脚本家/小説家・太田愛のブログ -3ページ目

『彼らは世界にはなればなれに立っている』の連載の原稿を書き始めた2019年の秋、新型コロナウイルスという言葉はまだ存在しませんでした。翌20年の6月に最終回を書き終えた頃、世界は未曾有の感染症の渦中にありました。そのような時期にこの物語を執筆することになったのは、なにか巡り合わせのような気がします。

字が書けるようになった子供の頃から「お話」を、高校大学あたりから「小説めいたもの」を、その後、脚本を書くようになってからも大学ノートに綿々と書き綴ってきた物語。本作は、私にとってそれら「物語たち」の原点にもっとも近い作品です。

現代社会を舞台にした既刊の作品とは趣が異なりますが、是非、お手に取ってみてください。8月24日に文庫になります。

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先日、ご紹介したジュンク堂書店松坂屋高槻店の書店員さんが、『未明の砦』作中の台詞などを集めてPOPを作ってくださって、売り場に掲げてくださいました。どうもありがとうございます!

POPが飾られた売場は、こんな感じになっているそうです。

拙著の売上部数カウンターも設置してくださっているとか。間違いなく人生で初めての出来事です。お近くの方は、ぜひお店まで足をお運びになってみてください。

本日8月8日の讀賣新聞朝刊『エンタメ小説月評』で『未明の砦』を取り上げて下さいました。「エンタメ小説の話題作」「の中でも白眉」、「現代社会の病巣と切り結ぶ覚悟が伝わってくる」、「現代に読むべきエンターテインメントだと強く感じる」のお言葉、とても嬉しいです。川村律文さん、ありがとうございました。

讀賣新聞を購読されている方、職場や図書館でお読みになれる方、ぜひご一読ください。そして、記事にありますように、月評欄をお読みいただいた後は「ぜひ書店に足を運んで」くださいませ!

 

 

『未明の砦』単行本が、本日発売となりました。「買いました!」「楽しみに待っていました!」「これから読みます!」という嬉しいお知らせ、皆様に心から感謝です。

 

ジュンク堂書店松坂屋高槻店の書店員さんが、凄い売り場を作ってくださっています。

以前に「犯罪者」からの鑓水たちのシリーズの「登場人物しおり」(私もほしい…)を作ってくださった書店員さんです。

どうもありがとうございます!

KADOKAWAのWEBマガジン・カドブンに、今月31日発売の新刊『未明の砦』について、武田砂鉄さんが書いてくださったレビューが掲載されています。

人間の力を信じ抜く小説——太田愛・新刊『未明の砦』レビュー

 

武田さんには、本の帯にもとても力強い言葉をいただきましたが、このレビューでも、毅然と読み手に迫る鋼のような文章を書いてくださいました。拝読して私も励まされ、鼓舞されました。武田さん、どうもありがとうございました。

 

お読みになる前にひと言だけ。武田さんのレビューでは、中ほどの段落でストーリーの骨格の一部が明らかになっています。「予備知識ゼロ、真っ白の状態で物語を楽しみたい!」という方はもうしばらくお待ちいただいて拙著を読まれた後で、ぜひお読みください。

 

 

『未明の砦』もくじ

 

   第一章 事件
   第二章 発端の夏
   第三章 追う者たち
   第四章 Are you ready to kill?
   第五章 反旗
   第六章 力なき者たちの力
   終 章 標的

 

 

 

7月31日刊行の新作『未明の砦』のカバーができあがりました。

カバーの写真は、写真家・山内悠さんの写真集『夜明け』(赤々舎)のなかの一枚で、私が選んだものです。装丁は『彼らは世界にはなればなれに立っている』に続いて、國枝達也さんが担当してくださって、前回と同じく素晴らしい本に仕上げてくださいました。帯には、武田砂鉄さんから力強い言葉をいただきました。

『未明の砦』もくじ

 

   第一章 事件
   第二章 発端の夏
   第三章 追う者たち
   第四章 Are you ready to kill?
   第五章 反旗
   第六章 力なき者たちの力
   終 章 標的

 

1ヶ月後には書店に並びます。ネット書店での予約も始まっています。お楽しみに。

 

 

 

お待たせいたしました。

 

2021年4月「陸奥新報」をスタートに11紙に掲載していた『未明の砦』。もうすぐすべての新聞で連載が完結し、7月に単行本となって書店に並びます。

 

発売予定日は7月31日(月)。

アマゾンなどのネット書店の予約も、すでに始まっています。

 

『未明の砦』は、こんな物語です。

 

共謀罪、始動。標的とされた四人の若者は、公安とグローバル企業を相手に闘うことを選ぶ――

瑞々しくも切実な希望と成長の社会派青春群像劇。

 

■街角にクリスマスソングの流れる日、共謀罪による初めての容疑者が逮捕されようとしていた。動いたのは警視庁組織犯罪対策部。標的は、大手自動車メーカー〈ユシマ〉の若い非正規工員・矢上達也、脇隼人、秋山宏典、泉原順平。四人は完璧な監視下にあり、身柄確保は確実と思われた。ところが突如発生した火災の混乱に乗じて四人は逃亡する。誰かが彼らに警察の動きを伝えたのだ。所轄の刑事・薮下は、この逮捕劇には裏があると読んで独自に捜査を開始。一方、散り散りに逃亡した四人は、ひとつの場所を目指していた。千葉県の笛ヶ浜にある〈夏の家〉だ。そこで過ごした夏期休暇こそが、すべての発端だった――。

 

■自分の生きる社会はもちろん、自分の人生も自分で思うようにはできない。見知らぬ多くの人々の行為や思惑が作用し合って現実が動いていく。だからこそ、それぞれが最善を尽くすほかないのだ。共謀罪始動の真相を追う薮下。この国をもはや沈みゆく船と考え、超法規的な手段で一変させようと試みるキャリア官僚。心を病んだ小学生時代の友人を見舞っては、噛み合わない会話を続ける日夏康章。怒りと欲望、信頼と打算、野心と矜持。それぞれの思いが交錯する。

逃亡のさなか、四人が決意した最後の実力行使の手段とは――。

連載を始めた21年4月はコロナ禍第4波の真っ只中。さかんに外出自粛が呼びかけられ、はりつめた空気が社会全体を覆っていたのを覚えています。当時、連載スタートにあたって、「作者のことば」として次の一文を各紙に寄せました。

 

「格差と分断の広がる社会の中で、無力感のままに状況に身を任せることを拒み、自らの尊厳を取り戻そうとする人々を描きたい」

 

まもなくです。

ぜひお手にとってみてください。

 

ネット書店のページはこちらです。

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honto→https://honto.jp/netstore/pd-book_32567718.html

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*書影など、新しいお知らせは、このブログやホームページに掲載いたします。

新年あけましておめでとうございます。

今年もよろしくお願いいたします。

 

昨年夏、小説『未明の砦』の新聞連載が、最初の掲載紙、陸奥新報で完結いたしました。また、10月には光文社文庫のアンソロジー『Jミステリー2022 FALLに、久しぶりの短編ミステリ『鯉』を寄稿いたしました。

        

今年は、『未明の砦』の書籍化と新作の長編小説に着手する予定です。ほかにも、いくつかの企画が進んでいます。詳細が決まり次第、随時、HP、ブログにてお知らせいたします。

また、鑓水たち三人組のシリーズは昨年も多くの反響を頂きました。読書好きの方々や書店員の皆さんが広めて下さったおかげです。心から感謝です。シリーズとは趣が異なりますが、ダークファンタジーがお好きな方は、山中賞受賞作『彼らは世界にはなればなれに立っている』も是非お手に取ってみてください。

 

本年が皆様にとって幸多き年になりますようお祈り申し上げます。

                                                                     2023年元日

 

 

 

 

新作のお知らせです。

書き下ろしの短編ミステリを寄稿した「Jミステリ2022 FALL」(光文社文庫)、本日(10月12日)発売です。

 

タイトルは『鯉』。

 

横浜の一角に屋敷をかまえる、ある古い素封家の家族に起きた事件を描くオーソドックスなミステリです。旧家を舞台としたミステリというと、横溝作品のようなおどろおどろしい雰囲気を想像される方もいらっしゃるかと思いますが、本作はある女性の遠い記憶に秘められた謎をめぐる物語です。ひさしぶりに少女や女性を中心に描いた作品になりました。

ぜひお手にとってみてください。(Amazonでは→こちらから)

 

 

新作のお知らせです。

10月12日に光文社より刊行予定の『Jミステリー2022 FALL』に書き下ろし短編ミステリーを寄稿しました。同書は、4月に刊行された『Jミステリー SPRING』に続く文庫書き下ろしのミステリーアンソロジーの第2弾で、今回も6名の作家の新作が掲載されます。執筆者は、光文社文庫のTwitterアカウントで、昨日8月29日より毎日カウントダウン形式でひとりずつ発表中です。光文社文庫のTwitterは→こちら

 

目下、編集作業が進行中ですが、Amazonなどのネット書店では、すでに予約も始まっています。Amazonは→こちら

秋の夜長、ミステリー好きの方は、ぜひご予約くださいませ。