ピアニスト「辻井伸行」さんの新アルバム「ラ・カンパネラ~ヴィルトゥオーゾ・リスト!」の、
第3曲「イゾルデの愛の死」を聴きます。
「辻井伸行」さんの指が鍵盤上を滑る様に動き、
ワーグナーの楽劇「トリスタンとイゾルデ」の最後の場面を紡ぎ出して行きます。
「辻井伸行」さんの全ての音をハーフトーンで弾く奇跡の奏法は、
決して鍵盤の底を叩くことの無い、
下部雑音を一切排除した澄み切った悲しみに溢れた美しい音色で、
イゾルデがトリスタンの遺体の前で歌う「♪愛の死」を凄絶に歌い上げます。
「辻井伸行」さんの指が鍵盤上を滑る様に動き、
リストがピアノに余す所無く高い芸術性をもって移した、
ワーグナーの深淵な世界の奥深さと豊かさを、
ハーフトーンの澄み切った音色で見事に紡ぎ出して行きます。
「辻井伸行」さんの指が鍵盤上を滑る様に動き、
その全ての音をハーフトーンで奏でる独特な奇蹟の奏法で、
澄み切った輝く音色を駆使して、
その高い音楽性をもってリストの複雑な内面に寄り添い、
リストの魂の真実を澄み切った輝く音色を駆使して表現して行きます。
「辻井伸行」さんの指が鍵盤上を滑る様に動き、
その澄み切った音色で悲しみを溢れさせ、
トリスタンの死を悲しむイゾルデの絶唱を鮮やかに歌い上げます。
「辻井伸行」さんの指が鍵盤上を滑る様に動き、
その美しく澄み切った音色が、
トリスタンの後を追い自らも命を絶とうとするイゾルデの、
壮絶な悲しみを私の心の奥深くに沁み込ませてくれます。
「トリスタンとイゾルデ」の終幕の場面が、
目に浮かぶ様でした。
本当に素晴らしい「♪イゾルデの愛の死」でした。
「辻井伸行」さんは、まさしくピアノの神の化身です。
ではでは。