- 秦 建日子
チェケラッチョ!!
監督:宮本理恵子 原作:秦建日子
出演:市原隼人 井上真央 平岡祐太 柄本祐 玉山鉄二 伊藤歩 山口紗弥加 陣内孝則 ガレッジセール KONISHIKI
★★★★★☆☆☆☆☆
ストーリー
沖縄。高校3年の夏を迎えた透は、本州から沖縄に引越しペンションを潰し今は白アリ退治をする陽気な父と優しい母と、秀才の哲雄、みやげものやを次ぐ暁、そして唯と、のんきで楽しいけれど退屈な日々を送っていた。
ある日、バイト先の水族館で、謎の美女にあった透は、その後、人気ヒップホップグループのライブ会場で再び彼女と再会。
透ら3人は、ヒップホップを始めるが・・・
キャストとおおまかなストーリーと「ケビンコスナーと花瓶こするなは似ているよ、チェケラッチョ!」というCMで、これはヤバイだろ~と思って、ものすごい斜めになりつつ見た映画だったけれど、
ところがどうして、立派な面白B級作品だった。
高校生のひと夏の恋、そして熱くなるもの、友情、成長、という、これを青春映画といわずしてなんという!?というような王道まっしぐら。でも、キャストの沖縄弁もそんなに不自然じゃなく(実際に沖縄の方が聞かれたら多分微妙でしょうが・・・)、「NANA」でものすごく心配していた平岡君もきちんとこなしており、脇を固める役者(陣内、松重、KONISHIKI、以外の活躍ガレッジセール)もいい味でした。
「とりあえず面白いものをつくろう」というコンセプト通りの映画で、ある意味成功じゃないのかな。
特筆したいのが、やはり山口紗弥加。あのダメダメ映画「ウォーターズ」でも1人気を吐いていた山口さんですが、本作品は「KONISHIKIと新婚でかつ身重でありながら、ヒップホップグループの涼太のおっかけはやめられない ハイテンションおねえちゃん」の役どころを、キレまくって演じている。
ライブ会場で他のファンを威嚇する「死ねや!」は最高。
やっぱり、この女優さんはかなり好きだな、と再認識の一本です。もっと色んな映画出てほしいなあ。
まあ、そんなこといいつつも、白状します。
私の中でこの映画が好感触なのは、やっぱり玉鉄がいたからでしょう。
確かに、テーマ、そして女子高生に大人気の「市原隼人」という10代にはピンポイントでハートわしづかみな映画。
しかしながら、青春は遠い彼方に行ってしまった、負け犬予備軍の私としては、玉鉄に心臓をえぐられた映画なのだ。
そう、玉山鉄二がムダにかっこいい。
最初のライブシーンで鼻血がぶー。
中盤、市原くんに「ここがからっぽなんだよ!」とムネをばーんとやるあたりで、さらに鼻血。
そしてラストシーンで、失血死、という玉鉄祭り。
だって、あんな左っかわだけ刈り上げて右は長く流す髪型似合うのなんて、今、日本中で玉鉄だけだよ!
オレンジレンジの歌が、随所に流れてくるわけなんだけれど、もっと「オレンジレンジの歌の映画」というイメージが強いと思っていたわりに、そういう印象が残らないということは、ちょっと今回の主題歌のインパクトが薄いということかな・・・
ともあれ、さすが、フジテレビ制作。見せ所を知ってるわ~という映画でした。
「おもしろいものと決めたら、多少のディティールはいいんじゃ!」という心意気、これからも、是非。
きっと高校生の時に見たら感情移入してしまったんだろうけど、社会に疲れている今見ると、「玉鉄がいる沖縄に行こう。もう、今日行こう・・・」と、逃避願望を助長するなにかがあるそんな一本です。
行っちゃおうかな・・・
チェケラッチョ!!