本日は

昨日に引き続き

「ファンタズム」



という映画を通して

想像力と
シュルレアリズム

というテーマで考えてみたいと思います。





シュルレアリズム


極めて私的な
心の中の内面を描いた

もの。




だからこそ

意味不明

だったり

説明不可能

だったりするのです。





絵に例えるなら


ルネ・マグリット





オディロン・ルドン





などの絵は

正しい鑑賞法
を学ぶ

というより

作者の心の原風景を
直感的に感じ取る

という方が

自然な感じがします。






どの絵も

理由などは必要なく

一度観たら
忘れられない

インパクトがありますね






「ファンタズム」


そんな

直感的に観て
一生記憶に残ってしまう

タイプの映画。






特に

子供時代に観ると
トラウマになってしまう

カルトなテイスト

映画です。






ストーリーは…

ちょっと変なのです。







どう変なのかというと

話のつじつまが
合っていない


のです。






???






どういう意味?





普通、お話というのは


Aというコトが起こり

その結果Bになる


というように

整合性が大切

になってきます。






けれど、この映画

そうではないのです。





映画の冒頭わずか1分で

男性がナイフで刺し殺されます。




何か事件の
始まりですね!



と思っていると…





次のシーンでは

死んだ彼のお葬式。




友達が

「彼は自殺だった」

と言うのです。




えっ!?


Σ(゚д゚;)





さっきナイフで

刺し殺されたのに!?




( ̄_ ̄ i)

あれ。見間違いだったかな…




ここで

観ている側は

なんだか不安になってきます。





そして

この映画の舞台である

モーニングサイド墓地。



埋葬される彼の葬儀を

見に来ていた少年マイクは

何か気配を感じます。


↑主人公のマイク。





墓地の墓石の横を

サッと駆け抜ける何かの影!






一体何?



分かりません!




何かがサッと動くけれど

正体は分らないのです!



( ̄Д ̄;;





また

観ている方は不安になります。






葬儀の後マイクは

奇妙な光景を目にします。





ものすごく背が高い老人が

死体の入ったお棺を

一人で軽々と持ち上げて

霊柩車に乗せたのです!


↑重いお棺を一人で軽々と!





死体 + お棺

ですから

重さは
100kg以上!




ビックリ!




(〃゚д゚;A

いよいよ何かが
始まるんですね!!






…と、ここで場面は

また変わってしまいます。




えええっ


何なの一体!?



はい(^^)



お分かりでしょうか?




この映画は

論理性も整合性もなく

何か良く分からない
不安なもの

が映画全体を

覆い尽くしているのです。





夜、寝ていた時に

突如、老人に襲われるマイク!




自宅で寝ていたはずなのに

気がつけばベッドごと

墓地に移動してしまっています!

↑気がつけばベッドごと墓場に!!


ギャアアアア!!



と、次の場面では

マイクは普通に街を歩いています。


↑墓場の次のシーンがコチラ!




えっ!?


さっきのは!?



(((( ;°Д°))))






霊安室に忍び込むマイク


↑夜中に一人で
墓地の霊安室に忍び込むマイク。





すると前方から銀のタマが

猛スピードで飛んで来ます。


↑あまりにも有名な「謎の玉」

通称はシルバー・スフィアです(^^)






銀の玉は

ほぼ直角に廊下を曲がり

まっすぐにマイクに

飛んできます。




なんで!?



説明はありません。




ああああ




なんだか
分んないけれど

とっても気持ち悪い!




けれど実は

この不安感

こそが

この映画の魅力なのです

\(^▽^)/




怖いものの正体が

分かってしまえば

怖さの原因は特定されますよね




幽霊だ!怪物だ!

妖怪の仕業だ(笑)!









けれど

最後まで
何がなんだか分からない

というのであれば

頭の中の「?」は

永遠に続いていく

のです。






だからこそ

子供時代にこの映画を観てしまうと

なんだか分からないけど
怖いものを観た!

というトラウマが残り

夜一人でトイレに行けなくなってしまうのです。





なんだか分からないものは

説明しようがない。




これこそが


恐怖の本質

であるとするなら


「ファンタズム」

という映画の

説明不可能な
不安感


最強のホラー

なのかもしれません?






ですから

説明しようがない

のが

この映画なのです。






この作品は是非、皆さん自身の目で

ご覧になって頂き

それぞれの解釈で味わって

頂ければと思います。






何度観ても不安感の残る

シュルレアリズム的な

視覚体験ができる映画


それが

「ファンタズム」

なのです。




↑深夜の霊安室へようこそ…




ではまた(*^ー^)ノ