本日は

「スリ」



という映画を通して

想像力と“侠の恋”

というテーマで考えてみたいと思います。





前回の

「ザ・ミッション 非情の掟」

では、

普段あまり喋らない

“侠”な生き方の美学

について考えてみましたが、

実はこの映画の中には

侠について
語られていないこと


があります。






それは…

侠の恋

について!






侠な生き方をする人だって

人間ですから

恋することだって

当然あります!






という訳で


ほとんど喋らない

な生き方をしている人は

どんな恋心を抱くのか


を描いた作品が

同じくジョニー・トー監督作の

「スリ」

なのです。






主人公は

スリの4人組。






街で人とぶつかった瞬間に

お財布からお金を抜き取っていく

プロ集団です。


↑前の二人がスリ!

後ろの外人のお財布は、
彼らに盗まれました!






といっても、

マフィアの構成員などではなく

ごく普通の生活を送っている

男たちです。






けれど彼らは、

一人の女の子に

全員が魅了されてしまうのです…。






この映画も

ザ・ミッションと同様

セリフがほとんど無い作品。






だから男たちの心の中は、

推測するしかありません。






ですので

映画の展開を観ながら

4人の侠な男たちの

恋心

をのぞいて見ることにしましょう


:*:・( ̄∀ ̄)・:*:






侠の恋 その1

恋心は、心の中にしまっておく



4人の男たちは、

それそれ別のシチュエーションで

同じ女性に出会います。






街で写真を撮っていた時に

ふとフレームの中に入ってきた美女




写真を撮っていたら…



こんな美女が、
ジッと自分を見つめていた…

( ̄∇ ̄+)





ギャンブルをしている時に

隣に座ってきて妖艶に微笑んできた美女

隣にこんな美女が座って
目が合っちゃった…

( ̄∇ ̄+)







エレベーターの中で

後ろから微笑みかけられ、

電話して、と声をかけてきた美女

エレベーターの後ろで
微笑みかけてきてくれた…

( ̄∇ ̄+)







車が故障していた彼女を

バイクの後ろに乗せたら、

体をピッタリ密着させてきた美女

美女がバイクの後ろで
カラダを密着させてきた

( ̄∇ ̄+)






…どれも、男にとっては



 ( ̄∇ ̄+) 
エヘヘヘヘ




嬉しいシチュエーションですね

(^^)






という訳で、

彼らは別々に、

彼女に恋してしまうのです。






と言っても、

彼らは積極的に彼女に

モーションはかけません。






彼らの心の中で
いいな
と思っても、

それはあくまで
心の中だけのこと!






恋したとしても口に出さない

言わぬ恋


侠の恋

なのです。







侠の恋 その2

たとえ騙されても、恋した心は失わない



けれど

4人の前に同じ美女が

突然現れるって

ちょっとあり得ない

シチュエーションですよね…






はい(^^)






彼女は訳あって

彼らに近づいて来たのです!






彼女の

ミステリアスな行動の意味

が分るまでが

この映画の前半!






ほんどんセリフがないので、

展開を理解するまでには、

ちょっと混乱するかもしれません。






けれど

彼女が彼らに近づいた理由が、

自分に恋したわけじゃない!

というコトが分ったとしても…






彼らは

本気で彼女を憎めないのです…






たとえ騙されたとしても

恋した気持ち

は本物!






だからこそ、

騙されたとしても


恨まない!

憎まない!






それが

侠の恋

なのです。







侠の恋 その3

惚れた女のためなら命を懸ける






そして、

映画の中盤から終盤までは

彼女のために命懸けで

ターゲットから

彼女に必要なものを盗み出す

という

スリ・バトル

へと話は展開するのです。






もう一度書くと

彼女は
彼らに
恋していません!






けれど彼らは


彼女の幸せのために戦う

ことにするのです!







どうして?






だって
彼女じゃないんでしょ?






彼女であるかどうかは

関係ないのです!






彼女を恋したのは自分。






だから


自分として

できることをしてあげるのが

俺の愛






ただ、
それだけのこと


なのです。










カッコいい
ですね~


o(^▽^)o


↑容姿も、仕事もイマイチですが、
侠な心の男たち
なのです(^^)






さて、

彼女は一体何者なのでしょう?






そして彼女のお願いを、

スリたちは叶えてあられるのでしょうか?






それは是非、皆さん自身で

ご覧になって頂ければと思います。






この映画の原題は

「文雀」






日本で言う

文鳥

のことです。






文鳥は、

籠の中で飼われている

美しい小鳥。






映画の冒頭

スリのボスの家の中に

文鳥が一羽、飛び込んできます!






もちろんこれは、

映画の内容を暗示するもの。






籠の中で飼われている

美しい小鳥が

自分に助けを求めて飛び込んできた…






はい(^^)






冒頭5分で、

映画の内容を

オシャレに説明している

粋な演出なのです!






さて、

迷い込んだ文鳥

の運命は?






そして最後に

もう一つだけ…




侠の恋 その4

侠は誰もいないところで泣く!



これについては

是非、

映画を観てご確認いただければと思います

(*´∇`*)






皆さんの近くにも

ひょっとしたら

言わぬ恋に
命を懸けてくれる
すてきな人



いらっしゃるかもしれないでね


ヽ(=´▽`=)ノ


↑英語タイトルは
sparrow(雀)だけど、
これはまちがい。

美しい文鳥のような女の子
を守ってあげようとする
男たちのお話なのです(^^)






ではまた(*^ー^)ノ




文雀(Padda oryzivora)



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