ピアニスト「辻井伸行」さんの新アルバム「ラ・カンパネラ~ヴィルトゥオーゾ・リスト!」。
その第2曲「♪エステ荘の噴水」を聴きます。
「♪エステ荘の噴水」は、フレンツ・リスト作曲のピアノ曲集「♪巡礼の年」の第3年第4曲。
フランツ・リストがイタリアのティヴォリにある、
エステ家の別荘に滞在中の印象を基に作曲された曲が、
「巡礼の年第3年」に3曲収められています。
その内の第4曲「♪エステ荘の噴水」は、
エステ荘の庭園の壮麗に吹き上げる噴水の印象から天啓を受けた曲です。
では、さっそく「♪エステ荘の噴水」を聴きましょう。
「辻井伸行」さんは、全ての音をハートーンで弾く独特な奏法で、
底部雑音をいっさい排除した澄み切った輝かしい音色で、
リストの心の深奥から発せられた魂の叫びを、
実に鮮明に浮き彫りにして行きます。
リストがこの「♪エステ荘の噴水」という曲に込めた、
ヨハネ福音書にある、
「わたしが与える水はその人のうちで泉となり、
永遠の命に至る水が湧き出る。」
への宗教的な深い思いを、
その全ての音をハーフトーンで奏でる澄み切った音色で、
最弱音から最強音までどの様な超絶技巧の部分でさえも、
リストの心に寄り添い深く心の深奥に迫り、
余すところなくリストの内面の複雑な心の襞を紡ぎだして行きます。
曖昧な音が一粒たりとも無い、
美しく澄み切った音色が冴え渡り、
リストがこの曲に込めた、
彼の複雑な心の悩みも鬱屈も宗教的な魂も余す所なく、
私の心の奥底まで届けてくれました。
素晴らしい演奏でした。
ブラボーーーーー!!!!!
最高!
まさに、ピアノの神の化身「辻井伸行」さんでした。
本当に素晴らしい「♪エステ荘の噴水」を聴きました。
ではでは。