有責配偶者から離婚請求がなされた場合


裁判所は


①別居期間 ②未成熟子の存否 ③経済的苛酷状態


という3要件(詳細は以下)を総合的に考慮した上で


有責配偶者からの離婚請求が信義誠実の原則に照らして


許されるものであるかどうかの判断をしています。




②③の要件は充たしているが①の要件が問題となった


不貞行為を行った夫からの離婚請求を認めた事例の場合


原審は


『被上告人は、現在においても、上告人との婚姻関係の継

を希望しており、本件での約八年の別居は、当事者の年

、同居期間と対比して考えた場合、いまだ有責配偶者と

ての上告人の責任と被上告人の婚姻関係継続の希望とを

慮の外に置くに足りる相当の長期間ということはできな

。』として、①の要件を充たしていないと判断しました。




しかし、最高裁判所は


上告人と被上告人との別居期間は約八年ではあるが、上

告人は、別居後においても被上告人及び子らに対する生活

費の負担をし、別居後間もなく不貞の相手方との関係を解

消し、更に、離婚を請求するについては、被上告人に対し

て財産関係の清算についての具体的で相応の誠意があると

認められる提案をしており、他方、被上告人は、上告人と

の婚姻関係の継続を希望しているとしながら、別居から五

年余を経たころに上告人名義の不動産に処分禁止の仮処分

を執行するに至っており、また、成年に達した子らも離婚

については婚姻当事者たる被上告人の意思に任せる意向で

あるというのである。そうすると、本件においては、他に

格別の事情の認められない限り、別居期間の経過に伴い、

当事者双方についての諸事情が変容し、これらのもつ社会

的意味ないし社会的評価も変化したことが窺われるのであ

る』との理由で、別居期間が相当の長期間に及んだと判示

しました。




要約すると


夫が別居後の妻子の生活費を負担していたこと


誠意があると認められる財産関係の清算の提案をしていた


ことを理由に、約8年という最も短期の別居期間で


離婚請求が認められたことから


不貞行為を行った有責配偶者からの離婚請求でも


理由次第では離婚請求が認められやすくなってきている


といえます。




留意すべき点としては


妻が、夫との婚姻関係の継続を希望しているとしながら


夫名義の不動産に処分禁止の仮処分をかけたことで


妻にもある程度離婚の意思があるとの推測につながった


ことから、離婚したくない場合は、誤解されるような行動


をとらないようにして下さい。


<要件①>


夫婦の別居が両当事者の年齢及び同居期間との対比に

おいて相当の長期間に及んでいること


<要件②>


夫婦の間に未成熟の子が存在しないこと


<要件③>


相手方配偶者が離婚により精神的・社会的・経済的に

極めて苛酷な状態におかれる等離婚請求を認容することが

著しく社会正義に反するといえるような特段の事情の

認められないこと




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