『オークの木の自然誌』
リチャード・レウィントン絵、デイヴィッド・ストリーター文、
池田清彦訳
『オークの木の自然誌』
個人的お気に入り度:★★★
- リチャード レウィントン, デイヴィッド ストリーター, Richard Lewington, David Streeter, 池田 清彦
- オークの木の自然誌―すばらしいミクロコスモスの世界
(特に子ども向けというわけではなく、
しかも絵本というより図鑑だが、
子どもも大人も絵を眺めて楽しめそうなので、
絵本の仲間ということで、一応「図鑑ぽいもの」に分類)
イギリスの自然誌イラストレーターによる、
オークの木と、木の周辺に暮らす
数百種の生き物たちを描いた図鑑。
四季のオーク、鳥や哺乳類、虫に虫こぶ、
キノコや地衣類、落ち葉を分解する生きものなど。
動物1種類ごとの毛並みの違いまでわかるような、
精巧な絵。
葉っぱの持っているひんやりしたしめりけまで、
眼を通して、まるで触れたみたいに伝わってくる。
ほとんどを生きたままの実物を見て彩色した
というのもうなずける。
モデルの多くは画家が所有する森のものだそう。
面白いなあと思ったのは、マイタケについての説明。
「肉はマウスを思い出させる腐った油脂のような臭いがある。
食べられるが固く、注目すべき味ではない。」
これって、日本では人気のあのマイタケだよなあ、
と思って巻末注を見ると、
「日本にも産し、日本ではきわめて美味なキノコとして知られる。」
とあり、ちょっとほっとした。
人間の味覚って、文化や住んでいる所によって
かなりちがってくるんだなあと思った。