『世界のなぞかけ昔話1 どうしてかわかる?』
ジョージ・シャノン、ピーター・シス絵、福本友美子訳
『世界のなぞかけ昔話1 どうしてかわかる?』
個人的お気に入り度:★★★
- ジョージ シャノン, George W.B. Shannon, Peter Sis, 福本 友美子, ピーター シス
- どうしてかわかる?―世界のなぞかけ昔話〈1〉
世界の昔話から厳選した、なぞかけ系のお話の概要を紹介し、
問題文→たね明かしというクイズ形式にした絵本。
日本では大岡越前の逸話として有名な
産みの母と育ての母、どちらに親権があるかを
子どもを引っ張り合わせて決める話
(ソロモン王の逸話として紹介されている)や、
オオカミとヤギとキャベツを小舟にひとつずつしか乗せられず、
オオカミはヤギと一緒にいるとヤギを食べてしまうし、
ヤギはキャベツを食べてしまう。
どういう順番で運んだらみんな無事に向こう岸にいけるか、
というこれまたよく聞くお話をはじめ、
イソップにグリム、アフリカ、インド、中国、アメリカと、
広範囲から昔話十数本が集められている。
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昔話のエッセンスをさっと読めて、頭の体操もできる、
手軽でお得な一冊といったかんじ。
面白いと思ったのは、「かしこいおよめさん」という、
アルメニアの民話からの問題。
ヒヨコマメが大好物でつまみ食いしていたおよめさんが、
姑からの盗み食いの疑い(事実やっているのだが)を晴らすため、
床に落ちていたヒヨコマメを拾い上げ、
姑の前で何を言ったか、というもの。
答えは理屈上は合っているんだけど、
実際にはこれで疑いが晴れようとは思えないし、ふつうは言えなさそう。
しかし、ほんとに言ったらかえってすごいかも、
姑もその図太さに感心するか、
冗談のセンスに笑ってしまうか、
あるいはそこまでしてヒヨコマメをつまみ食いしたいのかと
あきらめてくれるんじゃなかろうか。
などと、お話自体は短く簡潔なのに、色々考えてしまった。
えー、ずるい、と思ってしまうようなお話もあったが、
本来なぞなぞやとんちはそんなもので、
私の頭が固いのであろう。
頭をやわらかくして、楽しみたい絵本。
印刷は2色でシンプルだが、
ピーター・シスのさし絵が緻密できれい。