こんにちは、実家がお茶屋のらいとです。
ハラダ製茶のCM、見たことありますか?
さとこさんとお義母さんが登場し、コミカルな嫁姑の日常を描いています。
「スマホ」篇
CMは終始一貫してお茶が関係ありません。
毎度、最後に♪ハラダの やぶ北ブレーンドっ♪という合いの手(?)が入り、二人がお茶を飲むシーンが出てくるだけで、まったくと言っていいほど嫁姑の日常です。
「きっぱり」篇
「誕生日」篇
「コンサート」篇
「利き茶」篇
↑これだけお茶がテーマになっていますが、商品の良さとか度外視で、嫁姑のやり取りだけが強調されています。
さて、ここからが本題です。マーケティングとか経営学の話になるので興味のない方はブラウザの戻るをクリック!クリック!なんならウィンドウを閉じてシャットダウン、プリーズ。
現在、お茶(茶葉)というものは売れなくなってきています。水(お湯)で出すようなものはお客さんが来た時しか淹れないという人も多いはず。「家で飲む飲み物」から「お客さんに出すもの」というように変化したのです。なんせ、コンビニやスーパーに行けば安価で手軽なペットボトル飲料が並んでいます。
お茶の業界では、どうにかして茶葉を売ろう、売ろうとみんな必死です。
お菓子屋さんとコラボし、お茶のケーキやアイスを作ってみたり、「日本ではもう売れない」と考えて海外からインターン生を招いてその人たちを経由して海外にアピールしてみたり。様々な趣向を凝らして、これまでのお茶の「家で飲む飲み物」というイメージから脱出しようとしています。「お茶」という製品に新しい価値を与えようとしているのです。
お茶だけに限らず、先進諸国では「いいものを作れば売れる時代」は終わりました。そこで、マーケティングの世界でよく言われているのが「価値創造」です。
価値創造とは、文字通り「価値」を「創造」することですが、「価値」とは商品の効果を表します。もっと言うならお客のニーズです。お客のニーズを創造する、つまり、お客さえ意識していなかったニーズを創り出して提供することです。
例えば、スマホがその例です。スマホはもともと、パソコンを小さくして持ち運びやすくすれば便利ではないかな、という考えから生まれたそうです。しかし、「小さいパソコン」では画面が小さくて仕事で使いにくいです。「軽くなったけど、不便にもなったよね。」と批判が出ると予測したのでしょう。そこで、ある機能を加えました。そうです、通話機能です。「小さいパソコン」から「便利な携帯電話」にシフトチェンジしたのです。当時、携帯電話はすでに普及して一人一台の時代になっていました。ですから、多くの人に買ってもらえたのです。しかも、携帯電話では通話とメールだけできればいいと考えていた人たちも巻き込み、「スマホにしたら便利だった」という潜在的ニーズまで満たしました。
これはデジタルの例ですがアナログでも価値創造はできます。
スターバックスのコンセプトは"Third Place"(家庭でもなく職場でもない第3の空間)です。スターバックスが売っているのはコーヒーではなく、第3の空間であるというのです。空間を打ち出すことにより、コーヒーを買うことに新たな価値を創造しています。その姿勢はCMを流さないことにも表れています。安売りはしない、というよりコーヒーを売っている訳ではないので、むしろ、安く売ってしまっては空間の価値が下がってしまいます。マクドナルドが「コーヒーなら100円で飲める」というような攻撃的なPRを行ったようですが、スターバックスにとっては全く関係ないことだったのです。
以上を踏まえると、ハラダ製茶は緑茶業界の裏、いや、むしろ王道を行っています。
周囲のお茶関係の人達がケーキを作ったり、お茶専門の喫茶店を開いたりしてお茶に新たな価値を付加しようとしている対して、このCMでは、嫁姑の日常を切り取って最後に一服のシーンを持ってきています。まさに「私たちの製品はあなたの生活を劇的に変えることはありませんが一服を与えることができます」と言っているように感じました。
スターバックスとは真逆です。
新たな空間を提供するのではなく、生活に寄り添うというイメージです。
ハラダ製茶株式会社のHP、会社概要のごあいさつを見てみると最後の一文に
とありました。
さとこさんとお義母さんはほっと一息ついていたのですね。
ハラダ製茶のCM、見たことありますか?
さとこさんとお義母さんが登場し、コミカルな嫁姑の日常を描いています。
「スマホ」篇
「さすがですね。私はまだ・・・。」とガラケーを見せるさとこさんに対し、
「あら、そ~なの~。ハハハハハ。」と優越するお義母さん。
さとこさん「でも、ちゃんと使いこなせます?」
お義母さん「当ったり前じゃないの~。シュシュシュのムニューっよ!」
突如、着信するスマホ。
お義母さん「なにこれ?ちょっと止めて!」
お義母さん「どうやって出るのよ!どこ押すのよ!」
さとこさん「えー!分からないっすよ~」
♪ハラダの やぶ北ブレーンドっ♪
お義母さん「もう、使うときだけ電源入れるわ。」
さとこさん「えーーー!」
お茶、関係ねぇ・・・
CMは終始一貫してお茶が関係ありません。
毎度、最後に♪ハラダの やぶ北ブレーンドっ♪という合いの手(?)が入り、二人がお茶を飲むシーンが出てくるだけで、まったくと言っていいほど嫁姑の日常です。
「きっぱり」篇
「誕生日」篇
「コンサート」篇
「利き茶」篇
↑これだけお茶がテーマになっていますが、商品の良さとか度外視で、嫁姑のやり取りだけが強調されています。
お茶業界の裏を行くCM
さて、ここからが本題です。マーケティングとか経営学の話になるので興味のない方はブラウザの戻るをクリック!クリック!なんならウィンドウを閉じてシャットダウン、プリーズ。
現在、お茶(茶葉)というものは売れなくなってきています。水(お湯)で出すようなものはお客さんが来た時しか淹れないという人も多いはず。「家で飲む飲み物」から「お客さんに出すもの」というように変化したのです。なんせ、コンビニやスーパーに行けば安価で手軽なペットボトル飲料が並んでいます。
お茶の業界では、どうにかして茶葉を売ろう、売ろうとみんな必死です。
お菓子屋さんとコラボし、お茶のケーキやアイスを作ってみたり、「日本ではもう売れない」と考えて海外からインターン生を招いてその人たちを経由して海外にアピールしてみたり。様々な趣向を凝らして、これまでのお茶の「家で飲む飲み物」というイメージから脱出しようとしています。「お茶」という製品に新しい価値を与えようとしているのです。
お茶だけに限らず、先進諸国では「いいものを作れば売れる時代」は終わりました。そこで、マーケティングの世界でよく言われているのが「価値創造」です。
価値創造とは
価値創造とは、文字通り「価値」を「創造」することですが、「価値」とは商品の効果を表します。もっと言うならお客のニーズです。お客のニーズを創造する、つまり、お客さえ意識していなかったニーズを創り出して提供することです。
例えば、スマホがその例です。スマホはもともと、パソコンを小さくして持ち運びやすくすれば便利ではないかな、という考えから生まれたそうです。しかし、「小さいパソコン」では画面が小さくて仕事で使いにくいです。「軽くなったけど、不便にもなったよね。」と批判が出ると予測したのでしょう。そこで、ある機能を加えました。そうです、通話機能です。「小さいパソコン」から「便利な携帯電話」にシフトチェンジしたのです。当時、携帯電話はすでに普及して一人一台の時代になっていました。ですから、多くの人に買ってもらえたのです。しかも、携帯電話では通話とメールだけできればいいと考えていた人たちも巻き込み、「スマホにしたら便利だった」という潜在的ニーズまで満たしました。
これはデジタルの例ですがアナログでも価値創造はできます。
スターバックスのコンセプトは"Third Place"(家庭でもなく職場でもない第3の空間)です。スターバックスが売っているのはコーヒーではなく、第3の空間であるというのです。空間を打ち出すことにより、コーヒーを買うことに新たな価値を創造しています。その姿勢はCMを流さないことにも表れています。安売りはしない、というよりコーヒーを売っている訳ではないので、むしろ、安く売ってしまっては空間の価値が下がってしまいます。マクドナルドが「コーヒーなら100円で飲める」というような攻撃的なPRを行ったようですが、スターバックスにとっては全く関係ないことだったのです。
ハラダ製茶の話に戻るけど
以上を踏まえると、ハラダ製茶は緑茶業界の裏、いや、むしろ王道を行っています。
周囲のお茶関係の人達がケーキを作ったり、お茶専門の喫茶店を開いたりしてお茶に新たな価値を付加しようとしている対して、このCMでは、嫁姑の日常を切り取って最後に一服のシーンを持ってきています。まさに「私たちの製品はあなたの生活を劇的に変えることはありませんが一服を与えることができます」と言っているように感じました。
スターバックスとは真逆です。
新たな空間を提供するのではなく、生活に寄り添うというイメージです。
ハラダ製茶株式会社のHP、会社概要のごあいさつを見てみると最後の一文に
おいしいお茶でほっと一息つける団らんの場づくりをお手伝いすることが、弊社の使命と考えております。
とありました。
さとこさんとお義母さんはほっと一息ついていたのですね。