家族の誕生日、バレンタイン、ひなまつり、端午の節句、ハロウィン、クリスマス…

ある時、イベントごとに必ず手づくりケーキを用意するという「自分ルール」を捨ててから、ケーキをつくる機会は激減した。


ここ数年「手放す」ことを意識し続けて、この「自分ルール」も数々の手放したコトのひとつ。



何かを手放す時の基準は単純で、自分がそれに関わることで「居心地が悪い」と感じた時。
そこに理由は必要ないし、手放した後の心配はしないようにしている。
手づくりケーキのこだわりを捨てたのも、それをする事で夕飯時が慌ただしくなったり、少なからずイライラしている自分がいたからだった。



けれど今日久しぶりに長男の誕生日ケーキを作った。

「うわぁ。美味しそうな匂いがする〜」って寄ってきた長女は、ケーキのデコレーションを手伝ってくれて、お互いにアイディアを出しながら試行錯誤。
途中、それを見かけた次男も一緒にお手伝い。


こうしてコソコソ準備している様子を、きっと別室で感じながら、最後まで気づかないフリをする長男。心の内はいかに…?(笑)

普段どおりの夕飯と、溢れるほどの気持ちが込もったケーキを用意して、家族でハッピーバースデーの歌を歌う。
みんなで「おめでとう!」を言って、祝う。


これ以上の幸せが、どこにあるだろう…





甘さが控え目で、中はしっとりふわっふわ。

お店のケーキのように美しくはないけれど、世界中でたったひとつ。

子ども達はただひたすらに、母の手づくりケーキを喜んでくれる。




一度「こだわり」を手放したからこそ気づけた、私が生きていくうえで本当に大切にしたい、幸せや喜びのひとつだと思った。


これは、誰と比べるものでも
誰かに共感してもらうものでもない。
まして、
誰かから評価されるものであってはならない。



今日の私にとって自分史上最高の幸せは、
「家族の誕生日を笑顔で祝えること」。
「明日も明後日も、家族の笑顔が続くこと」。



本当に大切にしたいものは、
きっとこうして淘汰されていく。