本日は前回に引き続き
「恋愛睡眠のすすめ」
という映画を通して
「想像力と痛んだ心」
というテーマで考えてみたいと思います。
心象風景とは
心の中にある風景
のこと。
だから観る前に
「こんな気持ちの心象風景なんだ」
を理解すれば
「難解だ!」
と言われることも
少なくなると思います(^^)
たとえば
ピカソのゲルニカは、
祖国スペインの都市ゲルニカが
無差別に爆撃されたことに対する
ピカソの心の中の
怒り、哀しみ、苦しさが描かれたもの。
だから、観る前に
「祖国を無差別爆撃されたことの
心象風景なんだ」
心象風景なんだ」
と意識してもらえれば、
「難解だ!」
と言われることも
少なくなると思うのです。
前回の
「ムード・インディゴ」
を監督されたのは
ミシェル・ゴンドリー。
彼にはもう一作
「恋愛睡眠のすすめ」
という
心象風景映画があるのですが、
実はこの映画は
「こんな気持ちの心象風景なんだ」
を理解して観ないと
なんだか良く分らない作品。
ネットの映画評でも
「意味がわからない!」
というものが多いようなので、
少しだけ解説させて頂ければと思います(^^)
この映画の主人公は
かなり内気で、
空想癖のある青年。
空想癖のある青年。
彼はパリに引っ越してきて
デザイン会社に勤めるのですが…
彼は…
なんだかダメなんです。。
会話もたどだとしく、
人とも上手く喋れず、
単純な仕事もちゃんとできず、
彼の絵を見せてもらうと…
だからきっと
映画を観ている観客は
「こいつダメ男じゃん!」
と感じ、
主人公に共感できないと思います。
そんな彼は隣に住む女の子に
恋をします。
↑雰囲気がやさしい女の子のステファニー。
彼の名前はステファン。
なんか運命を感じますね(^^)
彼の名前はステファン。
なんか運命を感じますね(^^)
彼女はクリエイター系の女の子。
想像力の豊かな彼とは
相性ピッタリ?
↑彼の脳内では相性ピッタリ!!
いえ。
そうでもないのです。
彼女は「創造的」なのですが、
彼は「妄想系」。
↑これも彼の妄想!
ステファンTVでは彼女とラブラブです(^^)
ステファンTVでは彼女とラブラブです(^^)
ちがいますね…
だから彼女とも、
全然上手く行かないのです!
…ではここで。
彼は何者かを考えて見ましょう。
あまりにも普通ではない彼…
彼は恐らく
統合失調症です。
統合失調症です。
統合失調症とは、
内因性による精神病で
幻覚、妄想、意欲低下、自閉
などを伴うもの。
などを伴うもの。
正に彼の行動と
ピッタリなのです!
けれど、
そんな彼の心の中は、
そんな彼の心の中は、
普通は見ることができません。
だから…
はい(^^)
この映画で
描きたかったものが
見えてきましたね!
これは
統合失調症の人の
心象風景
心象風景
を描いたものだったのです!
これを理解して頂ければ
彼の行動が変なことや、
夢と現実がゴッチャになった映像も
納得できると思います。
心が痛んでしまった人の
心象風景を見ることができる。
そして見えたからこそ、
理解してあげられる…
そう考えると
とても優しい視点の映画
なのだということが
分って頂けると思います。
ちなみに
統合失調症の人の内面を
一切描かない映画というのも
存在します。
一切描かない映画というのも
存在します。
という訳で、次回は
病んだ心を描かない映画というテーマで
「タクシー・ドライバー」
について考えてみたいと思います。
ではまた(*^ー^)ノ