脚本家/小説家・太田愛のブログ
『犯罪者』(KADOKAWA)



『幻夏』(KADOKAWA)

第67回日本推理作家協会賞(長編および連作短編集部門)候補


『天上の葦』(KADOKAWA)



『彼らは世界にはなればなれに立っている』(KADOKAWA)

第4回山中賞受賞


『鯉』(光文社刊「Jミステリー2022FALL」所収)



『未明の砦』(KADOKAWA)


第26回大藪春彦賞受賞


『夏を刈る』(光文社刊「Jミステリー2023 FALL」所収)

第77回日本推理作家協会賞(短編部門)候補

「しんぶん赤旗日曜版」9月14日号に、インタビュー記事が掲載されています。6月に上梓した第一短編集『最初の星は最後の家のようだ』執筆にあたって考えたことなどをお話ししました。

是非、お手に取ってみてください。

 

また、『最初の星は最後の家のようだ』の感想を寄せてくださったみなさん、どうもありがとうございます。お気に入りの短編として挙げてくださっている作品がばらばらで、エッセイも含めて6作すべてに散らばっているのが、とても嬉しいです。未読の方もぜひこの機会に。

 

テーマ:

「WEB別冊文藝春秋」で連載中の『ヨハネたちの冠』、連載第6回が本日配信されました。

 

今回は第四章「賢者の石をひらく(中篇)」。前回、翔琉が会いに行ったスナフキンは、翔琉の想像も及ばぬかたちで、この事件と結びついていた。一方、その朝、透矢は学校でひとり〈心とむきあう部屋〉にいた。登校した透矢は昇降口で「夏至の男」の正体を知ってしまったからだ。そしてその日、透矢はスーパー教育特区にある『柊谷小学校』の核心を知る体験をする。

 

連載第6回、掲載ページは→こちらです。

 

 

 

6月25日に発売された新刊『最初の星は最後の家のようだ』ですが、ジュンク堂書店松坂屋高槻店の書店員さんが、凄い売り場を作ってくださっています。

書店員さんが拙著の売り上げカウンターまで作ってくださって、いつも用意してくださるのですが、今回、その後ろにある大きなポスターがとても手間のかかったもので驚きました。5つの短編とエッセイ1篇それぞれから一文を選んで載せてくださり、しかも背景の色調や題名等の配置が書籍のカバーと同じ! 

いつも素敵な売り場を作ってくださってありがとうございます。

お店の近くにいらっしゃるみなさま、出向かれた際には、ぜひお立ち寄りください。

 

25日発売予定だった新刊『最初の星は最後の家のようだ』(光文社)ですが、一部の書店ではすでに店頭に並び、Amazonにも入荷されています(→こちらです)。僅少ですが、サイン本が置かれている書店もあります。

 

以下に、先日の紹介記事を再掲しておきます。

*     *     *

『最初の星は最後の家のようだ』は、昨年4月に発表した『十月の子供たち』から、初めて自分の幼い頃の体験をもとに書いた新作『給水塔』までさまざまなスタイルの五つの短編、そして一編のエッセイをまとめた第一短編集です。

 

 

まずモノとしての「本」について一言。

念願だった清水裕貴さんの写真をカバーを含めて3枚使わせていただき、國枝達也さんが今回もとても素敵な装幀に仕上げて下さいました(カバー以外のどこに写真が現れるかはお楽しみ)。

電子書籍でも充分に良さを味わえるのですが、紙の本を手に持って表紙から一ページずつ開いていく時、驚きと感動が一段と深くなる。そんな「本」が清水さん、國枝さん、そして編集してくださった小口さんのおかげでできあがりました。みなさんにも、お手にとってこの「本」を味わっていただければ幸いです。文庫になったときにはこの感動はやや薄れるかもしれませんので、書店に並びました際には、確かめるだけでもかまいません、ぜひ一度ページをめくってみてください。

 

作品については、翻訳家の金原瑞人さんが帯にこんな言葉を寄せてくださいました。

 

ーーー作者は様々な設定で、痛いほどの喪失感や切迫感を、隙のない緻密な文体で語ってきたが、常にその背景や前景に現実の世界を浮かび上がらせるのを忘れない。

 

ーーーまず、「十月の子供たち」が素晴らしい。どこともわからない場所に生きる双子の姉弟の物語は、現代を見事に写してみせる。エンディングにそっと差し出される、絶望の果ての祈りに似たかすかな希望。終わりの数ページは、一編の詩としか思えない。「サイレン」は、「記憶しているものが、少しずつ幻になっていく」主人公の物語。読んでいるときに頭に浮かぶ疑問がひとつずつ解決されるたびに切なさがこみあげる。「給水塔」では、少年たちの先に立って冒険に飛びこんでいく少女に圧倒的な存在感がある。遠景から襲いかかってくる真空のような恐怖を、彼女といっしょに味わってほしい。

 

ぜひお手元にどうぞ。

「WEB別冊文藝春秋」で連載中の『ヨハネたちの冠』、連載第5回が本日配信されました。

 

今回は第四章「賢者の石をひらく(前編)」。前章で、藤倉を訪問した透矢、翔琉、光叶の三人でしたが、奇妙なことに別れ際の翔琉がうわの空のようすだったのを覚えていらっしゃるでしょうか。実は、あの場面で翔琉は、夏至の男について自分たちが立てていた推理にひとつ誤りがあることに気づいていたのでした。そして、そのことを確かめるために、翔琉がある人物の隠れ家に潜入する場面から第四章が始まります。

 

翔琉はいったい誰に会いに行ったのか。

そして、翔琉が気づいた少年たちの推理の誤りとは。

連載第5回、掲載ページは→こちらです。

photo by Alen Kuriakose (Unsplash)

 

お待たせいたしました。

元日のブログで告知していた新刊出版のお知らせです。

 

6月25日(水)、初めての短編集『最初の星は最後の家のようだ』が光文社より上梓されます。

昨年4月に発表した『十月の子供たち』から、初めて自分の幼い頃の体験をもとに書いた新作『給水塔』までさまざまなスタイルの五つの短編、そして一編のエッセイをまとめた短編集です。

 

 

まずモノとしての「本」について一言。

念願だった清水裕貴さんの写真をカバーを含めて3枚使わせていただき、國枝達也さんが今回もとても素敵な装幀に仕上げて下さいました(カバー以外のどこに写真が現れるかはお楽しみ)。

電子書籍でも充分に良さを味わえるのですが、紙の本を手に持って表紙から一ページずつ開いていく時、驚きと感動が一段と深くなる。そんな「本」が清水さん、國枝さん、そして編集してくださった小口さんのおかげでできあがりました。みなさんにも、お手にとってこの「本」を味わっていただければ幸いです。文庫になったときにはこの感動はやや薄れるかもしれませんので、書店に並びました際には、確かめるだけでもかまいません、ぜひ一度ページをめくってみてください。

 

作品については、翻訳家の金原瑞人さんが帯にこんな言葉を寄せてくださいました。

 

ーーー作者は様々な設定で、痛いほどの喪失感や切迫感を、隙のない緻密な文体で語ってきたが、常にその背景や前景に現実の世界を浮かび上がらせるのを忘れない。

 

ーーーまず、「十月の子供たち」が素晴らしい。どこともわからない場所に生きる双子の姉弟の物語は、現代を見事に写してみせる。エンディングにそっと差し出される、絶望の果ての祈りに似たかすかな希望。終わりの数ページは、一編の詩としか思えない。「サイレン」は、「記憶しているものが、少しずつ幻になっていく」主人公の物語。読んでいるときに頭に浮かぶ疑問がひとつずつ解決されるたびに切なさがこみあげる。「給水塔」では、少年たちの先に立って冒険に飛びこんでいく少女に圧倒的な存在感がある。遠景から襲いかかってくる真空のような恐怖を、彼女といっしょに味わってほしい。

 

Amazonでの予約もすでに始まっています→こちらです

ぜひお手元にどうぞ。

 

別冊文藝春秋で連載中の『ヨハネたちの冠』、第4回が4月18日より配信中です。別冊文藝春秋はこれまで電子書籍とWEB版でしたが、今回からWEB別冊文藝春秋に一本化されました。

(WEB版ではこれまでの回も遡って読むことが可能です)

第4回の掲載ページは→こちらです

 

今回の第三章『青空が石を蹴る(後編)』では、少年たちの物語が大きく展開します。さらに、思わぬ人物が大胆な行動に打って出ます。また、一足早い紫陽花もお楽しみくださいませ。

 

photo by Masaaki Komori (Unsplash)

 

『ヨハネたちの冠』連載第3回が掲載の「別冊文藝春秋 電子版60号(2025年3月号)」が本日、配信されました。

(*WEB版は、来月18日に公開される予定です)

 

スーパー教育特区の小学6年生・紺野透矢が他人の名を騙って姿を消した謎の男に出会った夏至の夜、透矢の姉・青明もまた、忘れることができない体験をしていた。そして深夜、青明は友人の木村沙由未とともに帰宅し、それまで一度も見せたことのない涙を流した。彼女たちは、その夜、いったい何を体験したのか。

ところで、透矢はその夜、初めて会った木村沙由未を見て、以前に見た一枚の絵を思い出します。それが、こちらです。

 

 

連載第3回は「第三章 青空が石を蹴る」前編。

青明と沙由未、二人の少女をめぐる謎が解かれます。

 

 

明けましておめでとうございます。

本年も何卒よろしくお願い申し上げます。

 

昨年は『未明の砦』が第26回大藪春彦賞をいただき、短編『夏を刈る』が第77回日本推理作家協会賞にノミネートされました。

 

既刊の『犯者者(上・下)』『幻夏』『天上の葦(上・下)』のトリオシリーズは、読者の方々の推しと書店員さんの応援で昨秋、累計60万部を超えました。ありがとうございます。

トリオシリーズとは趣の異なる『彼らははなればなれに立っている』も熱い感想を寄せて下さる読者の方々に支えられて幸福な一冊となりました。

 

昨秋からは長編『ヨハネたちの冠の連載が「別冊文藝春秋」でスタートし、先月20日配信の2025年1月号に「第二章 自転車がつなぐ」全文が掲載されています。

今年のお仕事も『ヨハネたちの冠』から始まります。首都近郊のスーパー教育特区に住む3人の子供を中心に、他人の名を騙って子供たちの前に現れた謎の男、秘密を抱えたホームレス、戦後、公職追放を経験した政治家を祖父にもつ現役の文科大臣など、さまざまな人物が登場する物語です。今年は、いよいよ連載も佳境に入ります。次回配信は2月20日の予定です。

 

また、この春、初の短編集を上梓する予定です。詳細が決まり次第、当ブログ・ホームページでお知らせいたします。

 

本年が皆様にとって幸多き年になりますようお祈り申し上げます。

2025年年元日

 

 

 

 

「別冊文藝春秋」2025年1月号(電子書籍、WEB版)で連載中の『ヨハネたちの冠』第2回が本日、配信されます。

 

今回、掲載されるのは「第二章 自転車がつなぐ」全編です。

第一章で主人公の三人の子供たちがぶつかった多くの謎、

 

――透矢のまえに現れたニセモノの藤倉真一はだれなのか。

――本物の藤倉真一はどこに消えたのか。

――青明(せあ)と沙由未はなぜ涙を流していたのか。

――交番相談員の大木が遭遇した不審な男たちは何者なのか。

――スナフキンが拾ったSDカードに記録されているのは何か。

 

それぞれの謎が展開し、明かされ、新たな謎へとつながっていきます。更に、そもそも彼らが暮らすこのスーパー教育特区とはどんなところなのか、その衝撃の一端も開示されます。

 

ぜひお楽しみください。