5月26日(土)
昨日の一連の話は、帰ってすぐに旦那に電話で連絡した。
さすがに疲れて食事ものどを通らず、母が使っていた部屋で休む。
(昨日実家につく途中でバルサン、洗剤などを買っていった。
着いてすぐにこの部屋をバルサンして、病院へ向かう途中のコインランドリーで
シーツから毛布まで洗濯乾燥。部屋に風を通して寝たのが2時過ぎたっだのだ)
朝起きてすぐに布団を干し、洗濯、掃除!掃除!!
何せ男二人(弟と義父)の所帯、各部屋・台所・階段・廊下、掃除機かけて拭き掃除。
ひと段落したのが10時すぎ。
これから毎日通い続けることになる病院へ、3人で向かう。
タロの様子を見に行く。
「おはよう!少しでも眠れた?」と声をかける。
朝の点滴終わったところだったらしい。
咳がひどいなと思っていたら、義父はこれでもよくなった方だという。
「昨日はちょっと眠れたよ~~。
朝の回診で先生にシャワー浴びに帰ったらダメかなと聞いたら、
姉ちゃん来てから相談しようって言われて、来るの待っててん」と、落ち着いた様子で言う。
「じゃちょっと詰所行ってくるわ」と言ったら
「体重計りに行くから一緒に行く!」と、まるで子供w
弟は185㎝の長身、子供にしてはデカすぎるけど後ろをついてくる。
体重65キロ「痩せたな~、80キロあったのに・・」と言うタロ。
「そりゃ、そんだけ咳してたら全身使うもの痩せるよ~、食べれてないんでしょ?」と交わす。
詰所に行くと主治医がいて、ニコニコ顔で出てきた。
「タロさんが朝からお姉さんお待ちかねでね~~。
朝の点滴も終わったし、咳は出るもののだいぶ治まってきてるし、
シャワー浴びたいって言うてるから、なんなら今日明日と外泊してみる?
お兄さんもお父さんも居はる事やし、なんかあったら即戻るって条件で!
あと昨日お姉さんにこれからの治療の事も話してあるので、
お姉さん詳しいからよく相談して決めてきてくれるかな?」
思わぬ展開、大丈夫だろうかと人の心配をよそに
これを聞いたタロはすかさず「おねがいします!!」と言った。
「じゃ、お姉さんにお家で飲む薬と注意事項いいますので、こちらへ」と
詰所に案内されてしまった。
(責任重大やん…台所まだ片付いてないし、食事どうしようか?などと頭の中グルグル。
いきなり振られてとまどう。)
詰所で副看護主任に薬の説明を受ける。
「オキシコンチン10mgは噛み砕いたり潰しちゃダメでしたよね?
その他の錠剤が多いので潰して粉にしていいかしら?
オピオイド系は便秘になりやすいから、マグラックス錠でてるのですね。
マグラックスは細粒もあるから大丈夫ですよね?」と聞いたら、またビックリされた。
横で主治医が「お姉さん薬には詳しいみたいだから、安心して渡していいよ」
なんて言ってる。
「先生、肺炎治まるかどうかの時に、外泊って事は、何か訳があるのではないですか?」
「いや~~、ここだけの話なんだけど…(声をひそめてはなされる)
お父さんに病状話しても、よく解ってらっしゃらないようで、こちらも困ってたんですよ。
ガンと知らされたら、まっ、だれでも落ち込むんだけれど
タロさんの落ち込みが尋常じゃなかった、ちょっと捨て鉢になってたというか…。
一度、どうしても家でしなきゃいけないことがあると、外出許可取りに来て
僕も大丈夫かなぁ~?と心配しながらも、かたくなな表情だったので許可出しました。
すぐ、具合悪くなったと戻って来たんですが、帰宅できなかったことで、
さらに落ち込んだようでしてね~表情が暗くなるばかりだったんですよ。
それが今朝回診に行ったら、顔の表情がガラッと変わっていて
照れくさそうに『シャワー浴びに帰りたいんですけど、許可出してもらえますか』と。
お電話頂いた時の、お姉さんの受け答えがとてもしっかりされていたし
昨日の説明事項でも、よく理解されてましたので、むしろお姉さんがいる時じゃないと
外泊などと言えませんよ。
タロさんにとって、お姉さんの存在が大きいんだなぁ~と思いました。
それで条件付きですが、許可出しました。
24時間、いつでも何か心配事あれば、病棟に電話してきてくださいね。
前向きになって帰ってこられるのを待ってます」と、いわれました。
「わかりました、ありがとうございます。タロとよく話してみます。
それで先生、お忙しいのに申し訳ないのですが、外泊の準備の間に
食事の件で栄養士さんと相談したいのですが、お時間とれるでしょうか?」
「ちょっと待ってね、管理栄養士のMさんに連絡入れるから」と、すぐ連絡とってくださった。
管理栄養士さんとご挨拶もそこそこに、問題の食事のことで
今どんな物をどれだけ食べているのがわからないので聞いた。
主食は喉の通りがいい、にゅーめん200g。あと副菜は何食べてもいいと言われた。
(帰りに買い物していかないと何もないじゃないか…食べたいもの聞いて決めよう)
外泊届を出して、
注意事項のまとめ(コピー20枚)を先生が作ってくれていたのをいただいて部屋に戻る。
タロはもう帰る気満々だ。「帰ろう!」とせかすが、
薬がまだ用意できてないから待って!といったら
「な~~んだ、まだか」と。。。これにはみんな大笑い。
(今度いつまた帰れるかわからないんだから、できることはしてあげよう)
15分ほどして看護師さんが薬の袋(一回ごとにまとめてくれてあった)のを持ってくる。
「月曜日10時から点滴があるので、それまでに戻ってきてくださいね」と言われた。
「じゃ、帰ろうか?」一斉に腰を上げて、エレベーターに向かう。
詰所から「いってらっしゃい!」と声がかかると「行ってきます!」とご機嫌だ。
実家について皆休憩。
タロの部屋は2階だけど今の状態じゃトイレもつらいだろうと、
昨夜と今朝、真下の部屋1階を掃除しておいた。
「もう帰ってこれないかと思ってた、姉ちゃん来てくれて、思わぬ展開だ」と笑顔。
義父はお風呂を用意している。
喚起をしないと湯気でむせ、咳が出るので要注意と教えた。
その間に私と長男でお昼の買い物に出る。
「何が食べたい?」と聞くと
「卵豆腐とか喉通るやつ。そうめんは飽きた。適当でいいよ。牛乳ほしい」
(適当って、これが難題。タロの好みはなんだろうか)
義父と長男は日替わり弁当、冷やして食べる茶わん蒸し(大)、牛乳、
焼き鳥(もも)はタロが好きだと長男が言うので買った。
焼肉用のお肉、山芋、あとは冷凍食品いろいろ、レトルトのカレー、お米、おやつにエクレアと菓子パン、プリン。
戻ってさっそく昼食をとる。
タロ、喉がつっかえると言いながら焼き鳥をパクパク。病院では出ないからね。
茶わん蒸しもエクレアも食べた。内服薬も飲んだ。(なんだ、食べれるやん)
お風呂の用意ができてタロがシャワーに挑戦。
大丈夫かな~と思っていたら10分ほどで出てきた。
「アカンわ、頭は洗えたけど、、咳で体洗えない」と布団に座り込む。
バスタオル大判を広げて、そこにタロを座らせ、蒸しタオルで体を覆う。
私は持ってきた絹タオルで垢すりを始めた。
消しゴムのような垢が大量に出る。
足の先までこすってあげたら「洗う力もないなんて…」とこぼす。
「さて、垢こすり終わり。シャワーでサッと流しておいで。
姉ちゃんの垢こすり高いからね~」 なんて言ってみる。
再びシャワーをあびて「さっぱりした~、ありがとう」と言ってくれた。
タロが長男にお願いがあるという。
2階の自分の部屋からテレビを一階におろしてほしいと。
長男はアンテナ線とかササッとみて、義父のテレビから線取れるから買ってくると出かけた。
私と義父で二階にあるテレビ(埃だらけ)を掃除し、一階に持って降りた。
案の定というか弟の部屋は足の踏み場もない、バッファリンの大箱が目についた。
さっと見ただけでも10個以上、空箱がある。
(なぜ病院に行かなかった?!なぜ義父は同居してるのに気が付かない?!腹が立った)
アレルギーもちの私の手がカイカイになる。明日はここを掃除だ。
長男が戻りテレビ回線を義父のところから引いてくれた。
こういう時長男は役に立つ。
タロも下でテレビが見れると喜んだ。
長男とタロは何やら話し込んでいる。
笑い声が聞こえるのでそっとしておいた。
少しして「疲れたから横になる」というので、みなお昼寝タイムとなった。
夕食、お肉を焼き、タロには山芋でとろろご飯にしてみたら、ズルズルと少しずつ食べている。
お肉は3切れほど口に運んだ。「あ~~ぁ、久々に食べた!」とタロ。
食後薬も飲ませ、長男と話し込んでいる。
寝る前の薬は長男にお願いした。
大丈夫、大丈夫、これならきっと治療までたどり着ける。
しかし、あのバッファリンの大箱は、私の心の突き刺さった。
そんなに我慢してたんだね、今月初めからじゃなく、前から具合相当悪かったはず。
なぜ?!って言葉が、繰り返し頭と心に浮かぶ。