ワインな日々~ブルゴーニュの魅力~

ワインな日々~ブルゴーニュの魅力~

テロワールにより造り手により 変幻の妙を見せるピノ・ノワールの神秘を探る

このブログは 「ワイン遍歴の終着点はブルゴーニュである」と
密かに確信しつつあるワイン好きのひとりごとである。

高名な評論家が何を言おうが 権威ある本に何と書かれてあろうが
そんなことは知ったことではございません。
信じるのは自分の五感のみ。
これは 長年音楽を聴いてきた経験からの自負である。

売らんがための美辞麗句はどこにでも存在する。
わたしは誰にも媚を売る必要がないから 駄目なものは駄目とはっきり書ける。
ただ 自分の未熟さを反省する謙虚さだけは失いたくない。

読者を増やす努力は一切しない。
ランキングにはまるで無関心。
読者のためのバイヤーズガイドを目指さない。

音楽を語ると敵が増えるが、酒を語ると友が増える。
今日もひとりでブルゴーニュを開栓して ひとりごとを語り始めよう。

2024年8月9日にUTAさんが亡くなりました。

 

3年前に疾患が見つかり、自分の病状をよく理解され、治療を続けてこられましたが、

治療の甲斐なく最期は眠るように亡くなられたとのことです。
 

UTAさんは、わたしのブログ友だちであっただけではなく、

家内の童話教室の師匠で、弟子になって30年にもなります。

今年の3月までは平常通り教室で講義をされていました。

 

大きな文学賞の受賞歴もある小説家であり、さらに大きな文学賞の最終選考まで残ったという

輝かしい経歴の持ち主でした。

UTAさんのブログは料理ブログですが、ただの食いしん坊ではなかったのです。

 

25年ほど前、ミステリー小説を執筆されていた際に相談を受けました。

自分が書いた完全殺人のプロセスが法医学的に解明可能かどうか、という相談でした。

 

わたしは元病理医ではありますが、さすがにその相談には答えようがないので、

大学の後輩の法医学者を紹介し、一緒に食事をして完全犯罪について議論したことがあります。

結局のところ

「有能な法医学者が検死をすれば、UTAさんが考えた殺人のプロセスは暴かれる」

という結論になって、そのアイディアは残念ながら日の目を見ませんでした。

 

その法医学者は、今では超有名大学の教授であり、

日本犯罪学会の重鎮であり、日本の法医学のリーダーになっています。

 

ワインに関してもUTAさんとは数え切れない思い出があります。

ラブワインさん、緑家さん、ooisotaroさん、まさぞうさん、WAKOさんなど、

多くのワインブロガーとオフ会で楽しい時間を過ごしました。

 

また、家内を含む童話教室の弟子たちや、京都の超有名イラストレーターの先生たちと

今ではとても飲めないような貴重なワインをバンバン開けて、色々な話題で盛り上がりました。

 

最期の4か月は病院で過ごされましたが、師匠の好みを知る家内は、

高級ウナギ弁当、高級アジのフライ、高級おかきなどを差し入れに持って行っていました。

 

食いしん坊らしく、その場でアジのフライをパクパクと食べられ、

「あ〜美味し、私ほんまに死ぬんかな〜、また持ってきてな」と言って大笑いされていました。

 

それからわずか1か月、帰らぬ人となってしまいました。

 

UTAさんは、家内とわたしの人生に彩りを与えて下さいました。

家内は一生の友人をUTAさんの教室で得られ、わたしもまた知らない文学の世界を知ることが

できました。

 

今ごろは「あ〜楽しかった」と天国で言っておられることでしょう。

 

心よりご冥福をお祈りいたします。

 

 

 

 

 魚はイサキで、メインは鴨のもも肉をチョイスした。

 

ミネラル研究会と称する、ちょっとマニアックなワイン飲みが集まる飲み会を2年ぶりに開催した。

この会はすでに10年以上続いている。

メンバーは毎度の通り、関東からわざわざやって来るラブワインさんと、

地元の緑家さんとはるいちごさんとわたしの4人である。

 

全員15年以上の経歴があるワインブロガーだが、昔からワインを買い集めている。

個性的な飲み手ばかりなのだが、全員自分が一番常識人だと思っているところが面白い。

 

リースリングのコレクターの緑家さんのおかげで、いつもフランスワインに混じって

超希少なリースリングが存在するところが、このワイン会をミネラル研究会と称する所以でもある。

 

リースリングがなければ、ブルゴーニュのシャルドネやピノ・ノワールがここまで浮き彫りに

なることはない。

これがこの会から得られる貴重な体験であり、凡百のワイン会と一線を画するところだと思う。

 

恥ずかしながら、最近のわたしは美味しいものを食べたらそれだけで満足で、

「お酒は料理を引き立てるもの」という思いが強くなってきていて、

ワインと真っ正面から向き合うことがおろそかになっている。

 

だから、3人の卓越した知識と感性の持ち主と一緒にワインを開けると、

発せられる一言一言にしばしば感心し、新しい世界が見えてくる。

「ああ、自分は何とワインを深めない日々を送っているのだな」と今回も反省させられた。

 

場所はいつもの通り、本町のル・コントワール・ドゥ・グーで、

カウンターで気楽にフレンチを楽しめるというコンセプトの店である。

ワインを遠慮なく持ち込ませて頂けるのが有り難いが、料理も美味しいのは言うまでもない。

料理がいけていなかったら、貴重なワインが台無しだ。

 

料理の洗練度もますます上がってきており、仕事関係の知り合いともこの店をよく訪れている。

在阪5大学(大阪医大・関西医大・阪大・大阪公立大・近大)の現職教授全員を

連れてきたことがあり、関西医大の教授はその後もリピートして下さっている。

 

ワインは右から(ワイン名は緑家さんのブログからコピペ)

2007 Koenigsbacher Idig Riesling trocken Grosses Gewaechs   

 Weingut A.Christmann (Gimmeldingen/Pfalz),A P Nr 5 173 021 033 08

2010 Chevalier-Montrachet Les Demoiselles Grand Cru   シュヴァリエ・モンラッシェ

 Louis Jadot  ルイ・ジャド(ドメーヌ)

2003 La Grande Rue Grand Cru Monopole   ラ・グラン・リュ ヴォーヌ・ロマネ 特級

 Domaine Francois Lamarche  ドメーヌ・フランソワ・ラマルシュ

1993 La Tache Grand Cru Monopole  ラ・ターシュ ヴォーヌ・ロマネ 特級  

 Domaine de la Romanee-Conti(DRC),No 12183   

 

夏にもかかわらず、今回はシャンパーニュはなし。

ラブワインさんがクリスタル2008を候補にされていたそうだが、酸が強過ぎるとの予想で中止。

従って最初の白2本は、緑家さんのクリストマン GG 2007とシュヴァリエ・モンラッシェ2010の

比較になった。

 

緑家さんはワインを語る際、必ず土壌に切り込んでいく。

そこにラブワインさんがテロワールの位置情報と土壌を元にコメントされるのだが、

わたしとはるいちごさんは、ただ呆れて聴き入るばかり。

 

ラブワインさんによれば、シャルドネの飲みごろは、光にかざして色を見て判断するとのこと。

確かにブルゴーニュのシャルドネはピノ・ノワールより弱く、開け頃が難しく、

自分でもしばしば遅明けで後悔することがある。

 

クリストマンは「石灰質泥灰岩や粘土による保水性に富んだ土壌」のワインで、

シュヴァリエは「石とチョーク質の多い、標高の高い急勾配の畑」のワインなのだそうだ。

 

言われてみれば確かにシュヴァリエは風通しが良くて水はけの良い畑らしく、

14年経っても繊細な酸のエッジが立っている。

たおやかな余韻が長いのが心地よい。

開栓時期はラブワインさんの目論見通りだったが、まだ数年は状態の良さが続くと思われた。

 

一方のクリストマンは粘土質らしいまったり感があって、シュヴァリエと比べるとやや糖度が高く、

シャルドネとは質の違う余韻があって、しかも長い。

このワインが極めて貴重なワインであることは納得で、緑家さんのコレクション以外で

飲める機会など滅多にないだろう。

これこそミネラル研究会の真骨頂と言える。

 

一方のピノ・ノワールだが、今年こそはラブワインさんが悩むワインを持参することにした。

これまで何度もブラインドでラブワインさんにテロワールとヴィンテージをピタリと当てられている。

記憶しているだけでも、イヴ・ビゾー2002、アルマン・ルソーのクロ・サン・ジャック2004、

そして一昨年のルーミエのシャンボール・ミュジュニー1級 2006。

 

はるいちごさんがラ・ターシュを開栓することは事前に知っていたので、

ヴォーヌ・ロマネのすぐ隣の畑のラ・グラン・リュを選んだ。

2001、2002、2003のどれにしようか迷ったのだが、一番難しそうな2003とした。

 

ところがこれがやり過ぎで、焼けた年の2003は果実が強すぎて糖度が高く、

テロワールなどまったく分かりもしない。

「ええっ?これがヴォーヌ・ロマネ??」とまで飲み手に言わせるとんでもワイン。

ここまでジャミーだとは思いもしなかった。

 

これではただの最上級のブルゴーニュのピノ・ノワールで、面白くも何ともない。

ブルゴーニュの初心者が飲んだら感動もののワインに違いないが、

飲み手の創造力を塗りつぶす無神経なワインでしかない。

われわれは変人、じゃなくてミネラル愛好家なのである。

 

そして最後に開けたラ・ターシュの香りと、ほどよい果実と余韻に救われたのであった。

ヴィンテージが大きく違うとはいえ、隣の畑でここまで異なることに一堂驚愕した。

やはり最上のワインは飲み手の創造力をかき立て、テロワールに思いを馳せて会話を弾ませ、

幸せな時間を共有することをもたらすのである。

やっぱりラ・ターシュは偉大なのだと改めて思った。

 

これらのワインの現在の市場価格はとんでもないことになっているが、調べる気にもならない。

どれもこれも15年から30年前に購入したもので、当時は驚くほど安かった。

もはやワインの金額などどうでも良いのだ。

 

このメンバーとともに、残る希少なワインを今後も健康である限り開けて語りたい、

と思った貴重な夜であった。

 

はくたか 敦賀駅の新幹線ホームにて 

 

グラン・クラスの室内

 

特急サンダーバード 敦賀駅の在来線ホームにて

 

JR線をほぼ完乗してから20年近くになる。

「ほぼ」と書いたのは、自宅からすぐに乗りに行ける桜島線(USJがある線)の

西九条ー桜島間を最後にするため、わざと乗り残していたからである。

 

東北新幹線も新青森までは2013年に完乗していた。

その後2016年に北海道新幹線が新青森から新函館北斗まで開通したが、

これまで乗る機会がなく、未乗区間になっている。

 

その後今年になって北陸新幹線が金沢から敦賀まで延伸したので、未乗区間がまた増えた。

最後にしようと思っていた西九条ー桜島間は、数年前についでの折りに乗ってしまった。

従って現在の未乗区間は、北海道新幹線の新青森ー新函館北斗間と

北陸新幹線の金沢ー敦賀間となっている。

 

ずるずると馬齢を重ねるうちに、乗らないまま終わりそうなので、

今年中には全線完乗するぞと年賀状で宣言した。

北海道は遠いので、まず北陸新幹線に乗りに行くことにした。

 

金沢ー敦賀間は大阪からなら十分日帰りできる区間である。

しかしどうせなら東京ー敦賀間の北陸新幹線全線区間を乗ってしまおうと思い、

先週末に乗りに出かけた。

 

さすがに新大阪ー東京ー金沢ー敦賀ー新大阪間を日帰りで行くのはしんどすぎる。

東京に前泊し、2024年6月23日に豪勢にもグラン・クラスに乗って同区間を完乗した。

 

しかし同日は梅雨のため北陸地方は大雨で、車窓からは雨の景色しか見えない。

新幹線の窓は小さいので、飛行機に乗っている気分だ。

普段なら車窓を楽しめる湖西線区間も、大雨で琵琶湖がどんよりと曇って霞んで見える。

 

ということで、無事北陸新幹線を完乗したが、天気のせいでただ乗っただけ、という気分で帰宅した。

何とかこの夏には、残る北海道新幹線新青森ー新函館北斗間を乗ってJR全線完乗を達成したい。

だからといって何か良いことがあるわけでも無いのだけれど。

 

 

左 ボーモン・デクレイエール グラン・レゼルヴ NV

購入日    2024年3月

購入先    うきうきワインの玉手箱
インポーター モトックス
購入価格   4,708円

 

右 モエ・シャンドン ブリュット・アンペリアル NV

購入日    2024年5月

購入先    うきうきワインの玉手箱
インポーター MHD モエ・ヘネシー・ディアジオ
購入価格   5,109円

 

15年くらい前には、5000円も出せば一流ドメーヌの村名格のブルゴーニュは余裕で買えた。

10年くらい前にはそれが1.5倍になり、5年前には3倍になり、今では価格を見る気にもならない。

10倍になっているのはざらで、ドメーヌ・イヴ・ビゾーなど100倍以上の価格になっている。

 

なので、一流ドメーヌのブルゴーニュはネットで落ち穂拾いする程度で、

最近はほとんど購入していない。

もっぱら自宅の在庫を開けている毎日である。

 

一方シャンパーニュの値上がりはまだ穏やかで、今でも購入して日常の食卓で気楽に開けている。

とは言っても、5000円以下ではまともなシャンパーニュはまず買えないので、

日本酒よりはだいぶ高くつくため、ある程度贅沢な日常ではある。

 

ドン・ペリニョンなどのブランドものは高騰しているが、RMシャンパーニュなどを物色すれば、

6〜7000円程度で面白いものがある。

ただ多くのRMシャンパーニュは入荷が安定しないので、一期一会になってしまう。

 

今回のお題のシャンパーニュは、生産本数が多いもので、

時期により多少変動するが、円安の現在でも5000円程度で買える。

 

RMシャンパーニュが地ビールなら、これらはキリンビールやアサヒビールみたいなもの。

趣味性には乏しいが、大きく外れることもなさそうだ、と言いたいところだが、

それが全く違うのである。

 

ボーモン・デクレイエールは、5000円で安定して(ここ重要)買える優等生のシャンパーニュで、

デゴルジュマン(澱抜き)後から開栓までの時間の長短にもよると思われるが、

熟成感を感じるボトルに当たることもある。

 

一方の有名なモエ・シャンドンだが、レストランで他に選択肢がないので

いやいやチョイスしたことはあるが、今回初めて購入してみた。

そして開けて直ちに後悔した。

シャバシャバでコクが無く、これなら良くできたクレマンの方が美味しいものがあるのでは。

 

モエを飲むくらいだったら、サッポロの黒ラベルの方を選ぶ。

同じ5000円程度のシャンパーニュで、ここまで差があるとは思わなかった。

後悔したので、この後12種のRMシャンパーニュを1本ずつ購入してしまった。

当たり外れはあるが、1本ずつ開けてみるのは楽しい。

 

シャンパーニュ アレクサンドル プネ プルミエ・クル 

ドメーヌ・ルフレーヴ ピュリニー・モンラッシェ 1er. クラヴァイヨン 2016

ドメーヌ・ミュニュレ・ジブール ヴォーヌ・ロマネ 2010

ピルクロウ カベルネ・ソーヴィニオン 2014

 

10年くらい前から3組の夫婦合計6人で、毎年桜の時期に友人宅または自宅でホームパーティを

開催している。

メンバーは、大学の同期生で阪大名誉教授夫妻、彼の弟子の元教授夫妻

(奥さんは地元有名開業医)とわれわれ夫婦である。

 

ちなみにこのホームパーティがきっかけで、小堀住研が建てたご夫妻のお宅が気に入って、

同じ設計士に現在わたしが住む家の建築を依頼することになった。

 

上記は2024年4月21日、友人宅での今年のホームパーティで開けたワイン。

シャンパーニュとブルゴーニュ2本はわたしが持参したもので、

4本目のピルクロウは名誉教授が自宅のストックから持参されたもの。

 

1本目のシャンパーニュのプネは、最近幸田ワインハウスから購入したもので、

ピノ・ノワール50%、シャルドネ25%、ピノ・ムニエ25%らしい。
色もやや赤みを帯び、ムニエらしい香りがする。
 
2本目のルフレーヴは、ピュリニーの1級畑としてはやや凡庸なクラヴァイヨンだが、
丁度飲み頃になっていて、食中酒としても最適だと思った。
いくらで買ったか調べる気にもならないが、今となってはおそらく5万円以上で、
買いたくても手が出ない価格になってしまっている。
 
3本目のミュニュレ・ジブールのヴォーヌ・ロマネも、かつては自宅で気軽に開けていたワイン。
これまた丁度飲み頃で、料理に合わせるのに適したワインである。
これまたいくらで買ったか調べる気にもならないが、今となってはおそらく5万円程度で、
買いたくても手が出ない価格になってしまっている。

 

4本目のピルクロウは、ナパ・バレーの新しい造り手で、ピルクロウはこの2014が

ファースト・ヴィンテージだそうだ。

今後10年以上長期熟成しそうなカベルネ・ソーヴィニオンで、力強いが上品であり、

肉料理に相応しい。

 

ワインだけ並べてみたらなかなか気の利いたラインナップではないか。

料理やワインも大切だが、例年四方山話に花が咲いて、あっという間に日が暮れてしまう。

 

ワインが主役になるワイン会には最近参加する気にもならなくなっている。

美味しい料理と気の置けない友人たちとの時間がとても楽しい。
 

 

ドメーヌ・ミシェル・ギィヤール ジュブレ・シャンベルタン VV ラ・プラティエール 2009

購入日    2014年5月
開栓日    2024年3月

購入先    ウメムラ・ワインセラー
インポーター オーレ・ジャパン
購入価格   4,060円(税別)

 

またしても「10年前にはこんなワインがこんな値段で手に入った」という話だが、

今でも7000〜9000円くらいで買えるようだ。

 

一口で言えば良い意味で気さくで、繊細ではなく大雑把、何となく土臭くて田舎っぽい。

何本か開けているが今回の印象も数年前と変わらない。

10年経っても落ちている気配がないのは立派である。

 

あくまで印象だが、液体がつるりとしていなくて、僅かにざらざらした感触があるとことろが

面白い。

このワインを今から追加注文するかと言われると、もういいかな、というのが正直のところである。

 

たまにはお高いワインを開けるのも良いが、ワインは日常の食事に合わせるものと思っているので、

今自宅にあるワインを時価で考えると目が眩む。

これからブルゴーニュを勉強しようとすればとんでもなく出費が嵩むので現実的でない。


自宅にはフーリエのグリオット・シャンベルタンや、ルジェのクロ・パラントゥーが

寝ていたりするが、こんなに市場価格が暴騰したワインの記事を書くとイヤミにしかならないので、

ブルゴーニュワインの記事が書けなくなった。

 

和食中心になり、シャンパーニュと日本酒を飲むことが多くなったが、

日々美味いものを食べていて満足度は高い。

 

レストランがリストに載せるワインも、この20年で大きく変化したように思う。

あまり行かなくなったが、個人のワインバーならグラス1000円くらいが妥当なところで、

ソムリエが勧めるワインを2〜3種類開けてみると、なるほどな、と思うことがある。

それでソムリエの個性と能力が分かる。

 

先日新年会で訪れた箕面のイタリアンで飲んだイタリアワインも、

調べるとボトルで2500円程度だったが、店の空気に溶け込んでいて美味しかった。

機会があれば購入して記事にしてみたい。

 

ドメーヌ・ドニ・モルテ ジュブレ・シャンベルタン メ・サンク・テロワール 2004

購入日    2008年2月
開栓日    2024年1月

購入先    ウメムラ・ワインセラー
インポーター ヴァンシュールヴァン・マスモト
購入価格   11,800円(税別)

 

15年以上前に購入したワインである。

評価が高かった2003と2005に挟まれた2004年は、線の細いヴィンテージとの評価が

なされていたが、15年も経過すると気にもならない。

 

20年経過した今も枯れることなく、引き締まったタンニンとバランスのよい果実がある。

まさに本格的なジュブレ・シャンベルタンである。

15年前には日常的にこんなワインが飲めたなあと懐かしく思ったが、価格は当時でも12,000円した。

やっぱりドニ・モルテは名実ともにジュブレ・シャンベルタンのトップレベルの造り手である。
 

このワインは、2006年に畑で拳銃自殺したらしいドニ・モルテの晩年のヴィンテージで、

ジュブレ・シャンベルタンの5つの村名畑のブドウを混醸したワインのようだ。

息子に引き継がれた現在も、まだこの名前のワインは造られている。

 

調べてみたら今でも17,000円くらいで買えるようだ。

15年で暴騰したフーリエと比べると、納得できる価格ではある。

最近のフーリエのブルゴーニュ・ルージュは10,000円近くするが、ちっとも美味しくない。

ジュブレ・シャンベルタン村名は今となっては2万円越えで、しかも入手困難になった。

 

そう考えると、このメ・サンク・テロワールは本格的なジュブレ・シャンベルタンを味わえる

お手頃なワインと言えるかもしれない。

 

 

 

 

今年も家内がこしらえた、毎年恒例のわが家の自家製おせちから

新居に移って7回目のお正月になる(今年も家内が写真を撮りました)

 

昨年と代わり映えしないが、義母の時代から毎年の恒例です。

 

大晦日の夜は、越前ガニ3杯 

 

1杯5000円弱なので、高くはないと思う。

浜ゆでの急速冷凍でそこそこ美味しいが、何と言っても蟹は生が一番。

今年も鳥取まで食べに行こうかな。ものすごく高くなっているのだけれど。

 

 

今年はずいぶん京都に傾倒した年であった。

京都の地元の方々となかなか予約が入らない「つか本」に数回訪問したが、

所詮わたしは大阪人で、いつも京都の事情を教えてもらっている。

 

さて、11月12日(日)に京都のことをほとんど知らない友人と京都を訪問した。

2月に今宮神社のあぶり餅や澤屋の粟餅処に一緒に行った友人である。

元商社マンの彼は、現役時代は海外勤務が多く、京都のことはあまり知らない。

 

京都の人には失笑されるのを承知で、今回は早朝から出町ふたばへ突撃。

この店は、1日中行列が途絶えることがない。

数ヶ月前にその友人が豆餅を買おうと訪問したらしいが、あまりの行列に驚愕して

購入を断念したこともあり、今回はリベンジを兼ねての訪問である。

 

ネットで調べると午前8時半開店となっているので、開店に間に合うように

自宅最寄り駅7:00発の電車に乗った。

 

京阪出町柳駅から鴨川を渡って歩いて行くと、すでに列ができている。

1分で3人くらいやって来るので、思わず駆け足になる。

 

午前8時26分 開店前だがすでに30人くらいは並んでいた

 

午前8時34分 開店して販売開始したところ

 

午前8時55分 店の中はかいがいしく動く店員さんが多数

 

午前9時00分 購入をすませたところ、列は3倍くらいに伸びていた

 

30分以上並んでゲットした餅

右から 定番の名代豆餅、季節商品の黒豆大福、新栗餅

 

豆餅はお馴染みだが、さすがに出来たては美味しい。

黒豆大福も美味しく、家内はこちらが好み。わたし個人的には豆餅の塩味が好き。

初めて食べた栗餅は、焼き栗の香ばしさが素晴らしい。

 

上七軒のおかみさんにこの話をしたら、

「(京都)高島屋で売ってますがな」と一蹴された。

 

大阪梅田の阪急でも定期的に売りに来るのは知っているが、

「いやあ、出来たては違いますよ」と負け惜しみを言うしかない。

 

早起きは三文の得?

ベルナール・デュガ・ピィ ジュブレ・シャンベルタン VV 2014

購入日    2023年10月
開栓日    2023年11月

購入先    WINE NAVI
インポーター ラック・コーポレーション
購入価格   12,132円

 

会員制ワインショップのWINE NAVIで購入したワイン。

今頃2014年のワインを売っていることにまず驚くが、このワイン以外にも

2010年代のブルゴーニュやボルドーが幾種類もリストにあり、価格もリーゾナブルだ。

 

さて、久々のデュガ・ピィのジュブレ・シャンベルタンである。

デュガ・ピィはジュブレ・シャンベルタン以外の畑をほとんど持っていないらしく、

生産数も少ないので見かける機会が少ない。

 

開け頃だと思って開栓したが、予想より大人しくて、あまりジュブレ・シャンベルタンらしくない。

もう少しボディが強くて骨太かと勝手に想像していたので、ちょっと拍子抜けした。

線が細めだが、よく言えばたおやかではある。

 

良き畑と良き造り手の賜物か、翌日以降もほとんど落ちていかない。

和食が多くなったせいか、ピノ・ノワールを開栓する機会が減っているが、

開けるとこの酸がいとおしい。

 

この造り手の上級キュヴェには興味が尽きないが、なにせ市場に少なく、

価格も優しくないので、なかなか手が出ない。

WINE NAVIにはまだまだ掘り出し物がありそうなので、もうちょっと探してみようかと思う。