【日本語訳⑰】デカンタージュは古き良き時代のもの? | Kintzel's Cellar Talk

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デキャンタージュはまだ今でも
適切なのか、それとも古くさい
着想なのかと、ワイン愛飲家たちの間で
よく話題になります。
ワインがほとんどろ過されずに
造られていた、“古き良き時代”には
絶対必要なことでしたが、
デイリー・ワインには
必要なくなってきているのは
本当です。けれどもやはり、
多くの上等なワインは、
保存することで複雑性が増し、
風味がより良くなるのを
促進するため、ほんの軽くろ
過されているか又は
ろ過されていないのです。

数年後に、ボトルの中で果皮、
色、酒石酸結晶からの沈殿物が
増えます。本当の信奉者だけは、
素晴らしいワインの象徴として
これを高く評価します。
澱(おり)は感じよく見えない上、
(飲んだ場合)全く
美味しくありません。
しかし、澱を取り除いたワインは、
澱の影響を受けたおかげで
良いワインになっています。
何年後のワインは
デキャンタージュすべきか
というルールはありませんが、
大ざっぱに10年というのが
良い考えです。

ワインの年齢だけが
デキャンタージュする
理由ではありません。
ワインが若いなどという
反対の可能性もあります。
この場合は、ワインに澱があった
としてもほんのわずかです。
良質の若いワインは、
際立った酸味があり、
タンニンがなじんでいないので、
大抵飲みにくいのです。
これらのワインは
デキャンタージュによって恩恵を
こうむります。つまり、
デキャンタにワインを注ぎ、
蓋をせずにそのまましばらく
置いておくことは、空気と触れ、
そして若いワイン特有の
強烈さをやわらげます。

個人的な好みの問題で、
デキャンタは高級な
クリスタルでも、
または単純なガラス製の器でも
良いのです。
肝心なのは素材ではなく、
大きさ(ワインボトル1本には
1.5~2リットル容量のデキャンタが最適)です。
デキャンタの中でワインが空気に
触れる面も重要です。
これは(若いワインはより空気
に晒される必要がありますが、
年代を経たワインは空気に
触れる面がより
小さくなければならない)
ということです。

年代を経たワインを
デキャンタージュするために、
少なくとも24時間はボトルを
立たせて置くのがベストです。
これによって、澱がボトルの底に
溜まりやすくなります。
コルク栓抜きとキャンドルか
懐中電灯を用意します。
前もってボトルを立たせて
なかった場合には、
ワインセラーから取り出した時と
同じ位置でボトルを平らに
横たえておきます。
やさしくキャップシールを
全て取り除き、コルクを抜き、
ボトルを斜めにしてボトルネックの
下に光をあてます。
澱をかきまぜないように、
徐々にゆっくりとワインを
デキャンタに注ぎます。
澱がボトルネックの下の部分
に流れ出てきた時、
デキャンタージュをやめます。
若いワインはここまで気遣う
必要はありませんが、
それでもやはり静かに
デキャンタに注ぐべきです。

原則は、より年代を経た古いワインは、
飲む前(たった30分の)
デキャンタージュで大丈夫ですが、
酸味が強くタンニンが
馴染んでいない若いワインは(3~4時間かけて)
デキャンタージュしたほうがよいです。
そうすれば完璧です。