こんばんは
ご覧頂きありがとうございます
\(^▽^)/
本日も
想像力と
ヒスパニック見聞録
というテーマで
宮廷画家ゴヤは見た
という映画を
ご紹介させて頂ければと思います。
以前メキシコの画家
フリーダ・カーロについて
ご説明させて頂きましたが
彼女の絵は
美しい絵というより
魂に訴えかけてくる絵
でした。
↑痛みと苦しみを描くフリーダ・カーロ!
けれど
魂に訴えかけてくる絵
というのは
ヒスパニック系画家の特質なのです!
本日の映画に登場する
フランシスコ・デ・ゴヤも
魂に訴えてくるような絵を描いたスペインの画家です。
↑フランシスコ・デ・ゴヤ自画像
彼の作品は…
こんな感じです!!
(((( ;°Д°))))
なにこれ?
ホラー好きの3流画家?
いいえ。
彼はスペイン王宮に仕えた
宮廷画家でした!
↑ちゃんとスペイン王家の肖像画なども
描いています。
…けれど
彼は描かざるをえなかったです!
本日の宮廷画家ゴヤは見たは、
タイトル通り
ゴヤ自身が見た
スペインの悲劇を描いたもの
彼の生きた時代のスペインは
教会が権威強化の目的のために
中世に廃止したはずの異端審問を復活させたり
フランス革命の影響で王政が崩壊し
ナポレオン支配下に置かれたりしていた時代。
スペイン人の治世下でも
フランス人の支配下でも
目を覆うような日々が続いていたのです!
↑ゴヤが生きていたのは
目の前で虐殺が日常的に行われていた時代
本作は
ゴヤの絵をモチーフに作られた映画。
一枚がこちら。
そして、もう一枚がこちらです。
映画の冒頭
権威の低下に危惧を抱いた教会は
キリスト教を信じない人々を異端として罰することで
教会の権威を取り戻そうとします。
指揮を執ったのはロレンソ神父
↑ロレンソ神父は
ノーカントリーの殺し屋アントン目シガーを演じた
ハビエル・バルデム!
彼は異端審問官たちに命じます。
ちょっとでも怪しいと思った人間は
異端として捕えて尋問しろ!
ですので審問官たちは
予断と偏見で
こいつは異端だ!
と思った人たちを捕えていきます。
そんな
思いつき逮捕の被害にあったのが
裕福な家の娘イネス。
↑一枚目の絵のモデルのイネスは
ゴヤに肖像画を描いてもらっていました。
彼女が捕えられた理由は
レストランで豚肉を食べなかったから!
理由は
単に彼女が豚肉ギライだからなのですが
異端審問官たちは
豚肉を食べない=イスラム教徒
という短絡的思考で彼女を尋問するのです。
尋問といっても、その実態は拷問!!
↑キャー、助けて!!!!
娘が審問所から帰ってこない事を心配した
イネスの父親は
ロレンソ神父の肖像画を描いていたゴヤに頼み
彼と面会する機会を作ってもらいます。
けれどロレンソ神父は
娘さんは尋問でユダヤ教徒だと告白した。
と、シレッと言うのです。
か弱い女の子を拷問して
無理矢理罪を自白させるってアリなのか!
怒ったイネスの父親は
ロレンソ神父を拉致して、審問(拷問)し
無理矢理、罪を自白させます!
↑ギャーーーー!!!
信仰があれば尋問に耐えられるはず
と言っていたロレンソは
あっさり架空の罪を認めてしまいます!
では、これで
尋問の無効を証明できたから
イネスは無罪放免?
いいえ。
そうもいかなかったのです!
イネスを無罪にすれば
異端審問で間違いがあった事を認めれば
教会の権威は失墜してしまいます!
だからイネスは
結局、釈放されないです!
↑助けてください!私は無実です!!
… … …
これは、ひどいですね!!
ちなみに、ここまでが映画の前半。
ここから先は
もっと理不尽で残酷な悲劇が
イネスとスペインに待ち受けているのです。
一体、とんな悲劇?
それは是非、皆さん自身で
ご覧になって頂ければと思います。
↑やがて滑稽な格好をして
自らが異端審問されることになるロレンソ!
先ほどの絵と同じシーンです。
この映画でゴヤは
歴史の傍観者として描かれます。
彼自身は目の前で行われた
欺瞞、偽善、裏切り、暴力、
そして無慈悲な虐殺に対して全く無力です。
↑映画のラストで一人寂しく取り残されるゴヤ。
彼は悪い事もしませんが
正義を貫くこともできません。
けれど、だからこそ
描き残しておきたい!
と考えたのではないでしょうか?
他の民族より
人を殺す事に対しての
禁忌の概念が薄いヒスパニックの人々は
動乱の時代を迎えると
悲劇的な被害者をたくさん生み出す可能性があり
内乱も度々起こっています。
↑この傾向は近代になっても続き
スペイン内戦では
国内の戦いにも関わらずドイツ軍の協力もと
ゲルニカを爆撃したりしています。
ゴヤがむごたらしい絵を描いた理由。
それは、ピカソのゲルニカと同様
これが人間の残酷さなのだ!
という普遍的なテーマを
次世代に残しておきたかったからだと思います…
ヒスパニックの激しい気性は
戦いが終った後も語り継がれていく悲劇を
たくさん生み出しているのです。
↑ピカソのスペインの画家。
フリーダ、ゴヤ、ピカソ。
彼らの描こうとしていたのは
魂に訴えかけてくる絵
なのです。
という訳で次回は
スペイン内戦
残酷物語
というテーマで
パンズ・ラビリンス
という映画を解説してみたいと思います。
ではまた(*゜▽゜ノノ゛☆
↑最後にゴヤの絵をもう二枚。
このシーンも映画で描かれています。
スペインで起こった惨禍は
ゴヤの功績によって
人々の忘れえぬ記憶となっていったのです。
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