リベラルアーツの精進と実践の日記

リベラルアーツの精進と実践の日記

通算97か国訪問し農村・スラムから先端企業徹底取材。世界情勢、歴史、哲学、アート、テクノロジー、ビジネスを繋げ、世界の行方を思索する。

和歌山県久度山町にある「九度山真田ミュージアム」に行きました。

 

高野山に行く際に寄ろうと思いながら、途中下車が時間的制約などでできていなかったのですが、ようやく行けました。

 

やはり思い切っていくことは大事ですね。

 

地元は、真田家の家紋である六文銭で溢れています。全国的に見ても、ここまで過去の武士のことを町全体で尊敬している場所は少ないでしょうね。

 

九度山では困窮していた真田昌幸・幸村親子。徳川の監視のある中、村人に迷惑が掛からないようにと、宴会後に分からないように夜逃げをした幸村。

 

しかし、村人は皆幸村が大坂に向かうことを知っていたと。不利を承知で大坂に向かう幸村に「思いを遂げなさい」という気持ちであったとか。

 

貫く思いを持つ幸村には現在の我々も学ぶところが多いですね。

 

コロナ禍以降行けていなかった高野山に久しぶりに参拝しました。

 

私は高野山大学で学んだので、母校のある場所でもあります。

 

奥の院も歩きました。弘法大師・空海が永遠の入定に入られている場所です。

 

ここでは、石田三成や明智光秀など敗北・反逆の武士の墓もあることで知られます。

 

1599年には、島津家が、朝鮮の役で死亡した敵味方の双方を弔うための墓所を作ったと言うことも知りました。

 

敵も味方もない、止揚している哲学を改めて実感します。

 

小林登志子著「古代オリエント全史」を読みました。

 

・古代オリエントこそが現代文明社会の起源。

 

・正倉院御物は、アケメネス朝ペルシャの影響があるものある。

 

・古代エジプトは来世を希求したがメソポタミアにはそのような考えはなかった。また、経済的に豊かなエジプトには交易の必要がなかった。

 

・古代エジプトには複数の女王がいた。自らの意志で王位につき20年も王位にあったのはハトシェプスト王のみだ。

 

・アナトリアは鉄器を生んだ。

 

世界の歴史の発祥ですね。

 

 

ポール・ホーケン著「ドローダウン 地球温暖化を逆転させる100の方法」を読みました。

 

・廃棄物については、解決策と呼ぶ人も汚染と呼ぶ人もいる。

 

・ブッダ、孔子、レオナルドダヴィンチ、トルストイ、ガンディ…、植物性食品を中心とした食事を支持する人は昔から多い。

 

・私たちが無駄にする食糧は温室ガスの8%に相当する。

 

・米国では2015年に食糧の38%が堆肥になり、EUでは57%である。堆肥が進めば、メタンの排出は大きく削減される。

 

・全世界で女性は食料作物の60-80%を生産しているが、無償か低賃金労働になっている。

 

世界観、生活を大きく変える必要性を感じます。

カール・イグレシアス著「脚本を書くための100の習慣」を読みました。

 

・音楽には魂の最も深い部分に触れ、想像力に翼をつける力がある。脚本家の多くは音楽を使う。

 

・創造的なことをしたいなら散歩に出よう。

 

・書くのが難しくなったらもう1冊の本を書く。

 

・まず蛇口をひねる。それから水道が出る。

 

・一番早く書いて、削っていく。

 

・フィードバックは皆に求めよ。ただし、決断は自分でせよ。

 

・心の底から面白いと思ったことを書く。

 

・何でも読む。

 

TIPSにあふれていますね。

星加良司著「障害とは何か」を読みました。

 

・障害とは、ある種の社会現象である。

 

・仮に経済的な問題があっても、様々な社会的障壁がある。

 

・社会的モデルとは、障害の問題とは障がい者が経験する社会的不利のことであり、その原因は社会にあるとする考え方だ。障がい者個人の帰責されないことになる。

 

→極めて明快であり、強く共感します。

 

・障害をもつアメリカ人法は、誠実になったが、雇用は増えていない。

 

・当たり前であったことが周囲の目線で障がいにされてゆく。

 

→衝撃的とも言える記述です。あくまで他者が思うだけですね。

 

星加さんは、全盲の東大教授。これほどinspireされる書籍はあまりありません。

組織マネジメントの講座を聞きました。

 

類似の内容を何度も聞いていますが、あまり他では聞かない点がありました。

 

・部下の態度に心を乱されない。部下が抵抗する、言うことを聞かないなど乱されることは多いが、それに乱されてはいけない。

 

・時間がかかることを念頭に置く。成長を信じて諦めない。

 

・先に自分を変える。

 

・見返りは求めない。

 

→部下に限らず、見返りを求めてしまいますね。しないようにします。

小川仁志著「当たり前を疑う100の方法」を読みました。

 

・デリダは、物事を一から作り直す脱構築を唱えた。構造物を解体して構築し直そうとした。

 

・ライプニッツは、この世の中が一つの原理(モナド)で成り立っていると考えた。

 

・観察と実験を重んじたフランシス・ベーコンは、偏見や先入観を取り除こうとしてイドラと呼んだ。種族、洞窟、市場、劇場のイドラがあるとした。

 

・ヒュームは、すべては知覚に過ぎないと考えた。

 

・レヴィ・ストロースは、全体構造に目を向けるべきとした。

 

・フーコーは、やっているつもりがやらされていないかと捉えた。

 

・荘子はこの世はすべて同じもの、万物斉同と捉えた。

 

・バタイユの聖なるものから、一番グロテスクなものに価値を見出してみる。

 

・グッドマンは、芸術は科学と共に、世界を捉える方法と考えた。

 

哲学をベースに思考を揺らすことは大事ですね。

METビューイングライブでヴェルディ「運命の力」を見ました。

 

インカ帝国の血を引くアルヴァ―ロとの結婚を父親に否定されたレオノーラ。アルヴァ―ロとの密会中に登場した父親をアルヴァ―ロは過って殺してしまう。アルヴァ―ロとレオノーラへの復讐に燃える兄のカルロ。戦場でアルヴァ―ロと出会うが当初はレオノーラの恋人とは知らず友人となる。その後正体が分かり、決闘を申込むが…。

 

貞節を重視し過ぎていたり、決闘したりと現代には合わない点もありますが(本作は現代に置き換えて演出)、極端な人柄を描くと言う点では秀逸ですね。

アカデミー賞作品賞を受賞した「オッペンハイマー」を見ました。

 

ご存じの通り、原子爆弾を開発した科学者米国人のオッペンハイマーの半生を描いた映画です。

 

「広島や長崎が描かれない」といった批判が日本国内にはあるようですが、原爆の破壊力を熟知していたオッペンハイマーは、新たな水爆の開発に反対して、米国政府からは疎外されていきます。全体としては原爆や水爆への厳しいトーンですね。

 

米国もここまでの映画を作るようになったのだと改めて感じました。

 

必見の映画です。