こんばんは
ご覧頂きありがとうございます
\(^▽^)/
本日も
想像力と
ヒスパニック見聞録
というテーマで
ロシア52人虐殺犯
チカチーロ
という映画を
ご紹介させて頂ければと思います。
シッチェス映画祭の正式名称は
シッチェス・カタロニア国際映画祭
↑こちらがシッチェス映画祭のロゴ!
…なんだか怪しいですね
シッチェスとは
スペインの美しい海岸があるリゾート地のこと。
シッチェス映画祭は
ファンタジー系作品
(SF・ホラー・スリラー・サスペンス映画など)
を中心に扱う
スペシャライズド映画祭として
世界でも権威のある国際映画祭のひとつ。
日本でファンタジーと言えば
妖精や魔法の世界を想像してしまいがちですが
シッチェスでグランプリを獲得した作品は
私たちのイメージしているファンタジーとは
一味違っているのです!
例を挙げると…
狼の血族!
ブルーベルベット!
座頭市!
オールドボーイ!
レッド・ステイト!
…
(((( ;°Д°))))
血まみれ作品ぱっかり
ですね!
シッチェス映画祭で選ばれるファンタジーとは
人間というものの本性を
むき出しにさせる
いかにもヒスパニック的な
生々しいファンタジー
なのです!
本日の
ロシア52人虐殺犯/チカチーロは
1995年のグランプリ作品!
…全然知らない作品ですね。
( ̄_ ̄ i)
実は、これはTV用映画!
けれど、かなり壮秀逸な作品なのです!
原題は
Citizen X(市民X)
という超カッコいいタイトルなのですが
ロシア52人虐殺犯
チカチーロ
という邦題は、ほぼネタバレだと思います。
ご想像通りこれは、52人を虐殺した
チカチーロという実在した人間の映画です!
52人!
ランボーみたいな人?
↑52人くらい朝飯前だぜ!
いいえ。
チカチーロは
少女や障害児をだまして森に誘い出し
殺していたシリアルキラーです!
↑チカチーロは、ランボーの対極にあるような
大人しそうな人
けれど、いくらシリアルキラーでも
52人ってすごくないですか?
↑森に連れ出しては
次々と子供を殺していくチカチーロ。
普通に考えて、子供たちが52人も失踪したら
大さわぎですよね!
↑こんな死体が出てきたら
新聞などで大騒ぎになりますよね!
けれど
この事件が起こった国の制度には
連続殺人を解決できない
大きな問題が存在していたのです!
チカチーロが住んでいたのはソビエト連邦。
ソビエト連邦は
共産党一党支配の官僚制国家でした。
この事件に最初に気づいたのは
ブラコフという検死官。
子供の死体が
森に8体も埋まってたのを知ったブラコフは
政府上層部に殺人鬼が存在している可能性を伝え
徹底した捜査をするよう依頼しますが
上層部の答えはNO!
理由は
ソビエトの共産主義は
理想的社会なので
連続殺人鬼が生まれる訳がない
もし連続殺人鬼がいたとしたら
理想社会でない事になってしまうので
やっぱり認められない!
というもの。
↑殺人鬼を探してください。
アホか。
ソ連に殺人鬼なんかいないんじゃ!
…つまり殺人鬼の逮捕より
政府の体面だけが問題だったのです!!
ブラコフは激怒しますが
彼の上司のフェチソフ少将は
上層部を刺激しないよう細心の注意を払いながら
この連続殺人を解決しようと試みます。
↑誠実だけど直情型のブラコフに対し
海千山千のフェチソフ。
フェチソフが行ったのは
ブラコフ自身を捜査担当のトップにする事。
愚直なブラコフと柔軟なフェチソフは
閉鎖的で事なかれ主義のソ連で
少しずつ凶悪犯の実像に迫っていきます。
↑正反対の二人ですが
相互補完しながら捜査を進めていきます。
といってもブラコフは検死官なので
捜査のノウハウはなし!
被害者の親たちからの聞き込みで
犯人は電車の待合所で
被害者を物色していると気がついたブラコフは
再び上層部に掛け合い
逮捕のための人員の増員
誘拐殺人が起こっていることを
市民に告知して注意喚起
コンピュータを使っての分析
FBIへの捜査協力依頼
という4つの提言をするのですが…
やっぱり全部却下されてしまうのです!
↑ダメだっていってんだろ!アホ!!
理由は前回同様、ソ連の面子の問題!
連続犯罪など起こるはずがなく
犯罪があったとしても
ソ連の警察が無事解決した
という結果しか認められない上層部は
ブラコフたちの意見を無視して
精神障害者や男性同性愛者たちを逮捕して
犯人に仕立て上げようとします!
その間にも着実に増えていく被害者。
さて、ブラコフとフェチソフは
どうやって連続殺人鬼チカチーロのの正体に
迫っていくのでしょうか?
それは是非、皆さん自身の目で
ご覧になって頂ければと思います。
↑チカチーロは殺人によって性的興奮を覚えるので
殺人は止まりません。
けれど
シリアルキラーを研究した事がないソ連では
動機すら、分らないのです…
本作では
不屈の努力と、数奇な運命によって
ブラコフたちはチカチーロを
容疑者として捕らえる事に成功します。
↑ついに…
けれどチカチーロは自白しません。
もし、彼が自白しなければ
証拠不十分で釈放しなければなりません。
けれど
8年間の努力によって培われた人脈で
ブラコフたちは
真実を引き出す事に成功するのです!
↑子供を殺す事も躊躇しないチカチーロは
何故、白状したのでしょうか?
本作のような地味なTV映画は
他の映画祭では決してグランプリになる事は
ないと思います。
けれどシッチェス映画祭では
チカチーロが連続殺人鬼に至った経緯や
絶望的官僚主義の檻の中で戦う
ブラコフたちの姿が描かれたこの作品は
1995年の最も優れた作品として評価したのです!
ヒスパニック的な視点で観ると
この恐ろしい男の物語も
一種のファンタジーという事なんですね。
↑少年少女を次々と殺す男の内面と
事件解決を阻まれ苦しみ続ける男たちを描く本作は
文句なく面白い隠れた名作映画なのです!
という訳で次回は
ヒスパニック的恋愛
フルスロットル
というテーマで
ハモンハモン
という映画を解説してみたいと思います。
ではまた(*゜▽゜ノノ゛☆
↑ちなみに実際のチカチーロはこんな顔!
…現実はフィクションを凌駕しますね
(-_-;)
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