トゥーロン—トゥールーズ戦で
初めて生で見たウィルキンソン。
とても驚かされる光景がありました。

3点を先制された前半22分、
トゥーロンは敵陣のラックで
ペナルティーを獲得しました。
ゴールほぼ正面、
ゴールラインまで30メートルの場所です。

審判の笛がなった瞬間、
ボールに一番近いところに立っていたのが
ウィルキンソンでした。

この場合、普通の行動パターンは
(1)速攻をしかける
(2)一息入れて主将の判断を待つ
のどちらかでしょう。

ウィルキンソンは初めて見る行動パターンでした。
笛が聞こえるやいなや、
いきなり左足を持ち上げて
芝生を何度も踏み固め始めました。

どうやら、芝が少しめくれている部分が
2カ所ほどあるようです。
すぐ目の前では両軍の選手がもみあい始めたのに、
それには目もくれず一心不乱に踏んでいます。

約30秒後にもみ合いが解け、
トゥーロンの主将が
ペナルティーゴールを狙うことを
審判に告げたときには芝生の「補修」は終了。
キックの準備は整っていました。

確かに、ペナルティーゴールを狙うには
絶好のシチュエーションでした。
しかし、自分がキックを成功させるために
何をすればいいかということを
あそこまで考えて行動する選手は
他にいないと思います。

誰より高い技術を持つ選手が
誰よりも早くから準備しているのだから、
他の選手がかなわないのは当たり前です。
日本人のキッカーにもこの心構えを
見習ってほしいと思いました。

結局、この日決めたプレースキックは6本。
PGを3本、DGを3本。
左右別では、左足で5本、右足で1本という内訳です。
チームの全得点を1人で稼ぎ、
18—10での勝利に導きました。

トゥーロンは今季からの昇格組ながら、
プレーオフ進出圏内の6位(10節終了時)と健闘。
ウィルキンソンが移籍1年目にして
チームの大黒柱になっていることは間違いありません。

ファンもよく分かっています。
試合前、メンバー発表で最も声援が大きかったのも
もちろんウィルキンソン。
試合中もあちこちから
「アレ、ジョニー」という声援が起こっていました。

ノーサイド/船越 恒子

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最後に見たのが、マルセイユで行われた
トゥーロン—トゥールーズの試合です。

なぜ、トゥーロンのホームゲームが
約60キロ離れたマルセイユで行われたのか。
トゥーロンのスタジアムの収容人数は13700人。
リーグ屈指の強豪トゥールーズとの試合とあって、
6万人収容のStade Vélodrome(スタッド・ベロドローム)が
あるマルセイユを会場に選びました。

マルセイユの本駅から地下鉄で10分の
Rond-point du Prado駅から歩いてすぐという
アクセスの良さ。
駅を出ると、トゥーロンの
赤いジャージを着た人で歩道はいっぱいです。
ラグビー・ゲリラ ~マコウのラグビー情報~-スタジアム

35ユーロ(5200円)のバックスタンドの席を購入。
メインスタンドでも49ユーロ(6500円)と、
チケット代はスタッド・フランセに比べて割安です。

キックオフ30分前にスタンドに上がると、
既にほとんど満席。
客層は老若男女が満遍なくという感じです。
ラグビー・ゲリラ ~マコウのラグビー情報~-客席

同じフランスでも、パリとは違う
テンションの高い応援に圧倒されました。
選手入場の前から、ウェーブが自然発生。
キックオフまでの間に、スタジアムを4周しました。
ウェーブは試合中も時々、起こります。
ラグビー・ゲリラ ~マコウのラグビー情報~-ウェーブ

2007年のワールドカップ、
トゥールーズで行われた日本ーフィジー戦でも
ウェーブが何度も起こったのを思い出しました。

イングランドと南仏のファンの違いが1番よく分かるのが、
相手がペナルティーゴールを狙う時です。
選手がキックの体勢に入ると、
猛烈なブーイング。
鼓膜にじんじん響く感じです。

「敵味方に関係なく、キックの時は静かにする」
というイングランドとは正反対。
ただ、キックが成功したら、態度は一変。
「やるよる」という感じで、
一応ばちぱちと手を叩いて祝福するのが、
おもしろいところです。
(次回へ続く)

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スタッド・フランセ・パリ ホームジャージ 09

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スタッド・フランセの試合は
スタジアムにいるだけでハッピーな気分になれる、
おしゃれな演出が目白押しでした。

かわいいのが、チームカラーのピンク色のポール。
ピンク色のラジコンがキックティーを
届けに走る様子もかわいいです。
ラグビー・ゲリラ ~マコウのラグビー情報~-ラジコン
ラグビー・ゲリラ ~マコウのラグビー情報~-ゴールポスト

音の演出もスタジアムとは思えないほど凝っています。
試合前からハーフタイム、試合後まで、
ダンスミュージック風の乗りのいい音楽の連続。
極めつけが、試合開始から40分経過を告げるサイレンの音。
なんと、「ゴーン、ゴーン、ゴーン」という
教会の鐘の音です。

応援方法はJリーグにちょっと似ていると思いました。
自分のペースで叫んでいる人もいますが、
太鼓を持つ一団が客席にいて、
リズムを合わせて声援を送る人も多かったです。

スタッド・フランセはおしゃれなグッズが多いことでも有名です。
例えば、今季のジャージはアニメのキャラの絵が
全面に描かれたもの。
もはや、現代アートの世界です。

1番の目玉商品は「Dieux du Stade」(スタジアムの神)
というカレンダー。
選手がフルヌードを披露することで有名な品です。
フランスではかなりの人気商品だそうで、
駅の売店にも置いているところがありました。

表紙からして、全裸の選手がボールで股間を隠しながら、
悩ましげに見つめています。
中のページをめくると、
水しぶきを浴びてうっとりしている選手がいたり、
複数の選手が筋肉を盛り上がらせて組み合ったりしています。
もちろん、すべて全裸です。

一応、”男性自身”は見えないようになっていますが、
後半のページになると、根本から3分の1くらいが
露出している写真もあります。
B4判くらいの大きさで約30ページ。
値段は28ユーロ(3700円)。
マニアにはたまらない充実した内容でしょう。

記念に買おうかと思いましたが、
自宅に飾ると誤解を招くという不安と
空港の税関でひっかかるのではという懸念で
泣く泣く断念しました。

カレンダーはスタッド・フランセの公式ページで販売中。
http://boutique.stade.fr/boutique/fiche_produit.cfm?ref=DDS2010&type=13&code_lg=lg_fr&num=4
制作風景を収めたDVDはアマゾンでも買えます。
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