こんばんは
ご覧頂きありがとうございます
\(^▽^)/
本日も
想像力と
ヒスパニック見聞録
というテーマで
ザ・チャイルド
という映画を
ご紹介させて頂ければと思います。
前回のビリディアナでご説明させて頂いたとおり
スペインはカトリックの影響力が強い国。
カトリックといえば天国と地獄です。
キリスト教が広くヨーロッパに広まったのは
最後の審判という、画期的な考え方があったから!
↑ミケランジェロの最後の審判の一部!
最後の審判というのは
人類の最終イベント!
世界の終わりに今までの人類が全員蘇り
神様の前で
天国行きか地獄行きかをジャッジされる
という
世紀の大スペクタクルです!
↑「ディス・イズ・ジ・エンド
俺たちハリウッドスターの最凶最期の日」は
セス・ローゲンたちハリウッド俳優が
最後の審判の日に遭遇してしまうという映画です。
昔の人々は
死後の安息を平穏が待っている
天国へ行くことを望み
キリスト教に帰依しましたが
この考え方は
天国に行けないと
一体どんな運命が待っているのか?
という想像をかき立てる結果ともなりました。
↑ねぇ。天国にいけない人はどうなっちゃうの?
ヨハネの黙示録などが有名ですね。
↑神様主導で人類虐殺が行われる
ヨハネの黙示録は地獄の描写の一種です!
ですのでカトソリック世界では
天国が信じられれば信じられるほど
地獄も信じられるようになっていくのです。
↑天国について考えるのは
同時に地獄も想像することとなるのです!
本日のザ・チャイルドも
そんな地獄を描いたような作品。
どんな地獄かというと…
救いのない世界
なのです。
この映画のストーリーはとても簡潔!
若い夫婦が
離島で怪異に遭遇する
というお話です。
↑わ~怪異だ!助けて~!!
えっ…
(-"-;A
それだけ?
こんな内容だったら
いくらでも類似作がありそうですね!
↑有名なのだと「サンゲリア」や
↑「ジュラシック・パーク」や
↑「彼岸島」だって、島で怪異ものですね!
けれど、この映画の場合
怪異自体よりも
怪異によって生まれた世界こそが
問題だったのです!
この映画は
若い夫婦がバカンスで
メキシコの小島に遊びに行くところから
お話がスタートします。
船着場には子供だけ。
夫は子供に親しげに話しかけますが
子供の反応はこんな感じ。
↑ボウヤ、何釣れるの?
↑ギロッ!!!
なんか排他的な島なのかな?と思いながら
島で大人を探すのですが
誰も見当たりません。
↑あれ?誰もいない…
観光ホテルにすら誰もいないことに
不信感を抱く夫婦ですが
その時、通りの向こうに子供たちがいたのです!
楽しそうに老人を滅多打ちにしている
子供たちが…
↑アハハハハハ…
そう!
もうお分かりですね。
この島では、おかしくなった子供によって
大人たちが皆殺しになっていのです!
↑どうしてこんな事が…
さて、果たして夫婦は
無事に島から脱出できるのでしょうか?
それは是非、皆さん自身で
ご覧になって頂ければと思います。
↑助けて、子供が追いかけて来る!!
と、ここまで説明してもやっぱり
よくあるホラー映画みたいだと思うので
もう少しだけ補足を加えます。
子供が襲ってきた時
夫婦は最初、攻撃する事を躊躇します。
何故なら相手は子供だから!
かわいい子供たちを殺すなんて
誰だってできませんよね!
けれど、ある子供が
拳銃を持って襲ってきたために
夫はライフルで子供を射殺してしまいます!
↑子供たちは容赦なく大人を襲います。
しかもゾンビのようではなく、普通の姿で!
すると妻は狂ったように怒り
夫を責めるのです!
どうして子供を殺したの!
と…
子供を殺さなくてはいけない世界。
これって地獄じゃないですか?
また、数少ない生き残りの島民は
自分の娘に助けて欲しいと懇願され
罠を承知で出て行ってしまいます。
↑俺の娘が助けを呼んでいる…
行っちゃダメだ!!
今度は、子供が親を殺す世界です。
これもまた地獄じゃないですか?
そして、子供たちは
テレパシーのように意思を伝え合って
殺意を感染させていきます。
↑まだ殺意を持っていない子は
触ることで感染します。
そして
この夫婦の妻は妊婦なのですが
この状況が分る前に
島の子供にお腹を触られていたのです!
↑!!!!
はい。
生まれてくる子さえ親を襲う世界。
これは究極の地獄のような気がします!
映画の終盤
一線を越えてしまった夫は
殺戮の鬼と化して子供たちを殺しまくります!
そこに広がる世界は
もはやこの世のものではありません。
怪物やソンビではなく
自分たちを憎しむ子供たちを殺すこと!
これが
この世の地獄なのだと思います。
↑さあ、お互い殺しあいましょうか…
荒唐無稽のようで
実は世界の紛争地帯でも起こっている
子供との殺し合いを描いた本作は
地獄とは何なのか?
という問題提起をしている作品なのです。
この映画はメキシコの作品ですが
70年代のスペインの映画のリメイク。
ヒスパニックの人々は
残酷な映画の中にも宗教的なテーマを
忍ばせているのです。
↑70年代の原作映画のタイトルは
「WHO CAN KILL A CHILD?」
(誰が子供を殺せるの?)
やっぱりこれも
単なるホラーではなく
終末思想で描かれた地獄絵図なのです。
という訳で次回は
カトリック教会と
悪魔祓い
というテーマで
REC/レック
という映画を解説してみたいと思います。
ではまた(*゜▽゜ノノ゛☆
↑ゾンビや怪物映画より後味が悪い理由は
人間としての一線を越えてしまうから。
子供たちと殺しあう世界とは
この世にあってはならない世界なのです…
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