ほれ、このとおり「輪島の女は働き者という定評があり、「亭主の一人や二人、養えない女は女の風上にも置けぬ甲斐性なしだ」と自負しているのが輪島女の意気地とも言う。」このくらいはっきり言い切っている物は、これまで見たことがない。たしかに、母親は子どもを護るために戦っている。男は戦には出るが、戦がない時は確かに女が戦っている。女が家族の生活を支えるために、必死で戦っている。そういうことに気が付いた。鴇田くにさんは、そういう輪島女の一人だったのである。