女性と化学物質を使われる方々へ
(毎日新聞 2004年3月4日)
化学物質過敏症の発症 新築・改装や農薬使用時に
横浜国大教授らが患者にアンケート
職場で看護師、美容師も
看護師、理美容師が危険
微量の化学物質に反応して、頭痛やめまいなどの症状が出る化学物質過敏症を発症するきっかけは、自宅の新築・改装や、殺虫剤など農薬を使った時に多いことが、
横浜国立大学の浦野紘平教授らが患者に行ったアンケートから分かった。
【小島正美】
化学物質過敏症は未解明な部分が多く、症状は人によってさまざま。ホルムアルデヒドやトルエンが原因物質のシックハウス症候群はその一つだ。
患者で組織する化学物質過敏症支援センター(横浜市)の協力で昨秋、278人の患者から回答を得た。 発症するきっかけを聞いたところ、「自宅の新築・改装」が43%で最も多かった。次いで「家庭用殺虫剤など農薬の使用時」(19%)、「病院や美容院など職場」(9%)、「排ガスや大気汚染」(5%)の順だった。
いったん過敏症になったあと、「どんな場所で症状が出るか」(複数回答)を尋ねると、患者の7~8割が共通して「美容院、理髪店」 「クリーニング店」「ドラッグストア」「家具売り場」「靴売り場」を挙げた。また、発症を促す物(複数回答)では多くの患者が「香水」「食器用洗剤やシャンプー」「雑誌などの印刷物」「園芸用の農薬」「ペンキなどの塗料」「ドライクリーニングした衣類」「たばこの煙」と回答した。
未解明部分多いが自己防衛が必要
また、専門家からは「過敏症のことを知っていることが引き金になるのでは」と患者の”意識過剰”を指摘する声があるが、調査では、発症する前に過敏症を知っていたのは10%程度しかいなかった。
浦野さんは「看護師や美容師らが職場で発症するケースが多い事実に驚いた」とした上で「過敏症の原因と見られる薬剤などに関するマイナス情報が消費者には分かりにくい。自己防衛策を含め、調査結果を読みやすい冊子にまとめたい」と話している。
分子量が小さい有害化学物質に注意、簡単に体内に吸収されます。