こんばんは
ご覧頂きありがとうございます
\(^▽^)/
本日も
想像力と
ヒスパニック見聞録
というテーマで
ブランカニエベス
という映画をご紹介させて頂ければと思います。
前回、前々回は
メキシコの麻薬カルテルを題材にした
二つの映画をご紹介しましたが
これらの映画で恐ろしいのは
人を殺傷することに対して
無頓着な人々
の存在です。
↑何の躊躇もなく人を殺すだけでなく
死体と一緒に暮らしている
死に対して無頓着なヒスパニックの人々。
人を殺すというのは尋常ではない行為。
だからこそ、殺人に至る葛藤や
人を殺してしまった事への後悔などは
深刻なテーマとして
映画で扱われる事が多いのですが…
↑「大切な人の死」は
仲間との関係さえ破壊してしまう深刻なものです。
(「シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ」より)
ヒスパニック系の作品の場合
殺人は意外とアッサリ扱われる事が多いのです。
本日のブランカニエベスは
スペイン映画。
モノクロでセリフが一切ない
無声映画時代を意識した作品で
思わず画面に見入ってしまうよう映像美を
堪能できる作品です
\(^▽^)/
↑超美麗な映像です!
映画の内容は
白雪姫をベースにした物語。
といっても、この映画の白雪姫は
お姫様ではないのです!
主人公はマタドールの娘。
↑マタドールとは闘牛士の事です。
彼女は数奇な運命に翻弄されて
悲劇の人生を送るのです!
↑闘牛士の娘が
ブランカニエベス(白雪姫)なのです。
父親は妻を深く愛するマタドール。
けれどある日、アクシデントに巻き込まれ
妊娠している妻の目の前で
猛牛に大怪我を負わされてしまうのです!
目の前で悲劇を見た妻は
ショックで破水し
女の子を産んだ後に死亡してしまうのです…
怪我によって
手も足も動かなくなったマタドールは
妻の死を知り
ショックで何も出来なくなってしまいます。
けれど
そんな失意のマタドールの資産を狙う
悪い看護婦がいたのです!
↑あら…
この状況って、私にとってチャンスだわ!
彼女は甲斐甲斐しくマタドールを世話し
彼の後妻に収まってしまうのです!
↑これからは私が
彼の世話をみることにしますわ
えっ?
じゃあ生まれた子供は??
( ̄□ ̄;)
はい。
ここがヒスパニック映画の
スゴイところ!
マタドールは妻の死を悲しむあまり
彼女の子供の事については
関心を失ってしまっていたのです!
↑生まれた子より
愛していた妻が死んだ事が
ショックだったのです!
日本人的に考えれば
妻の死を悲しむ
↓
遺された子供に愛情を注ぐ
というのが常識的な展開ですね!
けれどヒスパニック映画の場合
妻の愛を失った事を悲しむ
↓
他の事なんてどうしでもいい!
という展開がとても多いのです。
死より愛を重視する生き方!
これが
ヒスパニック映画全体に流れている
人生哲学だと思います。
父親に見捨てられた女の子は
祖母に育てられ
女の子に母親の職業だった踊りを教えますが
ある日祖母も急死ししてしまいます。
↑フラメンコもまた
ヒスパニックの魂に通じる情熱の踊りです!
身寄りのない女の子は
父親の家に引き取られるのですが
彼女と父親を引き合わせたくない元看護婦の妻は
父親のいる二階には行かせず
召使のような扱いをするのです!
↑あんたは、この家にいられるだけでも
有難いと思いなさいよ!
父親の顔を
写真でしか見たことがない女の子は
父に会いたいと望むのですが
父親は車椅子さえ動かせず
娘が家にやって来たことさえ知らないのです!
さて、女の子は果たして
父親と再会できるのでしょうか?
そしてこの映画は
一体どんな方向へと向かうのでしょうか?
それは是非、皆さん自身で
ご覧になって頂ければと思います。
↑闘牛士の父も知らず
踊り子の母も知らない女の子ですが
数奇な運命によって
白雪姫となっていくのです!
ん?
でも、ここまでの説明だと
ちゃんと妻の死を悲しんでいますよね!
えっと…
正確には、妻の死を悲しんでいるのではなく
妻との愛を失った事を悲しんでいるのです。
私たち日本人は
死と愛は不可分だと思っていますよね!
けれど、どうもヒスパニックの人たちは
愛が最重要な感情であり
死は、そんなに重要な事ではないようなのです。
この作品では
妻や祖母に始まり
数多くの死が映画を覆います!
↑死を招くのは主に元看護婦の妻です。
けれど、個々の死については
意外とサラッと描かれるだけなのです。
↑後に、死んだ(殺された)父親は
知り合いの人たちと記念写真を撮っていますが
彼らは父親の死をあまり悲しみません。
伝説のマタドールと
記念写真を残しておこう!
という感じなのです。
けれど白雪姫を襲う悲劇に関しては
とても印象的に描くのです!
↑もちろん毒リンゴも登場します!
これでもか!
という位、悲惨な人生を送る白雪姫は
ラストで一粒の涙を流します。
↑終盤では、父親の魂を受け継ぎ
マタドールとなる白雪姫!
けれど、そんな彼女にも
悲劇は忍び寄っていたのです!
その涙はきっと
白雪姫がほとんど会う事ができなかった
父と母への愛
そして、そんな愛を感じた時
ヒスパニックの方々もまた涙するのだと思います。
死は大きな問題ではなく
愛こそが人生で最も大切なもの。
そんなヒスパニックな魂が理解できると
スペインやメキシコの映画が
グッと魅力的に感じられると思います
(*´∇`*)
という訳で次回は
死よりも愛のカンケイ
というテーマを
もう少し掘り下げてみたいと思い
王女ファナ
という映画を解説してみたいと思います。
ではまた(*゜▽゜ノノ゛☆
↑死ぬことの哀しさより
愛を失うことの哀しみを重視するヒスパニック映画は
悲劇的な死が多く登場しますが
その理由は
死はきっと彼らにとって
最重要の悲劇ではないからなのです。
ブランカニエベス [DVD] 4,104円 Amazon |