こんばんは
ご覧頂きありがとうございます
\(^▽^)/
本日も
想像力と
ヒスパニック見聞録
というテーマで
ミツバチのささやき
という映画を
ご紹介させて頂ければと思います。
ヒスパニックは人々は
論理よりも感情を優先する人々。
ですので絵画の分野でも
感情を揺さぶるような特異な質感の作品を
多く生み出しています。
スペインで有名な画家といえば
サルバトール・ダリ!
ディエゴ・ベラスケス!
パブロ・ピカソ!
などではないかと思います。
では、そんな芸術的感覚で
映画を撮った監督は誰なのでしょう?
本日のミツバチのささやきの監督
ヴィクトル・エリセは
絵画的な手法で映画を撮ることができた
稀有な存在です。
↑ヴィクトル・エリセ監督
絵画を鑑賞する際
視点は一つではなく
質感、色彩、隠喩、人物描写、時代背景
作画技法など多岐にわたるように
本日のミツバチのささやきも
鑑賞するポイントをストーリーだけに絞らず
絵画のように沢山の視点で
楽しむことができる映画
なのです。
↑1つのシーンを絵として観ることも可能な
画期的な映画です!
本作は、スペイン内戦が終った後の
田舎町のお話。
映画は、父と母と二人の娘を映します。
彼らについての詳しい説明は
一切なされません。
ですので観客は
彼らの生活の断片を
絵画のように鑑賞する事になるのです。
↑何気ないシーンで何を感じるかは
観客に委ねられます。
父と母には
なんだか微妙な距離感があります。
↑不思議に生活感のない家。
父親は養蜂家。
母親は主婦のようですが、あまり家にいません。
↑父と母との距離は、こんな感じ…
二人の娘は、仲良し姉妹です。
↑仲良し姉妹。
姉はイザベル。妹はアナ。
↑右がイザベル、左がアナ。
二人は町にやって来た巡回映画で
フランケンシュタインを観ます。
↑田舎の町なので映画館ではなく
公民館のような場所での上映会です。
妹のアナは
フランケンシュタインがなぜ女の子を殺したのか
そして
なぜフランケンシュタンが殺されたのか分らず
イザベルに質問しますが
イザベルは
フランケンシュタインも女の子も
死んでない。
彼は精霊で、夜中にだけ現れる。
私は、町の外れで
フランケンの精霊を見たことがある。
と言います。
↑フランケンシュタインは
無垢だからこそ少女の扱いが分らず
花を浮かべて遊ぶように
少女を湖に投げ込んで殺してしまうのですが
イザベルは
彼女なりの解釈をアナに話します。
アナが
夜中に会いに行ったのか?
と質問するとイザベルは
一度精霊とは仲良くなれば
いつでも会える
と答えます。
その後イザベルはアナと一緒に
村はずれの廃屋に行き
あそこでフランケンシュタインの精霊を見た
と言います。
↑あの家で精霊見たのよ。
そして
後日アナが一人で廃屋に行ってみると…
そこには、負傷した兵士がいたのです!
↑あ…
さて、アナは一体
どうなってしまうのでしょうか?
それは是非、皆さん自身で
ご覧になって頂ければと思います。
このように書くと
まるでサスペンスのような感じですが
この映画は、静かで淡々とした展開なのです。
↑最も活動的なシーンはコチラ!
例えて言うなら
美術館で飾られている絵を鑑賞していくような…
↑まるで絵画のようなシーンの連続が
絵画鑑賞をしているような気分にさせていきます。
説明が書かれていない展覧会の場合
飾られている絵を
どういう視点で観るかは観客次第ですよね!
↑壁の穴から兵士をのぞくアナ。
けれど、彼女が何を思っているのは
一切説明がありません。
↑それはまるで
絵画の中の人が何を思っていたのか分らない
というのと同じ感覚です。
この映画の1シーン1シーンは
まるで絵画のように、観る人の視点で
自由な感想を持つことができるのです!
↑このシーンはどう見る?
質感?バランス?距離感?白の効果?心象風景?
だから、この映画の感想や解説は多種多様!
プロの映画解説者から一般の方まで
あらゆる視点で、あらゆる感想が
今でも語られ続けているのです
↑このシーンだけでも
色んな感想が出てきそうですね。
こんな絵画鑑賞的に見て
自由に感想を言い合える映画は
ほとんど存在しません。
もちろん絵画と同様に
興味がなくてつまんなかった!
という感想だってあり。
観客の視点で観る事が許される
極めて自由で
それでいて、様々なメッセージも読み解ける本作は
映画界の至宝の一つではないかと思います。
↑もちろん
女の子がカワイイという感想でもOK!
それが絵画鑑賞の良いところです。
という訳で、私の感想も少しだけ…
私が、どうしてこの映画を
絵画鑑賞だと思ったかというと
オープニングが
子供の絵だったから!
↑養蜂家のお父さんの絵
自由な発想で描かれた子供の絵は
大人では絶対に描けない芸術。
これらの絵に対して
どんな感想を持つのかは私の自由です!
だからこそこの映画も
きっと自由に鑑賞してもらい
一人ひとりの感想を持ってよいのではないか?
と考えました。
↑ミツバチのささやきのオープニング。
みなさんはこの映画に
どんな感想ょ持ちますか?
そんな感想を話し合える映画って
一生楽しめる映画のような気がするのです
という訳で次回は
心の奥底をえぐる芸術
というテーマで
ビリディアナ
という映画を解説してみたいと思います。
ではまた(*゜▽゜ノノ゛☆
↑この映画が絵画的だと思うもう一つの理由は
登場人物の名前。
アナ役はアナ・トレント。
イザベル役はイザベル・テリェリア。
まるで絵のモデルのように
アナとイザベルは
ヴィクトル・エリセ監督のキャンバス上に
描かれたのではないでしょうか?
↑まるでルイス・キャロルによって
アリス・リデルが不思議の国のアリスのキャラと
なったように…
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