ここに神社があった。
その名も湊神社である。
神社のすべてが流され、破壊尽くされた様子が窺われる。
神社にあった石碑が、割れ目をそっと合わせるようにして並べて置かれていた。
その隣には、多分神社の大事なご神像なのだろう、いくつもの小さな像が並べられていた。
その一角から離れたところに注連飾りを施して囲い、中に一本の柱が立っていた。
湊神社の文字が書いてある。
ここで神社を再建するという意思である。
おそらく海の怒りを鎮めるための、そして漁業に従事する漁民やこの周辺に住む住民たちの安全を祈願するための神社だったのだろう。
土地や海の護り神の社を再び築こう、ということだ。
私たちは過去、何度も大災害に見舞われてきた。
しかし、その災害にめげず、怯まず私たちは生き抜いてきた。
災厄の年であった2011年もまもなく終わる。
新しい年に向けて、私たちは強く生きていかなければならない。
いや、強く生きていこう。