ハイジのCINEMA&BOOK研究所

「新おひとりさま研究所」のハイジが独断と偏見で映画・小説・マンガについてひとりごちる。ノージャンルでアンテナにひっかかったものを片っ端から大無断で紹介。


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「私の男」桜庭一樹


(Story)

北の海から、秘密を背負って逃げてきた、父と娘。

腐野花は嫁ぐ日を目の前にして、養父の淳悟との今までのことを思いめぐらす。

アルバムをさかのぼるように、二人と、二人の人生に触れた人の記憶と感情にふれるうちに、分かってくるのは全てを奪い合って、全てを与え合った二人のことだった・・・。

桜庭一樹の直木賞受賞作。



すごい。すごかった。

読後の感想は、まず、この一言に尽きる。

近親相姦という禁忌など、この物語の一つのフックでしかないと、読み始めるとすぐに思い知らされる。それほど、腐野花と養父淳悟の人生が、津波のように圧倒的な怖さと少しの切なさで迫りくる。

嫌悪感を覚える二人の行動とは裏腹に、物語の展開よりも、二人の奥底に流れているものが何かを知りたくて読者を放さない筆者の力にただただ感服です。

直木賞受賞、大納得。



花が結婚をし、サムシングオールドで古いカメラを送られ、新婚旅行から帰宅し、淳悟がいなくなったことを知る第1章。

そして、物語は2005年の第2章、2000年7月の第3章、2000年1月の第4章、そして、花と淳悟がであった頃の第5章と、時間軸をさかのぼっていく。

最初の第1章は、狭いアパートから感じられるその濃密な空気は、そのにおいすらも漂ってくるようで、目をそらしたくなるほど。

そのアパートの押入れに入っているものは何なのか、古いカメラに映っているものは何なのか。

疑問に対する答えはぼんやりとであるが、すぐに分かる。

読み進めたくなるのは、謎解きの面白さではないのだ。

知りたいのはそれぞれの事件が起こった「理由」よりも、花と淳悟の関係の根底に流れるものなのかもしれない。


読後感は決してよくない。

それでも、最後まで読んでしまうと、今度は、時間軸どおりに、最後から読み返したくなる。

不思議な力をもつ一冊。桜庭一樹のほかの作品も読みたくなった。


誰にも共感できない。何一つ分かりたくもない。

けれども、全てを奪い合い、全てを与え合った二人の関係は、圧倒的に許せなくて、少しだけうらやましくもある。





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アンフェア the movie



監督:小林義則   原作:秦建日子  脚本:佐藤嗣麻子

出演:篠原涼子 椎名桔平 成宮寛貴 阿部サダヲ 濱田マリ 寺島進 加藤雅也 江口洋介



〈STORY〉

バツイチ、子持ち、一匹狼だが検挙率ナンバーワンの美人刑事雪平。

ある日、彼女の車が何者かによって爆発され、ベビーシッターが犠牲に、娘・美央が大怪我をする。

自分が刑事であることで、娘に危険が及んだことに対し、自分自身を責める雪平。

しかし、そんな矢先、美央の入院している病院が、テロリストに占拠された・・・




言わずと知れた、大ヒットドラマの映画化。フジテレビ×東宝らしい、テレビ→映画、出演者豪華、大ヒット、の黄金の図式。

元々テレビドラマが大好きだったので、鉄板だろうと思ってみたら、やっぱり色々な意味で鉄板・・・。


まず。映画を見る前に、注意事項が必要な映画。テレビシリーズとスペシャルドラマは絶対見なければなりません。分かりません。

「映画を見る前にドラマ見てから来い!」的な映画がとても増えたので、今更な議論だけれど、実はそれって微妙な話ですけどね・・・


なぜ雪平の車に爆弾がしかけられたのか、病院を占拠するテロリストの目的は何なのか、シーンや問題の主題がパンパン変わっていくので、飽きることなく見続けることができます。

そこに一切のリアリティはありませんが!

リアリティを言い出したら、いきなりSATが投入ってありえないだろうし、っていうか、あれだけ問題になった刑事が異動もなく働けるほど、日本の警察はイケイケドンドンじゃないし・・・

でも、そういうことを取っ払ってみると、単純に楽しめました。

元々、ドラマも、警察というリアリティ皆無の中、謎解きの面白さと登場人物が全て怪しく見えてくる何度もくるっくるひっくりかえるどんでん返しの意外さで、見るものをひきつけてしまうわけで、今回の映画も、全く同じ感じ。

とにかく、無にして、見ろ!的な・・・



ラストにいくつかの謎を残しながら映画は終了~。また、続く、という映画にもずいぶん慣れっこですが、それも、本当ならば、どうなのかなあという話ですが・・・。


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マリーアントワネット


監督;脚本:ソフィア・コッポラ

出演:キルティン・ダスト ジェーソン・シュワルツマン ジェイミー・ドーナン



〈STORY〉

政略結婚により14歳でフランスの皇太子のもとへ嫁いだマリー。

自分に関心がない夫との関係に悩むマリーは、派手な取り巻きにつられるように、豪華な生活にのめりこんでいく。

そんな折、舞踏会で出会ったフェルゼンと恋に落ち、初めて人を愛することを覚える。

王の急死により、マリーは18歳でフランス王妃に。

結婚から7年後、やっと夫と結ばれたマリーは、子供も授かりはじめて幸せを感じるが、運命の歯車動きはじめていた・・・



ガールズムービーの先駆者ソフィア・コッポラによる、ヴェルサイユ宮殿全面協力豪華映画。

賛否両論をさんざん聞いたうえでの鑑賞だったので、あまり期待していなかったのだけど、面白かったです。ソフィア、やるな・・・。

まず、一度もかわいいと思ったことがなかったキルティン・ダストがすごくかわいく映っているのにびっくり!
そして、ファッションショーを見ているかのような洋服・アクセ・小物、インテリアやお菓子の出し方&音楽のからめかたは、さすがの一言。


ストーリー構成は、国の情勢だとか、「お城の外のこと」を一切描かないという、マリーの目線、マリーの世界のみに集中して進められる。

それは、どうして市民が城を襲うまで怒っていたかを分からず死んだマリーを象徴しているかのように感じてしかたなかった。

14歳で政略結婚をし、夫の無関心の寂しさから逃げるように、浪費をし、パーティーをし、博打にうつつをぬかす。

とても華やかな世界のシーンばかりのはずなのに、恋に落ちても踏み込むことすら許されず、自らの運命すら決めることはできないマリー・アントワネットはひたすら、空しく切ない。

お酒を飲み、お菓子をつまみ、バカ話をすることしか、できなかったフランスの王妃。

お城の外にも世界があって、自分はその人たちと共に生きていかなければならないということ、外の世界を束ねていくべき立場だということすらわからず、その無知ゆえに、処刑されてしまう彼女がとてもとても哀れで悲しい。



まあ、でも、女子映画です。

歴史好きの人には物足りないだろうし、映画好きにも少し甘すぎるかも。

けれど、「有名な王妃がいかに普通の弱くもろく、退屈をしていた女子だったか」という目線は、ソフィアだから描けたのかもしれません。

「セレブの退屈な日常」を映しただけって言われればそうだもんね・・・。

とにもかくにも、パステルカラーが続くスクリーンは圧巻ですが。



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龍が如く 劇場版



監督:三池崇史

出演:北村一輝 岸谷五朗 塩谷瞬 サエコ 夏緒 加藤晴彦 哀川翔 松重豊 荒川良々

エンディング曲&挿入歌:クレイジーケンバンド




〈story

出所したばかりの伝説の極道「堂島の龍」と呼ばれた桐生は、9歳の少女遥と出会い、彼女が探している母親が、自分の探していた恋人と姉妹であることを知る。

神室町を探し回る二人に、桐生に恨みを持つ真島、桐生の元兄弟分の組織への離反、銀行から突然消えた100億円など、色々な事件が降りかかる。

いわずと知れた、プレステ2の人気ゲームの映画化を、世界の三池が手がけた一作。



とにかく、このゲームにはまっていた私。過労で倒れるかと思うほど、やってしまったっけ・・・。

ゲームといえども、その構成、ストーリー展開、キャラは出色の出来でした。

ファンが多いゲームの映画化ということもあり、多分、三池さんはその世界観にこだわったのでは、と思えるほど映画は、ゲームをしていた人間であれば、そっくりに再現した様々なディティールに、おお!とテンションがあがることは間違いなし。

例えば、北村一輝をはじめとするキャストも(なにげに、9歳の遥が激似。走って桐生のあとをついていくところなんて、笑えるほど似ている)からはじまり、コンビニの内部、歩いているヤクザの風貌、牛丼やなど、「ゲームの世界」そのままを追体験できるようで、執拗に凝っていて面白い。

戦いの際に、パンチから青い炎が出たり、瀕死の場面でドリンクを飲むと体力が回復したりと、リアリティ度外視な演出も、ここまで振り切ってくれると、むしろ、いさぎいいほどだ。

さすが、三池。ブラボー!



が!!肝心な映画でのストーリー展開は、はっきりいって、かなり微妙です・・・。

ゲームはかなり長いので、主要な要素、がたくさんある。

桐生が服役していた訳、桐生と錦と由美の関係、100億の謎と真相、遥の母親、東城会のウチゲバ、敵対するヤクザとの抗争・・・などなど。さすが、馳星周がシナリオ監督しただけのことはある、という、仁義が通ったストーリーだったのだが・・・


映画も、馳星周が脚本かいてやれよ!


と、思うほど、色々な要素を詰め込もうとしたら、全部違う話になっちゃいました、なことに・・・。

アクション・・・というよりは、おもしろ映画としてお楽しみ下さい。

にしても、映画のみに出てくるサエコと塩谷瞬のカップルのエピソードは、なぜ・・・?



突っ込みどころ満載ですが、ある意味でかなり面白いので、また見ますけど。

全てを払拭する北村一輝のかっこいい濃さはさすがです。




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アヒルと鴨のコインロッカー


監督:中村義洋   脚本:中村義洋/鈴木謙一  原作:伊坂幸太郎

出演:濱田岳 瑛太 関めぐみ 松田龍平 大塚寧々



(story〉

大学進学のため、仙台に引っ越してきた椎名は、アパートの隣の部屋に住む河崎に、突然、「一緒に、本屋を襲わないか」と誘われる。たった一冊の広辞苑を奪うためだけに。

河崎の計画に加担させられた椎名は、その後、ペットショップの店長麗子から2年前、河崎とペットショップの店員でもあった河崎の元カノ琴美と、琴美の恋人でブータンからの留学生ドルジの3人に起こったできごとを聞かされる。

交差する過去と現在。

2年前の連続ペット殺し事件が本屋襲撃に繋がったとき、椎名の前に現れた真実は、おかしくも哀しいものだった。




原作を読み、まんまとひっくり返った私は、この作品を映画化するのは難しいだろうと思っていた。

小説だからこそできる大どんでん返しが、物語の中心柱だったからだ。

まずは、その中心柱をぶれることなく成し遂げたことに、単純にものすごく感心した。その映画的構成力はすごいと思う。

ベストセラーになっていて、ファンも多い原作だけれど、前もって本を読んでいた人も、期待を裏切ることなく見ることができる。



河崎はなぜ広辞苑を奪うために本屋を襲撃したのか。そこまでしたにも関わらずなぜ間違えて広辞林を持ってきてしまったのか。

さすがに小説と同じだけの伏線をはることはできなかったが、それでも充分に、バラバラだったパズルのピースが一つになる後半は、一気に引き込まれる。

無軌道な若者たちによる2年前のペット殺し事件。正義感の強い女子学生と、その恋人のブータン人と、自由人の元カレが、その事件に巻き込まれていく。そのくだりは、原作と同様に、ただただ、やりきれない。

日本でも外国人に対して、日常的な差別がある描写も多々あり、色々考えさせられたりもする。

ブータン人は、日本人とすごく顔が似ている民族。でも、考え方、例えば死に対する思いも、風習も違う。

それでも、アヒルも鴨も一緒なのに、どうしてそれが分からない人が多いのだろう。


扱っている題材は重い。ラストだって、もろてをあげてのハッピーエンドではない。

それでも、観終わった後、清々しい気持ちすら感じてしまうのはなぜだろう。

全てのキーワードになっている、物語のもう一つの柱であり、テーマ曲ともいえる名曲ボブ・ディランの「風に吹かれて」の力と、演出、そして、何よりも抜群のキャスティングによる俳優陣の力が大きいのかもしれない。


にしても、面白かった!

2007年の邦画の中では、間違いなく上位作品だと思います。



どうでもいいことなのだけど、このボブ・ディランの「風に吹かれて」。

これって、昔、フジテレビでやっていたドラマ「愛という名のもとに」で、やたらと鈴木保奈美や唐沢や江口が言っていた詩なのだと、はじめて気がついた。

歌自体は知っていたのに、なぜか同じものだとは思わなかったよ・・・。何の違いかなあ。重み?



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「コールドゲーム」 荻原浩  新潮文庫


〈story〉

高3の夏休み、野球部を引退した光也の周りで奇妙な事件が連続して起きる。

被害者は全て、中2のクラスメートたち・・・。

犯行予告から浮かび上がった犯人は、かつて、トロ吉と呼ばれ、クラスのイジメの標的にされていた廣吉。

光也たちは、転校した廣吉の行方を捜すが、一人一人と被害者が増え、ついには死者まで出てしまう。

これ以上の犠牲者を出さないために、防衛隊を作った光也たちだが、ひと夏の出来事は意外な結末をむかえる・・・







かつてのクラスで起こっていたイジメ。

不良グループともそつなく付き合ってきた野球少年光也は、そのイジメを止めもせず、加わりもせず、見ないふりをするという手段を選んだ。

光也にもイジメられた過去があって、自己防衛作だったのだったということが、中盤でわかってくるのだが・・・それまでが、「えええ?なんかすごく他人事?」みたいに、光也の立ち位置が不思議だった。

荻原さんらしい少し優しくだからこそ少し甘い目線でイジメを切り取っていく作品で、一気に読めるのだが、いかんせん、私は終始、光也の友達でありイジメの主犯格であった不良少年亮太が嫌いで、常にイラッとする・・・。

これでもかという典型的な不良少年亮太は、報復を始めたトロ吉にストレートな怒りを募らせるのだが、光也も好きだったかつての同級生美咲と暮らし、美咲のおなかには子供までいるのに、弱い酒におぼれ仕事に行かなかったりと、途中からは、あれですね、「24」のキムばりに、「早くやられてしまえ~」とさえ思ってしまったよ・・・。



序盤から予想が出来たラストは、切なくやりきれない。

けれど、弱きものを虐めた者たちに残された傷跡、これから抱えていくものを十字架としてそれぞれに与えながらも、前向き希望の光の見えるラストは、さすが荻原さん。

人をいじめるからには、同じことをされても耐えうるという覚悟を。

見過ごすのならば、自分が見過ごされる覚悟を。

幼くても大人でも、これだけは忘れてはならないのだな~と思いました


★★★☆☆


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「ST 警視庁科学捜査班」今野敏  講談社文庫



〈STORY〉

警視庁に新設された科学捜査班、通称ST。

警察官ではなく、専門職員の彼らは、武道の達人・人並み外れた聴力の美人・屈折した美男子・僧など、個性豊かな面々すぎて、当然のことながら刑事たちとはあまりうまくいかない。

ある日、中国人国籍の女性の惨殺死体が発見され、次々に外国人が殺される。

プロファイリングで浮かび上がった犯人像は捜査本部のそれとはかなり違っており・・・



「このミス」の常連でもある今野敏のSTシリーズ第1作目。さすが、人気シリーズだけあって、登場人物がどれも個性豊かで面白い。

こういうサクサク読める推理・犯罪小説は、忙しい時とかにはぴったり。

移動の間とかに少し開くだけで、かなりの気分転換になるので。

頭をがっつり使って推理しなければならない種のものではないので、2時間ドラマを見ているような感覚で楽しめる。

それほど派手なシリーズではないけれど、なんとなく全制覇したい。



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「どれくらいの愛情」 白石一文   文藝春秋  1714円



〈story〉

人が人を愛すること。逆らえなかった運命と、自ら選び取った決断。運命と宿命。

色々な人生があり、恋のかたちがあり、愛がある。

「20年後の私へ」「たとえ真実を知っても彼は」「ダーウィンの法則」「どれくらいの愛情」の4編で送る



かなりのファンがいるらしい、と聞いた短編&中篇集。

ということで、期待100%で読みましたが、最初の「20年後の私へ」はまあまあ面白く、あとは・・・すみません!私には愛の形が分かりませんでした!

「神様~私に純粋な心をお戻しください」と頼みたくなるほどでした・・・。泣けないのは、私のブラックハートのせいか?

ともあれ。特に、「ダーウィンの法則」がしんどかった・・・。この主人公がかなりダメです。クラスにいたら、絶対、遠足の班にはならないだろうなあ・・・。

主人公の性格も考え方もダメなんだけど、気になったのは、不倫している元保母の主人公が「保育園に乳飲み子を預ける親は、育児放棄なのではとずっと思っていた」的記述があるところ。

私は結婚もしていないし、子供もいないけれど、色々な考え方があっていいと思っているけれど、

それでも、かなり残念に感じました。


いや、でも、アマゾンのレビューを見ても、点数高いです・・・。

私の恋愛偏差値が低いからですか!?

「いやあ~面白い!自分だったらいやだけど」と人から評される恋愛ばかりしてきたからですか!?

「運命は自分次第でかえられる」という作品に共通する根底テーマは非常に共感できるのに、あまりに主人公たちが私のイライラツをケンシロウのようについてくる一冊でした…


どれくらいの愛情/白石 一文
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マイ・ブルーベリー・ナイツ


監督:ウォン・カーウァイ

共同脚本:ウォン・カーウァイ、ローレンス・ブロック

出演:ノラ・ジョーンズ、ジュード・ロウ、デイヴィット・ストラザーン、レイチェル・ワイズ、ナタリー・ポートマン



マイ・ブルーベリー・ナイツ

(C)Block 2 PICTURES 2006


〈STORY〉

恋人の裏切りで失恋をしたエリザベス。

彼のことを忘れられない彼女は、恋人のアパートの前にあり、彼が新しい彼女と来ていたカフェに通いはじめる。

そんなエリザベスを店でいつも売れ残るブルーベリーパイを出しながら元気付ける、オーナーのジェレミー。

カウンター越しに始まった関係だが、次の恋へと進みだす決心のできないエリザベスは、ある日、突然、ジェレミーの前から姿を消す。

その後、ジェレミーの元には、旅に出たエリザベスから葉書が届くようになる。始めはエリザベスを探しながらも、思い出の店で待ち続けることを決めるジェレミー。

一方でエリザベスは、メンフィス・ラスベガスと、ニューヨークから遠く離れながらも、いろいろな人と出会い、本当に大事なことに気付き始めていた・・・

映画史上最もロマンティックなキスシーンにうっとりな、極上の恋愛映画。



エリザベスとジェレミーがいい関係になっていくのに、それでも自分を変えたくて、ふりきるように旅に出てしまうエリザベス。

失恋だけでなくとも、立ち直れないような失敗や挫折をしたときには、次の一歩が臆病になっちゃうものね・・・

その一歩を自信のあるものに、自分らしいものにしたくて、旅という手段を選んだエリザベス。

「このままの自分ではダメだ。同じことを繰り返してしまう」という恐れは、誰しもが共感できると思うし、全てをゼロにしたい気持ちはわかってしまうんだな~これが。

旅先でエリザベスは色々な人に出会う。

愛しすぎて妻を追い詰めてしまった警官や、人を信じることができないギャンブラーの孤独・・・

彼らの人生の岐路を、傍観者として目の当たりにすることで、エリザベスが成長していくさまが、アメリカの青い広い空に映えて、とてもすがすがしい。



旅の結果で得たころは、「最初っから分かってたじゃん!」と突っ込みたくなるようなことだけど、それでも、旅を経たからこそ、その重みも大切さも違うのだろう。

ラスト、元カレの部屋を見上げるエリザベスの表情は、胸をつかれます。



世界のディーヴァ、ノラ・ジョーンズ(ローサ似)のかわいさも勿論ですが、なんといっても失恋レストランのマスタージュード・ロウが近年の作品で一番なかっこよさ。とくに、はだけたシャツの胸元からのぞく胸毛には鼻血必須。

共演陣も相当豪華ですが、オスカー女優のレイチェル・ワイズは、こんなにキレイだったか?と思うほど、強いけれども折れそうな儚さの美人を完璧に演じております。さすが。

スペシャルサンクスのクレジットのルイ・ヴィトンの小物も大活躍で、ビンボーノラがなぜこんな高価なカバンを!という疑問は払拭して、ファッション面からも楽しんでください。



まあ。

私がエリザベスだったら、ジュードが毎晩パイ出してくれるわ~慰めてくれるわ~ないたせりつくれり失恋レストランがあったら、おちおち旅になんて出てられないけどね。

だって、いつ、あのカウンターに他の女が座るかわかんないだもん・・・。



3月22日(土) 全国東宝系にてロードショー!

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ゴールデンスランバー/伊坂 幸太郎


「ゴールデンスランバー」伊坂幸太郎  新潮社 1600円



さあ。何事もなかったようにこのブログを再開します。
しかも、題名も若干代わったりして。再び、よろしくお願いいたします。



《あらすじ》

首相の金田が仙台で、凱旋パレード中に暗殺された。

暗殺犯として、指名手配され、追われているのは、数年前に暴漢からアイドルを救ったことで有名になった宅配便ドライバーの青柳。青柳は学生時代の友達の森田に呼び出され、その場にいた。

森田は、なにか別の目的があったようだったのだが、青柳に「逃げろ!オズワルドにされるぞ!」と、叫ぶ。

一体、何が起こっているのか?どこから罠がしかけられ、誰が敵なのか?

混乱しながらも逃げる青柳と、青柳を信じる人たちの、奇跡のようなエンタテインメント小説。



さてさて。
伊坂幸太郎の集大成、究極のエンタメ作品「ゴールデンスランバー」。
ガチンコでぶつけると、文藝春秋作品が直木賞を取れないからと、直木賞は次回の選考対象になったとのうわさもあるほど。
私が、今、一番好きな作家、伊坂幸太郎に、これだけのプラス要素がつけば、と、発行されてすぐに購入したのに、気負いすぎて、うっかり読むのに時間がかかってしまったほど・・・


で、結論です。
期待以上の、最高傑作でした。
今年始まってすぐだけど、間違いなく本年度ベスト3に入る。っていうか、人生ベストにも入るかも。
伊坂作品に全作品共通しているのは、「だから、君はどうするんだ?」ということだと思う。
これだけ色々な情報が氾濫している中、何を信じ、何を選び取っていくかを、人はもっと自認し、そして、責任を負わなければならないということ。
世の中の流れがたとえ自分の信じることと逆流しているとしても、自分で選び取ったもので自分で考えなければならないということ。
その結果、犠牲になった兄を描いたのが、伊坂さんの「魔王」だった。(この作品も本当に最高だったけれど)
それに対して、この「ゴールデンスランバー」は、大きな流れの本流は変えれないかもしれないけれど、間違っていることに対して、自分のできる範囲内で抗うことはできる。その流れに小さな橋を作るように、自分をごまかさずに、小さくとも胸を張ることはできる。
そんな物語だったように思う。
青柳君を助けようとする、色々なひとの、色々な気持ちが胸をついて、自分の生活や幸せをギリギリの範囲で守ろうとしながらも、青柳君や自分自身を信じることは捨てない彼らに終盤は泣きっぱなしでした。


何かを選ぶときに、「楽なこと」を選ぶのか、「自分の信じること」を選ぶのか、「選ばざるをえないこと」を選ぶのか、という3つの選択肢があると思う。
この本を読みながら、どの選択をしても、その選択に対する責任を負っていることを忘れてはならんのだな~と。
メディアにだまされたと声を荒げるのは簡単だけれど、だまされた自分の責任も忘れてはならない。
すべてを自分の目で確認することは不可能。けれど、せめて、自分の言葉に置き換えることは必要かもしれない。
そして、起こったことに目を閉じて通り過ぎるのを待つのか、たとえ何もできなかったとしても、目を開けて何も出来なかった自分をきちんと見届けるのか、それもきちんと自分で決断しなくてはならない。
そんなことをぼんやり考えながら、私は、例え目の前の真実が思い描いたものでなかったとしても、目を閉じることだけはしたくないな、そう思いました。



抽象的なごたくばかり並べましたが、小説としては、色々な複線がラスト、一気に一本になる、ものすごいエンタテインメント小説です。
特に、ラストシーンは秀逸です。
どんな端役と思っても、登場人物をメモがきしながら読み進めてください。
おおお!この人が、こんな活躍を!的な感動を味わえます。伊坂さんは天才だよ・・・
ぜひ、映像化もしてほしいところですが、映画にすると2時間にはしょらなければならない。
でも、無駄なエピソードは一つもないので、ぜひ、NHKかWOWOWあたりで全4話ぐらいの、ものすごく上質なドラマとかいいかもなあ。





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