石川達三記念室 | 373のブログ

石川達三記念室

 小説家 石川達三(1905~1985) 秋田県横手市生れ

 名前を見る機会はほとんどありませんが、昭和10年に第1回芥川賞を受賞した小説家です。


 きっかけは、秋田市内の観光地を探していて、秋田市立中央図書館明徳館の一室に「石川達三記念室」が設置されているのに出会いました。生原稿、写真、愛用の道具などが展示されていました。


 大分前に何冊か読んだことがあります。記憶では、「日蔭の村」「人間の壁」「金環蝕」「青春の蹉跌」などです。庶民の側に立った社会派作家とされています。

 おぼろげな記憶では、ダム建設に際して役所の横暴に耐える農民の話(日蔭の村)とか、ダム工事に係る汚職、政財官の癒着(金環蝕)、小学校教師の話(人間の壁)とかでした。「人間の壁」では組合運動というよりは教育者の生徒に対する教育に関する純粋な熱意に感動した記憶があります。

 描いている時代的背景が現在と大きく異なることから現在に合わないとは思いますが、全体、社会正義に貫かれていたと思います。


 文学史的にどのような評価かわかりませんが、時間的余裕が出来たら(少し逃げかな・・・)一度読み直してみたいと思います。