重要判例 | 成功請負人!行政書士の奮闘記

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今日は、風俗営業に関する重要判例を紹介します。


◎余目町個室付浴場事件(最判昭和53年6月16日)

<事実の概要>

被告会社Xの代表者Aは、個室付浴場(いわゆるソープランドのこと。判例では「トルコぶろ」と呼んでいる)の営業を行うため、建築確認を得て建物の建設に着手したが、その後、住民らによる反対運動がおこった。

余目町および山形県の当局は、個室付浴場の開業を阻止するため、個室付浴場開業予定地から約134.5メートル離れた町有地を児童遊園施設とすることとし、(その施設から周辺200メートル以内の範囲では、個室付浴場の営業が禁止されることに着目しました。)昭和43年6月4日に児童遊園施設の設置認可の申請をし、同月10日に認可された。

Aは5月11日に公衆浴場経営許可申請を個人で行っており、6月6日にX会社を設立し、許可申請をX名義にて行い7月31日に許可を得た。その後Xは,8月8日に営業を開始したが、この時点ではすでに児童遊園施設が設置された状態であり、翌昭和44年2月25日、県公安委員会はXに対して営業停止処分をし、さらにXは風営法4条の4第1項違反で起訴された事案。

1審2審ともX有罪。

Xが上告。破棄自判(X無罪)


<判旨>

本来、児童遊園は、児童に健全な遊びを与えてその健康を増進し、情操をゆたかにすることを目的とする施設(児童福祉法四〇条参照)なのであるから、児童遊園設置の認可申請、同認可処分もその趣旨に沿ってなされるべきものであつて、前記のような、被告会社のトルコぶろ営業の規制を主たる動機、目的とする余目町の若竹児童遊園設置の認可申請を容れた本件認可処分は、行政権の濫用に相当する違法性があり、被告会社のトルコぶろ営業に対しこれを規制しうる効力を有しないといわざるをえない。



風俗営業許可と保護対象施設との関係は、切っても切り離せないものです。



これから風俗営業の許可を申請される方、保護対象施設の確認は慎重に行いましょう。