本日は

「下妻物語」




という映画を通して

想像力と
人と人との関係性

というテーマについて

考えてみたいと思います。




本当は

「渇き。」

という映画について

考えてみたいと思ったのですが

この映画を作られた

中島哲也監督は


人と人とは
分かり合うのは難しい


というテーマを

描き続けてきた監督。






だからこそ

以前の作品を紐解きながら

少しずつ

「渇き。」

を観る準備をしていく

という方法も面白いのではないか

と思うのです。






という訳で

最初の作品は

人気の大ヒット映画である

「下妻物語」
における人間関係

について考えてみたいと思います。





主人公は

竜ヶ崎桃子




ロリータ・ファッションに身を包んだ

女子高生です(^^)






彼女は

人生に対して

期待も希望も
持っていない女の子

です。





彼女は

父親からも母親からも

愛されずに育ちます。





父親と母親は

なんとなくの出会いで結婚し

子供を生んでからも

自分たちの好きなように生きています。






ニセ・ブランド作りに精を出し

訴えられそうになって

慌てて実家のある茨城県下妻市に

逃げてきた父親。

↑娘のことを思っているようには…
見えませんね(>_<)






そんな父親を

早い時期から見限り

桃子を生んだ病院の

産婦人科医と駆け落ちした母親。


↑娘が生まれる前から
すでに娘を裏切っていたお母さん(>_<)







どちらも身勝手で

子供のことを

本気で愛しているようには

見えません。







そしてこれが

中島哲也監督の作品の特徴

の一つである


親と上手く
繋がっていない家族


です。



「嫌われ松子の一生」

でも

「告白」

でも

「渇き。」

でも

登場する少年少女は

親と上手く
繋がれていないのです


(ノ_-。)






だから桃子は悟ります

誰にも愛されない
生き方

をすれば

誰からも
傷つけられない

ということを!


↑小学生にして
傷つかない極意を悟る桃子!





達観していますね~




そう。




彼女が選んだ生き方は

他者を
自分の人生に
入れない

そして

他者の人生に
介入しない




という

孤独主義





ロリータファッションの源流である

ロココ時代

を偏愛するのも

自己愛1000%の
ファッション


だから!


↑映画にも登場する
ロココ時代の代表である
フラナゴールの「ぶらんこ」。

…芸術的な絵とは思えません(>_<)





自分だけを愛し

自分の好きなことだけを行い

自分の好きなものに囲まれて

いつか一人で死んでいく


私はそれでOK!







…はい(^^)


ここまでスッキリした考え方なら

誰とも関係しなくても
生きていけそうです

(*´∇`*)






けれど

そんな彼女の前に、突如

彼女と関係を持ちたがる

イチコ

が乱入してくるのです。


↑一見、桃子と共通点のなさそうな
イチコですが…





上から下まで

喧嘩上等なヤンキー

のイチコですが

実は彼女は

根っからのヤンキーでは
ありません






彼女が

ヤンキーになった理由は

一人で生きるのが
寂しかったから

です。


↑孤独だったイチコに
手を差し伸べてくれた亜樹美さん(^^)






イチコは

憧れの亜樹美と一緒に

ヤンキーとして活動することで

仲間を得ましたが

ヤンキーになる前は

一人で寂しく
生きていた

のです。






だからこそ

一人で生きることに

何の悩みも
感じていない桃子



スゴイやつだ

とリスペクトして

近づいて来るのです。





けれど

桃子にとってはイチコは

全く不要な存在

です


↑私、人間関係はいらないんですけど…






さて

そんな

人間関係を
一切必要としない桃子


一人で生きていける強さに
憧れるイチコ


果たして友達になれるのでしょうか?






それは是非、皆さん自身の目で

ご覧になって頂ければと思います。






ストーリーの鍵となるのは

桃子の考え方





一人で生きていける

けれど

友達がいても
良いかも…

という心境の変化のキッカケ

となったのは

誰かの役に立つことを
したい!

という

他者と関わることの
意味や価値
を自覚し

だったのです(^^)


↑元から好きだった刺繍が
他者との関係性に価値を見出せる
きっかけとなります(^^)

何かを頑張ることは
自分自身の人生を救うことに
なるのですね。






という訳で次回は



先ほどご説明させて頂いた

人と人が分かり合うのは
なかなか難しいんだよ


という

中島哲也監督の思想

が伝わってくる長編デビュー作

夏時間の大人たち
HAPPY-GO-LUCKY

という作品について

考えてみたいと思います。





ではまた(*^ー^)ノ


↑死んでもいいか…
という心境の絶望少女は
人と繋がることで
彼女の為になら頑張りたい
という存在に変わっていくのです(^^)

人間関係は
生きるための糧なんですね
ヽ(=´▽`=)ノ




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