サッカーのワールドカップ(W杯)南アフリカ大会が開幕した。世界最高峰の技術を競うのは選手だけではない。スパイクやユニホーム、そしてスタジアムまで世界最高水準の技術が駆使され、祭典をバックアップする。そんな裏方にも“サムライブルー”がある。(油原聡子)

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 ◎音で参戦

 試合の行方を左右する審判のホイッスル。ウルグアイ-フランス戦で主審を務める西村雄一さん(38)が選んだのはスポーツ用品メーカー、モルテン(広島市)のサッカー審判用ホイッスル「バルキーン」。

 バルキーンはオランダ語の「VALK(ハヤブサ)」と英語の「KEEN(鋭い)」の造語。その名の通り、デザインはハヤブサをイメージ。上下2つの共鳴管があり、太くキレのある大きな音が特徴だ。プレーに瞬時に反応できるように、息を吹き込んでから音が鳴るまでの時間が従来品より短い。西村さんは平成19年から昨年まで、モニターの一人として開発に携わった。試作品を実際の試合で使って、音の響きを確認したこともあったという。

 西村さんは完成品に息を吹き込み、「吹き応えがあり、大歓声のスタジアムでも確実に音が通る」と満足して南アに向かった。

 海外の審判員にも人気なのが、野田鶴声社(東京都葛飾区)のホイッスルだ。同社は野田員弘社長を含め、従業員5人の町工場だが、これまでに輸出したホイッスルは2千万個以上。柔らかな音色で、高音でも割れることはなく、「鼻息で吹ける」(野田社長)ほどの吹きやすさ。

 今回の試合でも多くの審判が使う見込みだ。野田社長は「試合でメード・イン・ジャパンの音が聞こえればうれしい」と各試合のテレビ中継を楽しみにしている。

 ◎“3連覇”も

 南ア東部の観光都市ダーバンに新設された「ダーバン・スタジアム」。19日に日本対オランダ戦が行われるこのスタジアムを覆うテント屋根の建設は大手テントメーカー、太陽工業(大阪市)の海外子会社が手掛けた。

 同社は日韓大会、ドイツ大会でもスタジアムの屋根を受注しており“W杯3連覇”。今回はダーバン・スタジアム以外に、2会場の屋根も建設した。

 紫外線に強い「四フッ化エチレン樹脂」をコーティングしたガラス繊維素材を使用。南アの厳しい日差しを障子紙を通したようなやわらかい光に変える。一方で熱は通さず、スタジアム内を快適な状態で保つ。

 空調メーカーのダイキン工業(大阪市)は、省エネ技術を買われての参戦となった。2会場の空調を同社のグループ会社が受注し、室外機、室内機計521台を納めた。

 スタジアムの空調は、機械室の大型空調機で一括管理するのが一般的だが、同社のエアコンはエリアごとに個別制御が可能。担当者は「個別制御により消費電力を抑えられるので、省エネになります」とアピールしている。

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