ワインな日々~ブルゴーニュの魅力~

テロワールにより造り手により 変幻の妙を見せるピノ・ノワールの神秘を探る

このブログは 「ワイン遍歴の終着点はブルゴーニュである」と
密かに確信しつつあるワイン好きのひとりごとである。

高名な評論家が何を言おうが 権威ある本に何と書かれてあろうが
そんなことは知ったことではございません。
信じるのは自分の五感のみ。
これは 長年音楽を聴いてきた経験からの自負である。

売らんがための美辞麗句はどこにでも存在する。
わたしは誰にも媚を売る必要がないから 駄目なものは駄目とはっきり書ける。
ただ 自分の未熟さを反省する謙虚さだけは失いたくない。

読者を増やす努力は一切しない。
ランキングにはまるで無関心。
読者のためのバイヤーズガイドを目指さない。

音楽を語ると敵が増えるが、酒を語ると友が増える。
今日もひとりでブルゴーニュを開栓して ひとりごとを語り始めよう。
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Accuphase DP-560  2018年4月15日 搬入

 

4月8日に返品したESOTERIC K-03Xの替わりに購入した、

Accuphase DP-560が数日前に届いた。

時間をかけないと音質の評価は難しいが、並べて聴かないと機種固有の音質を述べるのは

難しい。

 

しかしすでに明らかなことは、断然静かな回転音のCDプレーヤーであるということである。

対照機種であるONKYO C-7030は、回転音は静かだが、

電源を入れただけでトランスがブーンと少し鳴る。

 

40年ほど前、当時発売されたQUADのメインアンプ 405のデザインが気に入って購入したが、

トランスがブオ〜ンと大きく鳴るので、2回返品したことがある。

その後下取りに出して、より旧いモノアンプ QUOD 50Eを2台使ってESLを鳴らしていた。

 

50万円以上の高額CDプレーヤーの市場はちょっと常識から外れていると今回気がついた。

返品したESOTERIC K-03Xの回転音がうるさかったのは、

個体が不良品ではないかと思ったのだが、

その後いろいろ調べた結果、機種そのものの特長と考えるに至った、

要するにメーカーがこのやかましい回転音を承知で発売しているのだ。

 

ESOTERICだけの問題ではない。

店頭で1台確認しただけだが、Accuphaseの現行最高位機種 DP-720も相当うるさい。

もしわたしがこれを購入したとしたら、即クレームのレベルだ。

 

いずれも実売価格100万円のCDプレーヤーである。

ここまでの金額をCDプレーヤーに払う人は、音質重視・またはブランド重視で

購入されると思うのだが、不思議なことに機械本体が発する回転音は気にならないらしい。

 

結局わたしはオーディオに関しては趣味人ではなく、

実用本位で機器を選んでいる、ということが今回のCDプレーヤー購入でよく分かった。

 

 

 

 


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ミシェル・グロ ニュイ・サン・ジョルジュ・レ・シャリオ 2003
購入日    2006年12月
開栓日    2018年3月25日
購入先    かわばた
インポーター トーメン
購入価格   4599円

 

年のせいで和食中心の食生活になっているため、日本酒を合わせる機会が増えているが、

最近ワインを飲んでいない、というわけでは決してない。

しばらく前に開けたワインだが、印象に残ったので記録しておく。

 

最近はワインが主役になるような食事はしていない。

あくまで食中酒としてのワインを愛でるようになっている。

自分でも食への審美眼がこの3年ほどでぐんと高くなったと感じる。

これも京都の食の大家3人の影響だ。

 

イヤミだからあまり書きたくないが、大阪で最も予約困難店とされる

心斎橋の某店に4年間も毎月通い続けたら、それが味覚のスタンダードになってしまうのだ。

 

赤ワインはピノ・ノワール以外は飲まなく、いや飲めなくなってしまった。

昔はあれほどボルドーが好きだったのに、どうしたことか自分でも分からない。

 

そのブルゴーニュのピノ・ノワールだが、入手困難なルーミエやフーリエを無理して探して

高いお金を払って飲むことに価値が見いだせなくなっている。

どちらの造り手のワインも30本ずつくらいは残っていると思うが、

もちろんほとんど村名で、飲み頃待ちの状態だ。

 

ミシェル・グロはまだ手に入りやすい。

とはいえ、10年前には4000円くらいで手に入った村名も、今では8000円になっている。

もはやブルゴーニュワインは、日常の飲み物ではなくなっているのだ。

ブログを更新できない理由もそこにある。

ともあれまだまだ手持ちはあるので、ワインの新規購入はほとんどしなくなった。

 

そこでこのレ・シャリオだが、2003を1本だけ購入していた。

10年くらい前に2002を開けた覚えがあるのだが、その時の幸福感を思い出した。

やっぱり良い畑だ。

中庸という形容詞が最も当てはまる。何より神経質でないのが良い。

2003年の熟した果実感がしっかり残っていて、今が丁度飲み頃だと感じるし、

今後5年経ってもまだまだ飲み頃が続いているだろうと思う。

 

先週上七軒で北野をどりを見て、京都のとあるレストランで食事をしたが、

食べログ評価が高い人気店で満席だったにもかかわらず、結果的にお金と貴重な一食を捨てた。

一緒に行った自称グルメで、さんざん接待で美味いものを食ってきた

元シンガポール支社長は旨いと絶賛していたが、「おまえはアホか」と一喝しておいた。

シンガポールであれだけ旨い小籠包を食わせてくれたのに、どうなってるんや?

 

テタンジェとラングドックの白を開けてグラスワインも飲んだけれど、

いずれも自宅では飲まないレベルのワインで、2人で総額3万1千円だからねえ。

心斎橋の名店と変わらぬ値段である。

これなら勝牛の定食を食べてビールを飲んで帰った方がましだった。

 

今日も記念パーティがあり、一流ホテルの宴会部の食事をしてきたが、

ワインは当然のこととして、料理も家の方がずっと美味しい。

阪神百貨店の地下で買う刺し身や、明石から届けてくれる魚屋さんの魚を

日常に食べるというのは非常に贅沢なことなのである。

 

だから、食もワインも冒険をしなくなった。

だが、京都の食の巨人によると、セブンイレブンの親子丼は美味しいらしい。

仙太郎の黒糖どらやきも旨いらしい。

食に関して畏敬してやまない京都のYさんが言うのだから、絶対に間違いない。

 

ワインとは合わないとは思うが、今度買ってみよう。

このくらいの冒険ならしてもよい。

 

 


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今週の日曜日、先月購入したCDプレーヤーをクルマに積んでジョーシン三宮1番館に

返品に行った。

CDプレーヤーは今のところ必要なので、ESOTERICに替わる機器を選定する目的もあった。

 

高速道路を使って片道50分だが、普段の通勤は片道2分だから、

こんな遠くまでクルマで行くのは久しぶりだ。

 

店に置いてある高級CDプレーヤーの音質と回転音を聴き比べてみたが、

対照用の機器として、自宅にある2万円のONKYO C-7030をバッグに入れて持ち込んだ。

わたしはワインでもCDプレーヤーでも持ち込むのが好きなのだ。

 

この静かな C-7030の回転音の大きさをレベル1とし、ESOTERIC K-03Xの回転音の

許せない大きさをレベル5として、店頭にある機器のレベルを判断してみた。

以下にその結果を述べる。

CDによっても違うし、クーラーの音や試聴室外の雑音もあるので、

かなりいい加減な判断である。

 

自宅の ONKYO C-7030 

回転音:レベル1 

 

今回返品したESOTERIC K-03X

音質は圧巻 回転音:レベル5

 

店頭にあったこれの後継機種 ESOTERIC K-03Xs の回転音:レベル3

 

ESOTERIC K−01X

高音質の機種  回転音:レベル2.5

K-03Xsより少し回転音は小さい。

 

LUXMAN D-06u

回転音:レベル1

 

Accuphase DP-720

100万円クラスの高級機 単体としてはアキュフェーズのフラッグシップモデル

意外なことに回転音:レベル3<

 

今回購入したAccuphase DP-560

回転音:レベル1

 

持ち込んだCD

ジュリアード音楽院出身のブラウン兄弟姉妹5人のピアニストによる

ストラヴィンスキーの春の祭典

 

5台のピアノが奏でるホールでのライブ録音である。

分離が難しいシチュエーションであるにもかかわらず、よく録れている。

ピアノからマイクまでかなり距離を取り、ホール感も感じられる。

演奏はエキサイティングで、原曲のオーケストレーションを知っていると非常に面白い。

 

 

 

アルビノーニ オペラのアリアと器楽曲集

美形のソプラノ アナ・クインタンスがアルビノーニを歌う

 

声楽が入ったアルビノーニの音源として極めて貴重なもの。

演奏自体は非常に華やかで、最近では掘り出し物の音源である。

新しい録音だが器楽の線が細く、バロックアンサンブルの録音としては神経質過ぎて

エッジも効きすぎである。

 

ジョナサン・ノット バンベルク交響楽団 

ブルックナー 交響曲第3番 第1稿 ノヴァーク版

SACD

 

演奏以前に録音に大きな問題がある。

ダイナレンジが広すぎて、ピアニシモにボリュームを合わせるとフォルテシモ部分では

スピーカーを壊すくらいの大音量になるし、フォルテシモに合わせると

ピアニシモが聴こえない。

 

このCDのプロデューサーは無能だ。

pfaelzerweinさんがコメントされているように、仮想音場をどう構築するかが

まるで分かっていない。

 

ではなぜこんなCDを持ち込んだのかと言うと、回転音がうるさいSACDだからである。

SACDは回転数が高く、特に第1トラックで音がうるさくなるようだ。

回転音の評価のため持ち込んだが、音質の評価にはまったく役に立たなかった。

 

今回持ち込んだCDの選択が悪く、肝腎のCDプレーヤーの音質を聴き比べるには

役に立たなかった。

前回店員のSさんが試聴の際に使われたCDは、店頭用には好適であったのだ。

さすがはプロである。

 

この日の経験から、CDプレーヤーについて色々なことが分かった。

高級なCDプレーヤーに回転音がうるさい傾向がある

回転部分の質量が大きくなるからだろうか。

機器の構造的な問題が隠れているように思われた。

 

音質を追求する高級CDプレーヤーは、回転音がある程度犠牲にされているのでは

ないだろうか。

であれば、音質重視で回転音が気にならないユーザーが購入対象ということになる。

わたしのように音楽を聴くための道具としてCDプレーヤーを使う人間には、

そんな製品はどんな人が使うのかちょっと想像がつかない

 

バッハのマタイ受難曲第62曲のコラール「Wenn ich einmal soll scheiden・・」

の直前に無音の間があるが、この瞬間に聴き手の緊張感が最高潮になる。

そこにCDプレーヤーのキュルキュル音が聞こえるのは許せない。

 

ということで、今回は静かなCDプレーヤーを購入した。

AccuphaseのDP-560だが、LUXMANのD-06uと少し迷った。

前回の試聴ではAccuphaseが気に入ったが、今回アナ・クインタンスの声の定位では

LUXMANが優っていたと思う。

 

オーディオメーカーのブランド力に差があることも分かってきた。

Accuphase>LUXMAN>ESOTERIC

とみなされているようである。

 

その根拠の一例は、ハイファイ堂のHPに公開されている下取り価格である。

自分が下取りに出した経験から、このHPの価格が釣りではないことは知っている。

上記のCDプレーヤーの本日現在の下取り価格を調べてみた。

 

Accuphase DP-560 350,000円

LUXMAN D-06u   280,000円

ESOTERIC K-03X  350,000円

 

新品で購入する場合、AccuphaseとLUXMANはほぼ同額で60万円くらい、

ESOTERICはすでに生産終了だが100万円近くであったことを考えると、

かなり差があると思う。

 

クルマと同じで、下取り価格を考えて気にいらない機種を購入するのは

愚の骨頂だと思うし、自分は下取り価格を参考にして機器は買わない。

 

しかし市場価格というのは現実に存在する。

長く使ったオーディオ装置を先日下取りに出したことから、それは思い知った。

 

シリコンバレーが本拠らしい中国系メーカーであるOPPOがそそくさと

オーディオ機器市場から撤退した。

わずかに数年間IT技術を生かしたヒット商品を造ったが、商売にならないと判断したのか、

新製品の開発を中止するという。

日本のオーディオ機器メーカーとは明らかにスタンスが違う。

 

OPPOはサポートを続けると言っているが、どこまで信用して良いのか分からない。

先日購入したOPPOのSonica DACも、長年使い続けるに値する機器だとは思っていない。

たかが10万円だから、オーディオを趣味とする人にとっては所詮「おもちゃ」だ。

 

もはやCDは絶滅に向かいつつある。

今回購入したAccuphaseのDP-560が、自分にとって最後のCDプレーヤーであって欲しい。

 

 

 


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2台のCDプレーヤー ESOTERIC K-03X ONKYO C-7030

 

約1ヶ月前に購入し、いろいろ検証してきた高級CDプレーヤーESOTERIC K-03Xだが、

早くも手放すことになってしまった。

音質は高く評価しているので、非常に不本意である。

 

手放すことになった理由は、回転音がうるさいからである。

この程度の回転音でも音楽に干渉するので、わたしには許せないレベルだ。

購入直後から回転音の大きさは気になっていたが、寒い時期でエアコンを入れることも多く、

雑音が分かりにくかったことに加え、音質の評価に気が行っていたため、

決断まで時間が経過してしまった。

 

結論から言うと、この個体は不良品であろう。

CDを回した途端にキュルキュルとモーターの回転音が鳴り続ける。

聴いている音楽が休符を伴う繊細なものが多いことを割り引いても、常に耳につく。

 

置いてある台と共鳴している可能性もあり、対照機器のC-7030と同じ床に置いて比較しても

一目瞭然、じゃなくて一聴瞭然であった。

ただし安物のC-7030は、電源を入れるとわずかにトランスが鳴る。

 

ウェブ記事をググってみたら、2011年の前モデルK-03時代に同じくやかましいと

書かれた記事を見つけた。

しかし、うちの機械ほど大きい音がしていたとは思えない。

 

そこで昨日販売店であるジョーシン三宮1ばん館に電話してみたところ

「回収してオーバーホールする」

という回答だった。

 

電話を切った後に考えたが、この対応はおかしい。

店頭品とはいえ一応新品扱いで購入しているのだから、異常であれば初期不良として扱い、

新品交換するべきだ。

1万円の機器でも100万円の機器でも同じである。

 

店頭品だから、多少の不具合はがまんします、と言って買った覚えはないのだから、

不具合があったら直します、ゴメンナサイ、ではちょっと困る。

 

しかしこの機器はすでに生産終了しており、交換してもらう新品がない。

だから返品するしか選択肢がないことになってしまう。

販売店には、明日「返品します」と言って、梱包して送り返そうと思っている。

 

この事情を、メーカー(ESOTERIC)の公式サイトの問い合わせフォームから

メーカーにも伝えて、返品後にこの機器に関する状態報告を希望しておいた。

 

もしもメーカーが「このくらいの回転音なら正常範囲です」

と言ってきたら、かなり驚愕する。

数値化できない音質を追い詰めながら、物理的に測定できる機械音をこの程度なら容認する、

というのなら音響機器を造る資格がない。

まあ、超一流メーカーだからそんな見解はあり得ないだろうとは思う。

 

店頭品とはいえ、酷使された中古品ではないのだから、個体差を考えても

これだけ回転音のやかましいハイエンド・オーディオ機器が存在することも問題だと思う。

保証期間は3年だが、定期的にメンテナンスをしないと回転軸がブレるのだろうか。

 

ということで、せっかく音質が気に入っているのに悲しい別れとなった。

何かこれに替わるCDプレーヤーが必要だが、店頭で小さな回転音までチェックするのは

かなり難しい。

ESOTERICの新型にしたらもっと静かなのか、確証がないと手が出せない。

 

今はパソコンやNASの音源から音楽を再生する時代である。

CDプレーヤーそのものが、廃れゆく絶滅危惧種なのかも知れない。

昨日で三江線も廃線になったしなあ・・

 

 


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アントン・ブルックナー(1824〜1896)は合計11曲の交響曲を作曲した。

ヘ短調の習作と、0〜9番の番号付きの10曲である。

第0番は第1番のあとに作曲されたが、出来栄えに自信がなく番号を与えられなかったらしい。

 

ブルックナーは世渡りが下手で、生前にはまっとうな評価を与えられておらず、

モーツァルトのように誰からも天才と評価されている作曲家とは対照的だ。

 

生前どころか現在でも、ブルックナーは無能だと公言する評論家や愛好家が多数存在する。

逆に、この人を天才だと言う人はほとんど知らない。

 

阪大の学生時代のわたしの友人で、ブルックナーを一流と評価しない人物を数人知っている。

そういう人物に限って、マーラーを高く評価するのが面白い(県立N病院の救急部長のS先生、

阪大に8年いて大阪市大医学部に入り直したH先生、あなたたちのことだよ)。

 

ブルックナーは演奏家にも恵まれず、第1番や第2番などは、

オイゲン・ヨッフムが1960年代に録音するまで音源は無かったはずである

わずかなモノラル音源しか存在しなかった。

(第1番にはチャールズ・アドラーの1955年録音が残されている)

 

21世紀に入って少なくとも8組の交響曲全集が録音されているが、玉石混交である。

しかし玉が混じっているだけまだましだ。

20世紀に録音された演奏記録は、ほとんどが自分にとっては聴くに値しないものだった。

 

ブルックナーという作曲家に対する評価や、演奏評はきりがないのでここでは置いておこう。

 

ブルックナーの交響曲を語る上で、常に問題になるのが版の問題である。

一旦作品を書き上げておきながら、演奏家や弟子からの評価を気にして何度も書き直す習癖が

あったため、1つの作品にいくつもの稿が存在する。

作品に投影された人物像から微笑ましいとも思えるが、後世に厄介な宿題を遺したとも言える。

 

今世紀になっても新しい版の楽譜が出版されたりしているので、

何が何だか分からなくなってしまう。

現在手元には25組くらいの交響曲全集があるが、どの版で演奏されているのか

明示されているものは少なく、版をまたいで改変された楽譜で演奏されていることも多い。

 

そこで11曲の交響曲の基本的な版について、自分でまとめてみることにした。

わたしは研究者ではないので、CDの情報やウィキペディアの情報を調べてみただけの

単純なものである。

 

稿と版の違いについて

・稿は作曲者自身が遺した楽譜の年代で整理したもの

・版は楽譜として出版されたもの

と考えて整理する。

 

生前に出版されていた版は、シャルク、レーヴェなどの弟子が改訂したものが多く、

一般的に「改訂版」とされる。

現在ではほとんど使用されない。

 

これに対して、没後に国際ブルックナー協会が編纂したものは「原典版」と呼ばれるが、

原典版も次々に改訂されていて複数存在する。

ローベルト・ハース、レオポルト・ノヴァーク、ウィリアム・キャラガンの3名が

編纂者として有名である。


一般的にはノヴァーク版が最も使用されている。

ブルックナー愛好家は、弟子が手を入れる前の稿に基づいたハース版の演奏を好むことが多い。

朝比奈隆が基本的にハース版を用いたことも影響していると思われるが、

よりブルックナーの本質に近いと感じ取っているのではないか。

 

1900年代の終わり頃から、ブルックナー自身が改訂する前の「初稿(第1稿)」

による演奏がなされるようになった。

初稿を主体にした最初の全集はゲオルク・ティントナーによるものだが、

この指揮者の存在は、ブルックナーの演奏史上において非常に重要である。

 

以下各作品について端的にまとめる。

 

交響曲ヘ短調(1863)

 版の問題はない

 

第1番ハ短調(1866)

・リンツ稿(1877)

・ウィーン稿(1893)

・キャラガン版(1866) 初稿に基づく

ウィーン稿の校訂時期は晩年であり、第8番の作曲時期に当たる。

本来の第1番の姿はリンツ稿にある。

しかし、第2番・第3番・第4番の第1稿ほど初期作品としての香りは留めない。

ウィーン稿による第1番は、実は後期作品に匹敵する大作である。

 

ウィーン稿の代表的な演奏には、リッカルド・シャイーが挙げられる。

ことに第4楽章は見事だが、2017年に録音されたヤニク・ネゼ=セガンの演奏は、

シャイーを超える名演であると思われる(1回だけ聴いた)。

 

第0番ニ短調(1869)

 版の問題はない

 

第2番ハ短調(1872)

以下の稿が存在 

・1872年・1873年稿 キャラガンが編纂 アイヒホルンの録音のみ

・1872年稿(2005)キャラガンが編纂 第1稿とす ティントナー、シャラーが使用

・1877年稿

・1877/1892年稿 第2稿としてキャラガンがノヴァーク版を再校訂

いわゆる原典版は以下の通り

・ハース版(1938) 1877/1872年稿に基づく

・ノヴァーク版(1965) 1877年第2稿に基づく 多くの演奏はこの版

 

かなりややこしいが、大まかには第1稿(キャラガン1872年稿)とそれ以後の

原典版・第2稿に分けられる。

この曲の第1稿には第2稿では失われているブルックナーの初期作品にしかない

美点が満載である。

第1稿では第2楽章と第3楽章が入れ替わっており、スケルツォは第2楽章に置かれる。

 

第3番ニ短調(1873)

・第1稿(初稿1873年稿) ノヴァーク版 ティントナーが使用

・第1稿(1874年稿) キャラガン版 シャラーが使用

・1877年稿およびそれ以前の稿に基くハース版(1938年出版)

 こんなものがあるとは知らなかった。ヤニク・ネゼ・セガンの2014年録音で使用

 「based on 1877 version」とあるが第2稿らしさは乏しく、第1稿の異稿と見るべきだ

・第2稿(1877年稿) ノヴァーク版  

・第2稿(1878年稿) エーザー版(ハース版に相当)

・第3稿(1889年稿) ノヴァーク版第3稿 として広く演奏される

・第3稿(1890年稿) 改訂版 ノヴァーク版とほぼ同じ 晩年の朝比奈の録音

・シャルク改訂版(1889-90年 Schalk-Loewe edition)

 クナッパーツブッシュが5種の録音を残している

 

これもややこしいが、要するに第1稿と第2稿以降とでは別の曲のように大きく異なる。
作品自体の完成度が高く、版による優劣はつけがたいが、

1873年頃のブルックナーの作風は第1稿にしか聴くことはできない。

第2稿以降では寄り道が切り捨てられて構築感が増し、後期作品のようになってしまっている。

第1稿の第1楽章だけで30分もあり、そこにしか無い清涼な音楽が聴かれる。

 

これは第1番〜第4番に共通して言えることで、第2稿ではこの美点は消えている。

従って第1稿の演奏を聴かなければ、ブルックナーの本来の作風を知らずに

済ませてしまっていることになる。

わたしが19世紀の指揮者の多くの演奏が気に入らないのは、

ブルックナーの原点を知らずに演奏したものを自然に受け入れられないからだと思っている。

 

版と演奏は、下記参照

第2稿以降の演奏では、チャウセスク時代のルーマニアの録音であるマンデアルの演奏が

出色で、第4楽章のスケールの大きさは類を見ない。

最後の減速などクナッパーツブッシュも真っ青だ。

第1稿の対極にある演奏だが、こんな面白い録音を知らないのは勿体ない。

 

第4番変ホ長調(1874)

・第1稿(1874年稿) 第2稿とは大きく異なり、第3楽章はまったく別物である

・第2稿(1878/1880年稿)

・第3稿(レーヴェ改訂版 1888)現在ではほとんど使用されない

 クナッパーツブッシュ、フルトヴェングラーが録音

ハース版・ノヴァーク版は第2稿に基づき、ほとんど差異がない。

第2稿に基づくキャラガン・ノヴァーク版というのもある。

第4楽章が「民衆の祭り」となっている。

ティントナーがこの楽章だけ録音しており、シャラーの全曲盤もある。

 

第4番もまた、第1稿と第2稿はまるで別の作品で、ほとんど書き換えられている。

第2稿はブルックナーで最もポピュラーな作品だが、

この曲のアダージョはブルックナーの全交響曲中最もつまらない楽章だと思う。

第4楽章は後期作品のように壮大だが、意外と校訂時期は早く、1880年頃である。

 

第1稿の演奏ではケント・ナガノの名演があり、この演奏を初めて聴いたときは

ある意味衝撃的であった。

第1稿はまったく一般受けしないので、第2稿がなければここまでポピュラーに

ならなかったことは疑いがない。

 

第5番変ロ長調

・シャルクによる改訂版  

・原典版(ハース版・ノヴァーク版に大きな差異なし)

改訂版はほとんど使われないので、版による問題はない

改訂版はクナッパーツブッシュの録音で聴けるが、最近リリースされた

イム・ホンジョンと韓国交響楽団の録音で使用されているので驚いた。

 

第6番イ長調

・初版

・原典版(ハース・ノヴァークに大きな差異なし)

版によりほとんど違いはない

 

第7番ホ長調

・初版(1885)

・原典版

 ハース版(1944)

 ノヴァーク版(1954)初版に近い

ハース版とノヴァーク版は細かい点で異なるようだが、実際に聴いていて大差はない。

 

第8番ハ短調

・第1稿(1887)

 インバル、ティントナー、ケント・ナガノ、デニス・ラッセル・デイヴィスなどが使用

・原典版 第2稿(1890)に基づく

 ハース版 朝比奈隆が好んで使用

 ノヴァーク版 一般的に使用

もう1つ、1999年に発見された、1888年稿にもとづく第3楽章の異稿が存在し、オンラインサイトで公開されているようで、日本で演奏されてCD化されているらしい。

さらに、1888年稿の異稿(キャラガン版)も存在し、シャラーが録音しているが、

第4楽章は相当1890年稿と異なる。 

 

個人的にはハース版が好きである。

ハース版を初めて耳にしたのは、1970年代の朝比奈の演奏会においてだった。

演奏後に「ハース版はいいですねえ」と朝比奈に話したところ、

「ぜんぜん違うでしょ」と胸を張っておられたのを思い出す。

 

第9番ニ短調

・改訂版

 レーヴェ版 現在では使用されない

・原典版 差異は少ない

 オーレル版(ハース失脚後の校訂)

 ノヴァーク版 

 コールス校訂版(2000年) 2002年にアーノンクールが録音

基本的に版の問題はほとんどない

 

 

参考:第3番の版と演奏(HMVのHPから)

【交響曲第3番全曲版のヴァージョン一覧と主な録音】

第1稿 ノヴァーク版(1873)
ブロムシュテット、飯森、インバル、ナガノ、ノリントン、ノット、ロジェストヴェンスキー、ティントナー、ヴィルトナー、ヤング

第1稿 キャラガン版(1874)
シャラー

第2稿 ノヴァーク版(1877)
朝比奈、ギーレン、ハイティンク&VPO、アーノンクール、ヘレヴェッヘ、シノーポリ、ショルティ、ヴァンスカ、ヴィルトナー、ズヴェーデン

第2稿 エーザー版(1878)
朝比奈、バレンボイム、ドホナーニ、ハイティンク&RCO、ホーレンシュタイン、クーベリック、マタチッチ、ロジェストヴェンスキー、スイトナー

第3稿 ノヴァーク版(1889)
ベーム、ボルトン、カンブルラン、チェリビダッケ、シャイー、D.R.デイヴィス、ブルゴス、ヘンヒェン、飯守、ヤノフスキー、ヤンソンス、ヨッフム、カラヤン、ケーゲル、マゼール、マンデアル、マズア、オラモ、ロスバウト、ロジェストヴェンスキー、、ザンデルリング、ジークハルト、スクロヴァチェフスキ、テンシュテット、ヴェンツァーゴ、若杉、ヴァント、ヴィルトナー

第3稿 改訂版(1890)
朝比奈、アドラー、アンドレーエ、バルビローリ、ゲール、ヨッフム&ハンブルク、G.L.ヨッフム、クナッパーツブッシュ、西脇、ロジェストヴェンスキー、ザンデルリング&ゲヴァントハウス、シューリヒト、セル

マルテ版(第1稿・第2稿・第3稿を結合&再構成)


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2017年3月18日 撮影  旧宅解体中

 

2017年4月20日 撮影  旧宅解体後 この角度からだと広く見える

 

2018年3月21日 撮影

 

2018年3月23日 撮影

 

引越し後5ヶ月半が経過して、ようやく自宅のどこに何があるかが把握され、

探さずに発見できるようになってきた。

収納が多くなった分だけ、前の家より整理ができている。

 

積水ハウスや住友林業の設計士さんには、中庭は潰してもいいと伝えて

図面を書いてもらっていたので、この2社のいずれかで建築していたら

この中庭は今では存在しなかったし、梅の木も無かっただろう。

 

2年前の3月22日、初対面だったエス・バイ・エルの設計士小山さんを連れて行くまで、

32年間この中庭には入ったことがなかったので、

恥ずかしながらわたしはこの木の存在を知らなかった。

 

小山さんはこの中庭を見るなり

「いい形の梅の木だ。これは残そう」

と勝手に言って、結果がこういうことになった。


写真を撮っている建物は、義父が45年以上診療所として使っていた

築55年のコンクリートの建物で、一部には居住用の畳の部屋もあった。

2007年3月31日の廃院以来、仕事用には使用せず、居住空間の一部となっていた。

 

老朽化していて電気系統などがあやしくなっていたので、丁度1年前にリフォームし、

今ではオーディオルーム・ワイン庫・倉庫となっている。

 

「倉庫に金をかけるな」という倹約家の家内の強い意向で、最小限のことしかできなかった。

しかし小山さんとわたしで共謀して?家内に抵抗し、第2のリビングとして使えるよう

体裁を整える努力をした。

 

フローリングは朝日ウッドテックのライブナチュラル・プラスのオークを使ったが、

家内の言う通りにしていたら、床はビニールシートでサッシは腰窓のままであったから、

上の写真のような景色は見えなかったはずである。

 

おかげでこの部屋で飲むワインが旨い。

 

惜しむらくは床暖房を入れなかったことで、コンクリートの建物だから真冬は底冷えがする。

新居の床暖房がとても快適で、この冬はエアコンをまったく使用しなかった。

この体験があったら、旧診療所にも床暖を入れていただろう。

しかし、どこから温水を供給するのか、暖房費はいくらいるのか、という疑問は残る。

 

昨年に市役所から来た固定資産税の書類を見ていたら、この旧診療所の税額が非常に高い。

倍の土地の広さがある母屋の1.5倍以上になっている。

診療所廃院後も、居住用としてではなく事業用として課税されていたのだ。

 

昨年夏に市役所に連絡したところ、市役所の方が2人で建物を見に来られたが、

すでにリフォーム後である。

リフォーム前の10年間も、事業用ではなく住宅として使用していた証拠を示す必要がある。

 

幸いなことにリフォーム前の写真を残しており、そこには畳の部屋もあって、

旧いトイレと流し台があり、居住用として使用していた証拠が写されていた。

さらに、旧宅解体時に建築当時の図面を発見し、きちんと保存していた。

2007年3月31日付の廃院届は、見つからないので医師会からコピーを送ってもらった。

 

これらを見せて市役所の方に説明したところ、あっさり認めてもらって、

5年分の固定資産税が返金されることになった。

法律上遡って5年までというのが決まっているらしい。

 

居住用物件の固定資産税は相当安くなっており、たかだか87㎡ほどの建物だが、

土地分と合わせて年間約20万円減額され、合計100万円ほど返ってきた。

もちろん自分の懐に入るわけではなく、義父のところに戻ったわけである。

 

無味乾燥な数字が羅列する納税通知書だが、金額の不自然さに気付いたのが

わたしの昨年の最大の功績である。

 

100万円得をした、という考えもあるが、

本来払う必要がなかった5年分の100万円を払って損をした、という考えもある。

どう受け取るか、難しいところではある。

 

 

 


テーマ:

夕暮れの鴨川

 

西日に映える建仁寺

 

この日の日本酒 実に良く吟味されている

 

3月17日の土曜日、いつものように夕方に京都まで出向いた。

夕方6時前だが、河原町から東に鴨川を渡って振り返ると日が沈みかけている。

建仁寺の境内に入ってみるとお堂が西日に輝いている。

 

春が来たのだ。

もう東大寺の修二会も済んでいる。

 

空気の暖かさ、力強さを取り戻しつつある夕日、つか本の精魂込めた料理、そして合わせる酒も

春を告げている。

日下無双もまんさくの花も新酒で、先月に瓶詰めされたものだ。

 

20年寝かせたワインを蔵の奥から引っ張り出してきて、恐る恐る開栓するのとは違う。

昔のグリンツィンの居酒屋で飲んだリースリングのコップ酒に近い。

 

今回も上記の酒の中から、秋田のまんさくの花 亀ラベルGOLD 純米吟醸 2018生原酒を

早速ネットで注文してしまった。

和食に合わせる食中酒として、良い意味で自らの個性を際立たせない。

 

 

この日も含めて、この1週間は面白かった。

1週間前には久々に博多に大規模な勉強会に行った。

土曜の夜に担当者の男性と博多駅に付いたが、最近ではメーカーの接待は一切なく、

担当者と割り勘で一緒に食事をするのもご法度らしい。

難儀な時代になったものだと思うが、半ばこれ幸いに

一人で西中洲の日本酒バー「ネッスンドルマ」に繰り出した。

 

和服のママと若い女性が2人。知らなければ一見さんでは行けない店だが、

数年前に福山のS先生がネットで探り当て、横浜のM先生と3人で行ったことがある。

以前は2次会の遅い時間で、22時ごろに行ったと思うが、

今回は19時の開店とともに店に入った。

 

料理屋さんではなくて日本酒バーなので、こんな早い時間に誰も客はいない。

和服のママが大阪出身で、ヒネシャン(熟成シャンパーニュのこと)が好きだという

ことを聞いた。

 

自分のことを「ひよこ」という和服の若い闊達な女性が、

カマトトぶってこちらの講釈を聞いてくれたが、実は相当酒に詳しいと思われた。

 

21時頃になって東京からのお客さんが1人で入って来たが、

それまでは店の女性3人にひたすら日本酒の感想を述べ、情報を教わっていた。

その後には何人かの予約が入っていたようで、いかにもマニアックな店ではある。

 

深入りするつもりはないけれど、ワインやシャンパーニュより日本酒のほうが相当難しいと

この日も思った。

 

翌日は最新のAIと医療の接点を探る面白い勉強会で、慶応大学の教授からこんな話が

聴けるとは思っていなかったので新鮮だった。

サクラというわけではないが、オンライン診療に関しては思うところもあるので、

大会場だったが少し質問もしておいた。

 

帰りの新幹線が静岡県の停電の影響で止まってしまい、岡山駅でこだまに乗り換えた方が

早いと言われたが、すでに自由席は立ち客が多い状態であった。

仕方なくそのまま指定席に座り続けたまま、姫路駅で2時間近く待たされて、

新大阪についたら駅は大雑踏状態であった。

 

そりゃそうだろう。

2時間近く新大阪駅には列車が到着しなかったのだから、誰も降りてこない代わりに

誰も乗ることができない。

 

列車を待ち首を長くしている人々をかき分け、構外に出て不本意ながらタクシーで帰宅した。

2時間の停車時間の間は、阪大の事業計画問題に関する企業との会合の録音を聞いていた。

 

わたしが参加できなかった会合では、企業に一方的に押し切られていたが、

わたしが参加した会合では、笑いながらこっちが一方的に押しまくっていた。

同席された先生から、「こわ〜」と言われてしまったが、

自分が喋っている録音を聴いていると面白くてずっと笑っていた。

 

姫路駅で停車中に、1人でニソニソ笑って録音を聴いていたので退屈しなかったが、

周りの客には気色悪い客だと思われたと思う。

 

友人の女医さんが自治会長になられたので鬼に金棒だ。

阪大幹部のキャンパスライフ支援センター長にも情報提供し、問題の深さを納得してもらった。

待っててね、阪大担当副学長と総長。

事業を止めないと世間に恥をさらすことを教えに行ってあげるから。

 

 

 


テーマ:

シャトー・ディケム 2003

 

今日いつもの京都のメンバー(イタリア語通訳の住職さんと上七軒の女将さん)と

もめんさんを訪問した。

 

親父さんから、後半の部で緑家さんもやって来ると聞いたが、

食事を終えて店を出たところで、うまく緑家さんと遭遇した。世の中は狭い。

 

カウンターの隣に来られたお客さんが持参されたのが、上記のディケム2003である。

ワインをものすごく所持されている太っ腹な方で、われわれにも振る舞って頂いた。

 

和食の食中酒向きではないので、料理が終わる頃開栓されたが、タイミングは最良であった。

ひねる前の爽やかさが残る若いディケムだったが、余韻は果てしなく長い。

いつものもめんの料理に華を添えた、印象に残る一夜となった。

 

もめんさんの料理の魅力とは何だろう。

あれだけの著名人を引き寄せる人柄は、まず置いておこう。

女将さんの言葉を借りれば、「引き算の料理」ということに尽きる。

 

さりげない、満腹にささない、奇を衒わない、華美に走らない、残るのは幸福感。

素材に拘るが破格なブランドものを使うわけではない。

1ヶ月間同じ献立で走るわけだから、その月で安定して入る食材を使う。

 

裏方の三野さんの存在も大きい。

真似ができそうだが、実は誰にも真似できないから唯一無二の存在として

30年以上も存続し続けているのだろう。

 

毎回感心するのは「腕(わん)」である。

住職さん曰く「もめんの腕は宇宙だ」。

ここの椀物を基準にして他の料亭で出された腕を味わうと、

その店の料理人の実力が丸裸になってしまう。

 

建築中の旧宅 1989年7月30日 撮影

居住期間 1989年12月18日〜2017年10月8日


ウサギのレインちゃん 2003年1月(生後2~3週間)〜2012年9月25日 居住

 

昨日に話が戻るが、昨日付で昨年まで住んでいた自宅を売却した。

売却の仲介契約をしたのが年末で、仲介業者が当初から言っていたとおり

2週間で買い手(業者)が見つかり、あれよあれよという間に話が進んだ。

 

北摂でも有数の学校の校区に立地しているので、すぐ買い手はつくだろうと思っていたが、

その通りであった。

 

何ともう今日から解体作業に入るという。

震災に遭って僅かに歪んでいるとはいえ、その前に住んでいた1979年建築の家も、

もう一つ前に住んでいた1970年建築の家もまだ残っているというのに、早々と解体になった。

もちろんリフォームすればまだ住めるが、これも家が持つ運命ということだ。

 

この土地にまた新築の家が建ち、28年前のわれわれのように

おそらく小さい子どもが居る若い夫婦が住むことになるのだろう。

 

28年も住んでいた家が影も形も無くなるのはちょっと寂しい。

 

 

 


テーマ:

うちから1駅離れたところに、親しい友人の医師夫妻が住んでいる。

奥さんの方は、地元でも有名な大はやりの開業医であり、

ご主人は昨春まで阪大病院に勤務しておられた、これまた超有名な医師である。

 

この友人宅の設計士・インテリアコーディネーター・現場監督は、

私の今住んでいる新居とまったく同じエス・バイ・エル(小堀住研)のメンバーで、

要するにこの友人夫妻こそ、うちに設計士を紹介してくれた張本人である。

 

昨年の夏の終わりに、その友人宅に地元自治会の回覧板が回ってきた。

現在ある阪大の職員宿舎を取り壊し、そこに新しい職員宿舎やビルを建てるという

大規模な事業構想についての、住民説明会の案内が載せられていた。

 

阪大の敷地を借り受け、大手ハウスメーカーが民間付帯事業としてビルを建設し、

ケアハウスや商業施設を入れるという計画が、その回覧板には記載されていた。

このような大規模な開発を行う際には、地域住民に向けて説明会を開く法的義務が

あるらしい。

 

住民説明会では、そのビルの中に、280坪におよぶ医療ゾーンが計画されているということが

述べられた。

 

近隣住民として説明会に出ていた友人はそこで仰天した。

というのも、計画中のビルのすぐ北側60mのところに、医科歯科6件が入る医療ビルが

すでにあるからである。

 

この話は、地元医師連合会にすぐに伝わり、既存の医療ビルの院長たち数名が

事業計画の代表者であるハウスメーカーの責任者を呼んで、

昨年10月に情報交換の場がもたれた。

 

この地域は、わが国でも有数の医療施設過密地域であり、

駅前には内科医をはじめ多くの開業医がいる。

石を投げれば名医に当たる、と言われている地域で、

こんな場所でヤブ医者が開業しても既存の名医に太刀打ちできず、成功することは無理だ。

 

そんなところに新たな医療ゾーンを作るという。

280坪といえば小規模な医療ビル1軒分で、診療所が6軒くらい入る広さだ。

 

院長たちからは、

すでに医療施設はいっぱいあるので、地元住民に役立つ他の施設を入れたほうが良いのでは、

という提案をしたが、ハウスメーカーの責任者に一蹴された。

「このフロアには、医療施設以外のテナントを入れるつもりはありません」

 

まったくわけが分からない。

事業契約をした大阪大学は、この計画を知っているのだろうか。

それもまったく分からない。

 

昨年10月に、この話がわたしの耳にも届いてきた。

「医療ゾーン計画が実現したら、既存の診療所とバッティングし、共倒れになる」

「医療超過密地域にさらに医療施設が増えることに、地域住民のメリットはあるのか」

などなど、われわれの間では議論百出となった。

 

この件は、阪大施設部が窓口であるらしい。ホームページにそう記されている。

そこで昨年11月末に、阪大施設部に電話してみた。

どこの誰とも分からない一町医者が突然電話したにもかかわらず、

担当事務の方が電話に出られ、非常に親切にこれまでの経緯を教えてくれた。

 

阪大に対して事業者は、医療施設は3軒入れるといっているらしい。

常識的に見て、280坪なら3軒で済むはずはない。

それまで当方が受けている事業者の説明内容を、担当者に伝えておいた。

 

その後12月に行われた事業者との話し合いには、わたしも参加した。

医師テナント誘致業務を委託されたコンサルタント会社の方も同席された。

 

わたしは地域医療の専門家の立場から、相当厳しい意見も申し上げた。

医療業務に実績のあるわれわれから見て、新規参入者の採算が取れるはずがない計画である、

ということも説明した。

 

多少事業者側も理解したかと思うが、現時点では、既存の科目とのバッティングを避ける

という努力目標を提示する程度の対応に留まっている。

新規参入医師が不採算でも、会社が儲かればいいと思っているのだろうか。

 

事業者とこれ以上話をしても埒があかないので、地元医師を代表して

阪大本部に「地域医療を踏みにじるような計画を許すな」と文句を言いに行くことにした。

どう考えても損な役回りだ。

 

しかしわたしは一介の町医者である。

職員と学生合わせて2万人以上の大組織である大阪大学の最上層部に、

文句など言いに行って相手にされるだろうか。

そもそも阪大のどこに行っていいのかも分からない。

 

幸いにも阪大理事の1人に医学部出身の副学長がいて、面識がある。

そこで先週、その阪大副学長にアポイントを取って、プロジェクターを片手に、

地元代表の女医さんと次期地元医師連合会の会長との3人で乗り込んでいった。

 

「阪大副学長のところに殴り込みに行くから、一緒に行こう」

と医師会の事務長も誘ったところ、

「ご健闘をお祈りします」

という温かいエールを頂いた(うまいこと逃げやがって)。

 

先週の木曜日午後、3人で鉢巻を巻き(ウソ)、怒りモードで副学長の部屋に入った。

「何しに来たん?」

「文句言いに来た」

「わしは知らんがな」

「え?何それ? 副学長やんか」(この辺で拍子抜け)

「副学長でも担当が違うねん」

「え?そうなん? まあええわ、せっかく来たんやから話だけでも聞いてちょうだい」

 

と言いながらこれまでの経緯を説明した。

「こんな話、阪大医学部の誰も知らんと思う。どこから聞いてきたん?」

「近所に住んでいるおばさん(実は美人女医)から」

「あ、そう。今度医学部長と病院長にも情報提供しておいて。何も知らんと思うから」

「わかったわかった。呼んでくれたらいつでも行く」

「何言うてんの。自分でアポイント取って、勝手に行っといてちょうだい」

「あ、さよか」

 

これが阪大副学長との面談の仔細である(口語調に脚色)。

というわけで、来月になったら阪大医学部の学部長と、附属病院の病院長のところにも

出向くことになってしまった。

両者とも顔は知っているが直接面識はないので、もう少し事務的な会談になると思う。

 

阪大内部の組織系統と、企業の思惑、事業の進め方の内状が分かって、面白かった。

しかし、また出かけるのは気が重い。

 

 

 

 


テーマ:

ワインも飲んでいるし日本酒も飲んでいるし、昨日ももめんさんを訪問したが、

最近食の話題から離れていて、何のブログか分からなくなってきている。

 

その原因は引っ越しにあるのだが、オーディオ浦島太郎状態から脱却し、

急速に知識と機器を収集し、現代のオーディオ事情に詳しくなってきた。

昔の機器を売ったりしたので多少は助かっているが、失ったものはお金である。

 

先週やってきた高級CDプレーヤーK-03Xだが、DAC部分を独立して使える。

同じソースを使って、K-03Xと先月購入したOPPOのSonica DACを聴き比べてみた。

公平を期して、RCAケーブルはLUXMAN製の同一のものを用いた。

 

2台のDAC(デジタル・アナログコンバーター)OPPO Sonica DAC・FOSTEX HP-A4

 

音源はコピーした同一のiTunesのライブラリで、2台用意したMac(iMacとMacBook Air)

から信号を2台のDACに送って再生した(上図参照)。

 

系列1の音源は、自宅内の無線LANのルーターとして使用しているAir Mac Time Capsuleに

保存してあるiTunesライブラリで、これをWi-FiでMacBook Airから読み込み、

同じWi-Fi下にあるOPPOに飛ばして再生する。

アンプにはOPPOをRCAケーブルで接続するだけなので、極めて簡単である。

 

系列2では、デスクトップ型のiMacを使用し、USBケーブルでK-03Xに信号を送って、

同機のDAC部分を使って再生した。

 

次に、系列2で K-03XをFOSTEX HP-A4に置き換えて聴き比べしてみた。

金額のことを書くのは品位に欠けるが、下記のごとくである。

K-03Xはメーカー希望小売価格 100万円

OPPO Sonica DAC 実売価格 110,000円

FOSTEX HP-A4 実売価格 25,000円

 

これらを聴き比べた結論は、「ほぼ区別困難」であった。

 

機器の音質差を引き立たせようと思うと、レベルの高い録音のソースが必要だが、

まずそれを探すのが大変だ。

オーケストラもののSACDはノイジーなものが多く、機器の個性を感じる前に

録音の質に嫌気がさしてしまう。

 

そもそも自宅にあるCDには30年くらい前の録音が多く、最新録音は少ない。

その最新録音でもまともなものが少ないとなると、何のために機器の音質評価をしているのか

分からなくなる。

 

同じところをリピートして比べるのは、音楽を楽しんでいるのとは違うので、

神経をすり減らすから疲れる。

 

ということで、この数日アホなことばかりやっている気がして、

どうでも良いという気分になった。

 

三宮のジョーシン1番館の試聴室は外の音がダダ漏れで、決して試聴環境が良いとは言えない。

しかし不思議なことに機器間の音質差がはっきり聴こえていた。

いや、当然なのかも知れない。

やはりプロがチューニングしているのだろう。

 

オーディオが趣味ではない人間の、正しい?オーディオ装置の選び方は、多分次のようになる。

 

・まずスピーカーを好みで選ぶ・・小さいブックシェルフ型が安価とは限らない

・そのスピーカーを鳴らすのに適したアンプを選ぶ・・パワーには多少の余裕は欲しい

・CDプレーヤーやDACで大きく音は変わらない・・お金が余っているならどうぞ高いものを

・ケーブルに安物を使うと機器の性能が発揮できない・・ケーブルにこだわりすぎると電線病

 

 

 

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