いい天気なので劇場にこもっているのがもったいないような…そうも言っていられないので、早起きしてがーっと洗濯して、ざーっと掃除して歌舞伎座に。ちょっと頭痛が心配だが、なんとか持ってくれますように。昼の部は4時過ぎまでと長丁場。
『竜馬がゆく』。このシリーズやっと終わった。早く終わってよかったというのではなくて、これはどうも歌舞伎としては微妙な具合だなぁと思っていたので、中途半端になると嫌だったので完結して安心した。亀治郎さんが出ていたのが面白かったな。今回は死に向かっているので語る夢も「無理なんだなぁ」と思って観てしまうので暗くなる。そういう先読みをねじ伏せるパワーが欲しかった。だけど、回り舞台のよさを活かしてぶつ切れにならない演出は評価。
『今時也桔梗旗揚』。もう途中で切っておしまいと播磨屋に強く言いたくなるような話。ねちねちみっともない苛め方だよ、これ。馬盥で酒を飲めとか欲しがっていた刀を別の人にあげたり肝っ玉が小さい。だからやられて当然、天王寺屋。だけど、可能であれば自分の手で討って欲しかったような…。残念ながら天王寺屋は台詞が入りきっていなかったようで陰の声が二等席まで聞こえてきた。もう今月終わりだよ、なのに台詞が入っていないってどういうこと。だから、変な間合いになって威圧感がないというか、小さく見える。物理的に小さいわけだからもっと大きく構えられないと、「本当はひねり潰されちゃうんじゃない」と疑念を抱かせる。これは初めて観た芝居だけれど、案外好きかも。耐えて耐えて最後は笑って幕。決して行く末はハッピーじゃないはずだけど、とりあえずぐっと堪えた思いを吐き出せて良かったねといってあげられる。ま、その手法が良かったかは別問題。だけど、堪えた播磨屋、大きな身体を小さくたたんでいる姿が観ていて苦しくなった。
『お祭り』。さすがです、皆さんさすがですが、これやはりなくても良かったのかもしれない。
『河内山』。松嶋屋、播磨屋で観たが、今回は高麗屋。うーんやはり苦手。時計がなってびっくり手を引っ込めるところとかも芝居がかってる(芝居なんだけどね)。脇がいまいちなのかなぁ。段四郎さんはさすがだけど。何より隼人くんが大きくなって驚き。年をとったというより背が伸びた。これは役を選ぶ必要があるし相手役も難しくなるかもね、と余計な心配をする。完全に引っ込み終わらないうちに席を立ちそうになる。去り方の余韻が引っ張りすぎのような…。
結局最後までしっかり観劇。腰が折れそうで頭もぐらぐら。たけど、おそらく最後の太刀持ちであろう梅丸くんの写真を購入。刀を渡しているところ。