学者的な音楽 〜生安冨先生に出会うの巻〜 【後編】 | Grow is here

学者的な音楽 〜生安冨先生に出会うの巻〜 【後編】

さて、後編です。

やはり東大教授というだけあって、なんかすごい講義を受けてる感覚。
特に2部のテーマであったラヴェルのラ・ヴァルスの時なんかは、
時代背景とその時に作られた曲の関係性、それをどう読み解くかという視点で話が展開され、
歴史の勉強をしている気分にもなり、
心なしか頭が良くなったような錯覚に陥ったほどでした。笑

ちなみにクラッシック畑でもなんでもない私。
幼少の頃ピアノを習ってたから(といってもブルグミュラーを終えてピアノからは手を引いたという腕前のなさ)
少しは知ってる、くらいで、この人のこと知りませんでした。
ラヴェルさん。
{BA5FB378-1DCA-43A5-90D4-E2CB01FFFEF0}

ラヴェルがラ・ヴァルスを作っていた時期というのは、
第一次世界大戦中から戦後のヴェルサイユ条約が締結された頃だそう。
その、終戦からヴェルサイユ条約締結までというのが、
「手足を折られた状態で自由を与えられているという矛盾した」(ダブルバインドというらしい)状態で、
それにより世界は発狂し、まさにこのラ・ヴァルスはその世界の情勢を表現しているのではないか、
というのが安冨さんの解釈。だったはず。多分。笑
私の脳みそが付いていけてないので間違ってたらごめんなさい。

2部では解説の前に、片岡さんがピアノを演奏してくださり、
(終盤では、これでもか!というくらい鍵盤を打ち付けるまさに打楽器奏者スタイル!素晴らしかったです!)
その時初めてラ・ヴァルスを聴いたのですが、
私だったらこの曲でどんな絵が浮かぶだろうかと、目を閉じて想像を膨らまそうとしてたのですが、
「なんとなく」の絵やぼんやりとした印象しかありませんでした。
まぁ、そんなもんやわな。。笑

ちなみにラ・ヴァルスとはフランス語でワルツのことなんですが、
この曲にはワルツのワクワク感みたいなものがほぼ無く、
出だしから超不穏な空気満載、え、これワルツの曲?
和音もよくわからんし難解すぎ!というくらい、
踊るためのものではなさそうな印象を受けました。


この感じ。大学生に戻ったかのようです。
いや、こんな楽しくて素晴らしい講義受けたことないけど。笑
{8B01DDA7-D0AF-4037-A883-37AA6F25E407}

ワルツの代表作ともいえる「美しき青きドナウ」を引き合いに出し、
ラ・ヴァルスはドナウの旋律を解体し再構築しているような、逆回転させているような構成だ、
だから不穏な空気で踊れないような曲調になっている!という解説に、
もうすごすぎて、私、言葉でませんでした。笑
「何故そうなっているのか、何故そう感じるか」を、
徹底的に分析し、それをちゃんと言葉や図で説明されているので、
音楽ってそんな風に解釈できるんか!色んな側面があるなぁ~!と改めて思い知らされたのです。
(そういえばS村河内さんも音楽をグラフで表してたな、、、)

「作り手はそこまでそんな風に考えて作ってないかもしれないけど」と安冨さんは前置きしながらも、
時代背景というのは確実に作る曲に影響を与える!という考えは、まさにその通りだと思いました。
私もパッパラパーながら、私なりに曲を考えて作っている部分は確かにあるので、
偉大な音楽家なら、きっと私が想像もつかないようなレベルのところ、しかもクラッシックなら尚更、
もっと色々考えて、考えられて曲が作られているはずだから。

会の一番最後には安冨さん作詞作曲、アレンジ片岡さんの、
水戸黄門節ボレロ風の曲(タイトルが思い出せずすみません)や「立場」の歌を披露してくださいました。

ご自身の歌を披露中!
{AD103208-14AA-42CB-9D7D-D68BB5039A9B}

まぁ~これもまたかなり斬新で、私が車やったら多分今ごろ車体ボッコボコなほどの衝撃。
私が普段聴いたり歌ったり作ったりするものとはかなりかけ離れているものでした。笑
でも、すごく心に響いたし、やはり人柄というのは勝手に曲に滲み出るのだなと感動しました。
終わってから、「安冨先生はパッションとかで曲を作らないんですか?」と質問したところ、
「あ、僕の作るやつには感情ほとんどないですよ。研究結果みたいなものです」というようなお答えをいただきました。
研究結果の音楽!!!なんじゃそりゃー!!!笑
やはり私とは完全にかけ離れたところで音楽を作ってるんだなぁと、本当に興味深かったです。
私は、この音色はこんな雰囲気がある、だからこの歌詞のイメージとあう、
みたいな風に、理性的な曲の作り方はせず、
パッションとなんとなくの感覚ばっかりで作っているので、
たまには落ち着いて頭働かせながら(いや一応働かせてるけど働かせ方を変えて)
やってみるのもありだということを教わりました。
そういう、音楽の作り方に対する姿勢と、曲を解釈する視点を、
今回この会に参加したことでガツンと脳天に突き刺してもらいました。
その矢を頭にブッ刺したまま、岐阜への帰路に着いたのでした。
頭に矢が刺さってても絶対抜かないでね。

ご興味のある方は今すぐウェブで【IWJ 安冨】と検索!
動画を観れますので、是非ご覧くださいまし。
このときの様子も録画されてまして、まだ配信されてないようですがそのうち配信される模様です。
早くおかわりしたいなぁ~。

生安冨先生と姉とライト直撃!の私
{B8ED015B-8B8E-4A8D-BB49-0CEA1B005CF5}