運動が好きな人 | 院長のアンチエイジングな生活?

運動が好きな人

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運動好きな人は実に多いが、みんながみんな運動によって健康になれるかというと、実はそうでもない。

心房細動の発症率を研究した論文などを見ると、6METs程度の運動をしてきた人が一番発生率は低く、それ以下でも、それ以上でも発症率が上がるのである。

6METsというのは、ジョギングくらいの運動強度を表している。

あるいは、弁置換術という心臓の弁をとっかえた人でも、弁のサイズが小さめの人が毎日頑張って運動していると頻拍をはじめとした心不全の症状を呈してくることをよく経験する。

要は適切な運動強度で運動することが健康には大切で、なんでもやれば良いわけではないのである。個人によって、当然、その強度は違うのである。だから難しい。

運動の普及には、フィットネス産業やアパレル産業、マスコミ…、色々なビジネスが絡んでいるわけだが、こういったリスクは「医師に運動を止められていない」という承諾書の一節によって、細かな説明もなくサインさせられ、免罪符を得る形になっている。

大方の人は問題ないとしても、知らず知らずに病気になっている人は、自分でリスクを負う羽目になる。こういった啓蒙活動も進めて行く必要もあるのではないか?と思っている。

でも、運動の好きな人は、話を聞いてくんない。1年程度して、さらに運動耐容能が低下してから、あるいは症状がハッキリしてから、過重負荷の意味を理解するわけだ。

運動至上主義から運動至適主義に変えて行く必要があると思うんだ。