2016年10月。
子供達の誕生日は入院中に迎える事となりました。
その日は、ちょうどエンドキサン最終日。
S先生は久し振りに朝一に部屋まで診察に来て
『いくつになったん?』
と聞きながら、お腹をプニプニ。
くすぐったくてキャッキャ言いながら逃げ回る太朗。
おめでとう、とは言わななくても先生なりのお祝いなんだと思っておきました
いつもの様に部屋を出てキッズルームへ行くと
『お誕生日おめでとう』
と、みんなが声をかけてくれました。
保育士さんが厚紙で2段のケーキを作ってくれていました。
ストローで作ったろうそくが3本立ててあり、真ん中のチョコレートに見立てた茶色い紙には
太朗と花子、2人の名前が入っていました。
入院中に仲良くなったお友達からも、折り紙のミッキー、可愛いお手紙、
お姉さん達からは、手作りミサンガやストラップ。
その当時ついてくれていた看護学生さんからアンパンマンのカードまで。
みんなそれぞれ手作りで、私が感動してしまいました
本当に、ビックリするほどたくさんの人に祝ってもらいました。
誕生日、というものが分かっているのかいないのか
それでもみんなが色々くれるのでニコニコの太朗。
誕生日数日前、少しでも楽しく過ごさせてあげたいと
K先生に甘いものを少しだけ食べさせても良いか聞いてみました。
するとなんと、ショートケーキ1個くらいなら良いですよ、とのお返事!
要はカロリー摂取量などを考え継続的な間食はダメだけど
普段きちんと管理出来ているならたまに甘いものを食べる程度なら大丈夫との事。
『ホールで1個食べたらダメですからね』
と、S先生に冗談交じりで釘を刺されましたが、ショートケーキ1個で十分でした。
太朗に、どんなのがいい?と聞くと
『いちごのケーキ!』
と即答。
でも季節は秋。
病院の近くのケーキ店を調べましたが、当日行ってみると閉店していました
車は交代の時に乗って来るようにしたので病院には置いておらず買いに行く足も無し。
院内のコンビニを探しても、りんごやモンブランはあってもいちごのケーキは無く...
仕方なくりんごのケーキとプリンアラモード、選んでもらおうと2つ購入。
でもやっぱりいちごのケーキがいいと大ゴネ。
グズグズな太朗に困り果てていると、隣のベッドのママさんが
『これから友達がお見舞いに来るから、ケーキを頼んであげるよ』
と言ってくれたのです
本当にありがたかったです
お昼を食べ終わった頃、ショートケーキ1個だけ別の箱に入れて持って来てくれました
お昼寝の後に食べようと言っても我慢出来るワケも無く
ケーキを目の前に満面の笑み
ケーキ食べるのなんて、いつ以来だろう?
ネフローゼになって、副作用で顔もお腹もパンパンで色んな事を我慢して来ました。
我慢させなきゃいけないと思っていました。
この時の笑顔が本当に嬉しくて、写真を撮りまくった私
もちろんケーキはペロリと完食
その後、ケーキを届けてくれたママさん、腎臓グループの先生方、
仲良くしてくれるお友達やママさん達、保育士さんに写真を見せて、改めてお礼を言ってまわりました。
夕方に付き添いを交代し、花子とケーキ屋さんへ寄って小さなケーキを2つ買いました。
保育園では1人1人、誕生日当日にお祝いの会を開いてくれます。
花子はプレゼントの絵本をもらってニコニコしていました。
『大きな丸いケーキは、クリスマスにみんなで食べようね』
そう言って、2人で小さなケーキを食べました。
家族はバラバラでしたが
私にとって忘れられない
思い出深い誕生日となりました。