによると、シリア軍は24日、国境検問所があるイラク西部カイムを越境空爆したシリア側は「根拠のない報道だ」と主張しているが、米国務省は25日、シリア軍による空爆を「現時点で疑う理由はない」と事実上確認した。

 在英の反体制派組織シリア人権観測所によると、アサド政権はISILがイラクへの大規模侵攻を始めた直後の14日ごろから、シリア北部ラッカにあるISILの拠点をほぼ連日空爆。ラッカはシリアの県庁所在地の中で唯一、アサド政権の支配が及んでおらず、「イスラム国」建設を目指すISILの本拠地ともいえる要衝だ。

 アサド政権は従来、ISILへの攻撃には消極的だった。政権は主要都市が集まる国土の西半分に重点を置いていたのに対して、ISILは政権側が手薄な東半分で支配地域を広げており、直接衝突する場面が少なかった。ISILは反体制派やクルド人とも激しく抗争しており、アサド政権は、敵同士が勢力を削り合うのを意図的に放置していた面もある。しかし、ISILがイラクに侵攻したことで局面が変わった。アサド政権の主要支援国でシーア派国家イランは、シーア派を敵視するISILが隣国イラクで勢力を伸ばすことを強く警戒している。そのためアサド政権に戦略を転換し、ISILへの攻撃を強めるよう圧力をかけた可能性がある。ただアサド政権も余力はなく、空爆中心の攻撃を仕掛けるとみられる。

ISIL。TBSはISISなのにね。

一応、シリア政府が攻撃を否定していることを報道している。

イラク首相、シリアの空爆「歓迎」 過激派掃討で(2014/6/27 0:51 日経)

イラクのマリキ首相は26日、シリアのアサド政権が両国国境でイスラム過激派武装組織を空爆したことを「歓迎する」と述べた。英BBC放送が伝えた。マリキ政権を支援する米国はイラクの隣国シリア、イランと鋭く対立し、軍事介入をけん制するが、武装組織に対抗する点では一致。利害関係のねじれが顕在化してきた。

 マリキ首相は、シリア軍は両国国境のシリア側を空爆したとの認識を示した。武装組織「イラク・シリアのイスラム国」はシリア内戦でアサド政権と戦い、勢力を拡大してイラク北部に侵攻した。アサド政権は「イスラム国」の矛先がイラクに向かったのを好機とみて掃討に動いている。

 一方、米国はシリア内戦でアサド政権と敵対する勢力を支援している。アーネスト米大統領報道官は25日、アサド政権が24日にイラク領内で空爆したとの見方を表明。マリキ首相が「歓迎」したのと対照的に、介入を強くけん制した。

 米国はイラクに軍事顧問団を最大300人派遣すると表明し、第1陣の約90人が24日、バグダッドに入った。だが空爆など直接の軍事介入には慎重。その間にもマリキ政権はイラン、シリアへの依存を深めつつある

 核開発問題で米国と対立するイランは、革命防衛隊の精鋭「コッズ部隊」の要員をイラクに送り共闘態勢を構築。毎日2便の輸送機で軍需物資を供給している。米紙ニューヨーク・タイムズが伝えた。

 こうした中、サウジアラビアのアブドラ国王は26日、イラク情勢に関し「すべての必要な手段」を用いて「テロの脅威」に立ち向かうよう国営通信を通じて命じた。「イスラム国」への警戒態勢を強調したものだが、イスラム教スンニ派のサウジはシーア派のイランやマリキ首相とは対立。テロとの戦いも実態は「同床異夢」だ

 一方、イラク大統領府は26日、新政権発足に向けた議会を7月1日に招集すると発表。マリキ首相は憲法に従い新政権を発足させる方針を示していた。イラクのシーア派の有力指導者サドル師は「新しい人物とあらゆる勢力による国民政府が必要だ」と演説し、事実上マリキ首相に退陣を求めた。マリキ首相の支持基盤のシーア派からも退陣圧力は強まっている

 武装組織の侵攻に伴う犠牲者は拡大している。国連は24日、5~22日に少なくとも1075人が死亡したと発表した。集団処刑された民間人、警官、兵士を含むという。

/*武装組織「イラク・シリアのイスラム国」*/あるいは/*「イスラム国」*/としてイニシャルの使用を避けた。窮余の策か?

/*米国はイラクに軍事顧問団を最大300人派遣すると表明し、第1陣の約90人が24日、バグダッドに入った。だが空爆など直接の軍事介入には慎重。その間にもマリキ政権はイラン、シリアへの依存を深めつつある*/

オバマが動かないのは、兵士に撤退を約束したし、また、泥沼化して、経済的疲弊や、政治的孤立は明白だからだろう。

シリア政府は否認しているようだが、とりあえず、こうして見ると、

ISISだかISILだかは、米欧、イラク、シリア、イラン、サウジ、各国政府から攻撃を受けることになる。逆にワオだな。

今回の金曜抗議の前メモに、

/*国際的には、ウクライナ、シリア、イラク、アフガン等の情勢に、世界的大資本や大国、およびそれらの傀儡政府あるいは傀儡勢力の支配力・調整力の衰退が目立っている。*/

と書いたが、まさにそんな感じだな。(てか、俺的に、記事を読むのが遅かったつーのもあるけど)


あ、俺的には、どこの政府も支持していない。国際的な政治不信でマスコミ不信な者なのであしからず。